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テーマ詩集:猫

ねこ返し

作者: 歌川 詩季

 また、猫のはなしか!

 建物のなかにねずみが入ってこないように

 ねずみ返しをつけたのは むかしからある知恵

 だから あたしは

 ねこがのぼってこれないように

 こたつに ねこ返しをつけてみた


 つくえのうえにのぼるんじゃないって言っても

 そのまんなかで フクロウみたいな顔をして

 まんまるく座り込むし

 あんたのみかんじゃないって言っても

 その香りにいやそうな顔をして

 背をむけて しっぽをふりまわすんだもん


 あんたがのぼってこれないように

 こたつに ねこ返しをつけたのだって

 もんくをきかされる すじあいはない


 あんたなんか あったかいこたつのなかで

 ぬくぬくしてるがいいわ

 こたつぶとんのブラインドのなか

 あたしの のばした足がその存在をさぐりあてて

 足の指でうにうにされるのが嫌なら

 いっそのこと そこから出てきなさい

 こたつぶとんごしの おひざのうえで

 やっぱり フクロウみたいな顔をして

 まんまるく座り込んでくれたなら

 いくらでも せなかを撫でてやるし

 いくらでも 耳のうしろを かりかりしてやるから


 でもやっぱり

 みかんの香りにいやそうな顔をして

 背をむけて しっぽをふりまわしながら

 こたつぶとんのブラインドのなかに

 また ひきこもってしまうんだろう

 しかたないわね こうなったら

 こたつへの入り口にも

 ねこ返しをつけてやろうかと思ったけど

 これ以上 あんたの居場所をうばってやるのは

 ちょっと可哀想だもん


 しかたないわね そのかわり

 あたしの のばした足がその存在を

 さぐりあてちゃったときには おとなしく

 足の指でうにうにされてもらいましょう


 そしたら つくえのうえにさえのぼってこなければ

 あんたの好きにしてくれていい

 ほかの場所に ねこ返しをつけたりなんかしない


 だから 遠慮しなくていいんだよ

 こたつぶとんごしの おひざのうえにだって

 いつだって もどっておいで

 フクロウみたいな顔をして

 まんまるく座り込んでくれたなら

 いくらでも せなかを撫でてやるし

 いくらでも 耳のうしろを かりかりしてやるって

 そう言ってるじゃないの


 心配しなさんな

 あたしのおひざのうえには

 ねこ返しなんてついてない

 むしろ「ねこ歓迎!」の看板が

 立ててあるかもってくらい

 むしろ ねこ・うぇるかむ♡

 ぷりーず・かむ・ばっく・あげいん♡


 いつでも あんたのことを待ってるよ

「ねこ歓迎!」の看板を

 ほんとに立てるわけにはいかないけど

 いつでも あんたのことを待ってるってば

 ねこ返しのついてないおひざで 待ってるんだからね



挿絵(By みてみん)

 ネタに困ったら猫!

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― 新着の感想 ―
[一言] 痛い駄洒落を止めない困ったユーザーがいます 駄洒落返しを付けて 痛い駄洒落を言ったら電気ショックとか出来無いでしょうか? ヽ(`Д´)ノプンプン
[一言] ねこ返し笑。ねずみ返しならぬ……なんだか想像して笑ってしまいました。 ねこ歓迎!の看板、ねこ様からすると「当たり前」なのか「あっそうでも興味ない」なのか……。 足の指でうにうにしてみたいなぁ…
[一言]  登らせないためというよりは、ほかにいてほしい場所があるから、のような気もします。  滲み出る構ってほしさ。
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