表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/146

第112話 父との対話、エリアスの想い



国王クラウディスの私室。


扉をノックすると、いつになく弱い返事が返ってきた。


「入れ、エリアス。」


椅子に腰を掛ける父。歳月の重みがその背にのしかかり、もはやかつての覇気はない。


「……苦労をかけるな。」


「父上、今はそんな――」


「聞いている。世界の混乱、ゼストールが原因であることも。

 そして……あの青年が、お前を庇って倒れたことも。」



エリアスは息を飲んだ。



クラウディスは続ける。


「本来、この責を負うべきは余だ。それを娘に背負わせた。……すまぬ。」



「そんな……違います。私は――」



「よい。そんな言葉より、今はお前の“心”を聞かせてほしい。

 エリアス、お前は何を望む?」


エリアスを視線を反らし、

「わ、……私は何も……」。


「では……、お前はなぜ今泣いている?」


「……っっ!!!」



その瞬間、エリアスが抑えていた何かが崩壊した。



「私……っ! スカイが傍にいないと、何も出来ないの!」


胸の奥からあふれる嗚咽。


「スカイは私を照らしてくれた! 道を示してくれた! 未来を語ってくれた!

 あのサミットで、彼の夢を聞いて……私はその夢を叶えたスカイの隣で笑っていたいって思った!

 本当は、この国は彼が導いた方が良かったんじゃないかって……思ったことだってあるの!!」


涙が頬を伝い落ちる。


「なのに、なんで――なんで私を庇って! あの人が傷つかなきゃいけないのっ!?

 何で母と同じように、大切な人をまた失わなきゃいけないのっ!?」



息が乱れ、嗚咽が部屋を揺らす。

そして、胸の奥から言葉がこぼれた。



「私、……スカイが、好き。大好きなの。大切で……彼じゃなきゃ駄目なの。

 優秀だからじゃない。……初めて、一生を添い遂げたいと心から思ったのは、スカイだけなのっ!!」



その叫びを聞いた王は、一瞬目を閉じた。


そして、ゆっくりと立ち上がり、娘の肩を抱いた。


「泣け。泣いていい。お前は女王である前に、ただの娘で人間だ。」


その胸の中で、エリアスは子供のように泣き続けた。


「ぅっ……ぅあっ……うわぁぁあああああっっ!!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ