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半顔少女  作者: ツヨシ
6/12

母親が激しく首を振った。

「いや、今言ったことは忘れてください。それじゃあもう失礼します」

女はひどく慌てたように立ち上がり、会計を済ませると小走りに店を出て行った。

まるで逃げるかのように。

――なんだったんだ、今のは?

考えたが、徳田にはわからなかった。


夜に老婆はさ迷っていた。痴呆だ。

一見散歩にも見えるが、いわゆる徘徊だ。

老婆は完全にボケていた。

――おや?

目の前に誰かいる。少女だ。

普通の少女ではない。

頭の上半分がない。

あるのは口と鼻の下部分と右目で、その上がないのだ。

老婆は見ていた。

すると半顔の少女が老婆を見た。

老婆は反射的に頭を下げた。

少女はそれには返さず、視線を移して目の前の家をじっと見つめた。

少女はそのまましばらく家を見ていたが、やがて煙のようにその姿を消した。

老婆はそれを見て思った。

――最近は、ずいぶんと変わった子もいたもんだよ。まったく


一人目の被害者が通っていた中学でそれは起こった。

昼休み、死体が見つかった。

状況は前の二人と全く同じ。

頭が顔が、左下から右上に向けて切られ、死んでいた。

死んだ少女は今日が十四歳の誕生日だった。

切られた頭部は死体の横にごろりと置かれていた。大混乱。

警察が来て、生徒は全員家に帰された。

帰宅する女子生徒の大半は泣いていた。

男子生徒も青ざめた顔で家路に着いた。

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