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第100話 最後の議題




すべての議題をこなし、最後に残された一枚の札。



“数値差別”。



会場の空気が一変する。


誰もが顔を見合わせ、沈黙した。



砂漠国の代表が吐き捨てる。


「そんな夢物語、口にするだけで反乱者だぞ。」



森国の女代表が冷たく笑う。


「でも、王国はそれをやってみせたわ。」




議場の空気が一気に緊迫する中、

エリアスは立ち上がろうとした。




だが言葉が出なかった。


(どう言えば、伝わるの……?)



「エリアス。」


スカイの声が響いた。


スカイはエリアスの肩を軽くポンッと叩くと

壇上に立ち、深く一礼した。


「失礼いたします。ですが、少しだけ語らせてください。」



ざわめく代表団。


「誰だ、この青年は」


「側近だとか?」





「私はスラムの生まれです。

貧困と、無数値者と社会のゴミの烙印と共に。」



一瞬、会場の空気が張りつめた。




「数値の世界で最も見下されていた自分が、なぜここに立てているのか。」


スカイは胸に手を置いた。


「それは人が“信じてくれた”からです。」



彼は各国を見渡しながら続けた。


「異なる国、異なる民。でも“問題を解く”という志は同じです。


 このサミットは、ただの会議じゃない。

“世界が手を取る実験”なんです。」



会場が静まり返る。




「もし、私たちが国境を越えて協力すれば、この差別の連鎖は必ず終わらせられる。


人の価値を数で測る時代を、

今日ここで終わらせよう。」





スカイの言葉にエリアスの心臓が早鐘のように鳴っていた。


スカイの姿があの日の少年に重なる。


“同じ夢を見ている”――。





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