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徳田は気づいた。
あの日以来、娘の態度が少しやわらかくなったことを。
それはうれしいことだ。
少年は急いでいた。
友達の家に長くいすぎた。
友達の両親が帰ってこないことをいいことに。
外は真っ暗だ。、
――怒られちゃう。
夜の住宅街を急ぐ。
その時、目の前に女子中学生が現れた。
少年の通う中学の制服を着ていた。
――こんな夜遅く?
見ていて気付いた。
少し離れた街灯が照らすその女子中学生。
頭の上半分がない。
口と鼻の下部分と右目を残して、それから上がないのだ。
――えっ!
思わず固まっていたがさらに気づいた。
目の前にいる少女。
何度も見たことがある。
ものすごく印象に残るその顔。
彼女は学校どころか街中で評判の、あの美少女であることに。
そして今まさに目の前にいるとおりに、頭半分を切り取られて死んだ少女だ。
――ゆ、幽霊だ!
少年は恐怖のあまりに逃げることさえできず、その場に固まっていた。
半顔の美少女は少年のことなどまるで気にかけずに目の前の家をじっと見つめていたが、やがて消えた。
少年は近所であるその家の住人を知っていた。
同じクラスの女子がいる家だ。
学校で友達と、誕生日パーティーについて話をしているのを聞いた。
たしか明日が誕生日だったはずだ。
終




