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泥中の君  作者: 奈落
1/1

荒野に招かれる

初投稿です。短いです。そしてこれからも1エピソードが短いです。

あらすじを呼んでいただければこのエピソードは読まなくてもいいかもしれない。

次のエピソードで激メロ屈強ヒロインNを出すのでしばしお待ちを。

(次回と次次回で作品の全体像と面白さ出てくる)

痛い、苦しい、辛い。

そんなことを思いながらまた目を覚ます。今日で5回目の目覚め。薬の効果と病の苦痛による不眠症で眠たくてたまらないのに、眠ることができない。意識が朦朧としても、この身体を包む痛みだけは鮮明で、早く気絶させてくれと念じながらベッドの上でうずくまる。

なぜ僕はこんなにも弱いのだろう。みんなと同じように、健康できれいな身体で、普通に生きられたらよかったのに。

僕は生まれた時から1度も自分の家に入ったことがない。両親が、僕が母さんのお腹に住み着いた時から、僕がそこで生活するのを楽しみにして用意してくれた僕の部屋。僕が18歳になった今でも、毎日自分達の手で掃除をしてくれているらしい。きっと生涯使われることはないだろう。

嗚呼、父さん、母さん、2人は本当にいい人だから、僕がこんなことを言ったら悲しむだろうけれど、僕は本当はもう生きたくないんだ。小さい頃は、死ぬことが怖くて仕方がなくて、家に帰ろうとする2人を泣いて引き留めたけれど、今は死を待ち望んでいる。今の僕を救ってくれるのは、この苦しみから解放してくれるのは死でしかないんだ。

多くの場合、自殺する人は事前に遺書を書くのだろう。でも僕には遺書を書くためにペンを握る力すらない。だから、遺書を書かずに、貴方たちへの感謝を形に残せずに去るのは申し訳ないけれど、今からこの点滴と人口呼吸器を外して、いよいよ死を迎えることができるこの悦びが、貴方たちにも届くよう神に祈ろう。


(なぜだかこの時の僕は、ペンを握る力もないくせに、指先を動かすだけでとてつもない疲労感に襲われていた身体なのに、この時だけは、とても力が漲っていて、これまでに感じたことがないほど幸福だった。)


次第に意識が遠のく。不思議だ。死ぬのに邪魔なものを外した途端、身体が楽になった。見慣れた病室の白い天井の一部が黒く霞んで見える。

「よかった。」

誰かの声が聞こえる。女性の、または子どもの声だ。僕に話しかけているのだろうか。この病室には僕以外の誰もいないはずなのに。

「Nの傍には、アナタみたいな人がいいと思ったの。」

N?一体何の話をしているんだ?この人は誰なんだ?Nの傍ってどういうことなんだ?僕はどうなる?

「怖がらないで。大丈夫。アナタは正しい綺麗な世界に行くの。アナタは綺麗な魂をしてるから、Nがすぐに見つけてくれるよ。わたしの煤が着いちゃったけど、この方があの女の目から逃げやすいから。」

だんだん見えなくなる世界に響く声が恐怖を煽る。死に向かっているこの身体は声を出すために口を開くことすら叶わない。

(誰か、だれか、たすけて)

「そうだね、早くあっちに行きたいよね。ほら、おやすみ」


ほんの一瞬、僕の口に柔らかく、冷たいものが被さった。



――――――――――――――――――――



驚いて、やっと瞬きができた。

しかしそこに見えたのは血のように赤黒い空、どこかで燃えさかる炎と昇る黒煙。目線を顔の横にずらせば、枯れた草が低く茂っている。

ここは病室じゃない。夢みた僕の部屋でも、楽園でも、天国でもない。


僕は今、荒野にいる。

普段漫画しか読まないし国語力も乏しいので、日本語がおかしいかもしれません。完全に自己満でやってるのでのんびり書きます。

毎週金曜日投稿とします。

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