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第106話 世界は彼女を休ませない。
三日後。集中治療室の奥。
スカイは今も微動だにしない。
白いシーツに包まれ、胸には淡い魔法陣が描かれている。
面会謝絶。
それでもエリアスは毎日椅子に腰掛け、彼の手を握っていた。
「ねぇ、スカイ……。あの時、わたしは……。」
答えはない。
水晶玉の魔力波形が穏やかに揺れる波だけが映る。
「あの時と……同じね。」
エリアスは小さく俯いた。
「母も、こんなふうに助けてあげられなかった。私、何にもできない……。」
拳を握ると、爪が掌を切った。
「でも――あなたが築いたものは、絶対に壊さない。」
彼女は涙を拭き取り、立ち上がる。その時、参謀官が駆け込んできた。
「陛下! 世界中の大使館から緊急要請です!」
「……えっ?」
「数値教が、世界中で同時多発テロを!」
エリアスの瞳が見開かれる。




