第114話 ユーザーサポートプログラム
闇と光の狭間、スカイは椅子に腰掛けていた。
モニターには検索バー。
夢tubeの文字がぼやけて揺れる。
「……また調べてるだけの人生か。」
虚空に問いかけても、誰も答えない。
「俺、何してるんだ。現実で動けない俺に、
どんな価値がある……?」
苦笑混じりに頭を掻く。
その時、画面に文字が浮いた。
---ユーザーサポートプログラム
ルイーダsu51アップロードを開始します。---
「……は?」
スカイは首をかしげた。
その瞬間、横から声。
「初めまして。」
思わず跳ねのける。
「うおっ!」
そこに立っていたのは、
エメラルドグリーンの髪を持つ女性。
柔らかな微笑。どこか懐かしい瞳。
「……エリアス?」
女性は首を横に振った。
「いいえ。私は《ルイーダsu51》。
あなたをサポートするAIコンシェルジュです。」
スカイが呆然と呟く。
「AI……まるでチャットボットみたいな……。
でも何で今さら?」
ルイーダは落ち着いた声で続けた。
「あなたの検索履歴を解析し、最適なサポート情報を提供するための実験用プログラムが起動しました。」
事務的な言葉にスカイは頭を掻いた。
「サポートなんて……俺、今生死の境なんだぞ。どうサポートする気だよ。」
ルイーダの瞳が一瞬光を帯びた。
「これからあなたのすべての過去ログを解析し――最適データを構築します。しばらくお待ちください。」
「ちょっ、おい!? 無視かよ!」
スカイは当てもなく立ち上がった。
「ああもう、早く目を覚ましてエリアス助けなきゃってのに……。」
その名を口にした瞬間、ルイーダが振り向いた。
「――エリアス? 今、なんて言ったの? あの子のこと、知ってるの?」
「……はぁ? なんで知ってるんだよ。」
「何を言ってるの。
エリアスは私の……娘よ。」
時が止まった。
「……娘?」
ルイーダは微笑む。
「ええ。私はルイーダ・エニーフィート。
エリアスの母です。……あなたは?」




