第103話 歓声の中の銃弾
翌朝、王都は祭りのようだった。
「各国首脳が一つになった!」
「奇跡のサミットだ!」
民衆が街で歌い、旗を振る中、
スカイは人ごみの中を歩いていた。
「いい国になったな。」
しかしその声はどこか儚い。
(この世界はもう、俺がいなくても回る。)
その時、スカイは外の方から何かがキラッと輝いたのを見つけた。
・・・何だ?
宮殿の上階で、エリアスが彼を見つけて駆け出そうとする。
「あそこにいたっ、スカイ!」
だが呼ぶ前に――。 バァァァン!
雷鳴のような音が王宮を貫いた。
警備兵が叫ぶ。
「銃声だ! 狙撃か!」
何かに押され、エリアスが振り向いた瞬間、視界が赤く染まる。
「え……?」
目の前で、スカイが左肩を押さえて倒れていた。
「スカイっ!」
彼女が駆け寄ると、スカイの左肩から血が溢れ出していた。
「良かった……エリアスが無事で。」
痛みを堪えながら彼が微笑む。
「喋らないで! 誰か、医療班を呼んで!」
兵士が駆け、悲鳴が広がる。
エリアスはスカイの顔を両手で支え、涙をこぼした。
「どうして……どうして私を庇うの!」
「……エリアスが、未来を……見せてくれたから。」
スカイの手が、エリアスの頬をそっと撫でた。
外ではまだ、歓声が響いている。
「女王陛下ばんざい!」
だがその中で、エリアスの叫びだけが響き渡った。
「嫌っ、スカイ、ダメっ!しっかりしてっ!!
イヤァァアア〜ッッ!!!」
光が徐々に遠のき、
エリアスの頬を撫でたスカイの手がパタッと力無く落ちた。
エリアスの腕の中でスカイの意識は
白く霞んでいった。




