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第11話 変わりゆくスラム
瓶ランタンが街を照らす夜が、もはや当たり前になった。
かつて暗闇と冷たさしかなかったスラムに、今では笑い声と会話がある。
皆が協力し、汚れた水路を掃除し、食べ物を分け合うようになった。
その中心にいるのは間違いなくスカイだった。
「なあ、スカイ。次は何を作ればいい?」
「まず通りを広くしよう。風が通れば病気も減る。」
夢tubeの知識をもとに作業を指示する彼の姿は、
もう子供ではなかった。
だがスカイは思う。
――夢の中で得た知識も、結局、人と繋がらなければ意味がない。
この日から彼の学びは“自分のため”から“皆のため”へと変わっていった。




