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61 冬の訪れ

文化祭が終わり、冬が訪れあっという間にクリスマスになった。狂花がいて、友人がいて、普通の学生生活はとても時の流れを早く感じた。


「今日、夕方六時まで帰宅を禁じます。いいですね?勝手に入ってきたりなんかしたら、夏輝の家の鍵を勝手に変更する刑にしますから。」


「なあ狂花、一応確認しとくんだが、俺の家だってことは分かってるよな?」


「……?当然でしょう?つまり私の家でもあるから、帰宅を禁じてるんです。」


「理解できない俺が悪いのか、理解できないほどおかしなことを言っている狂花がやばいのか。一体どっちだと思う?」


「きっと分かり合える日がくるから、相互理解は焦らなくていいんだよ。徐々に理解できてくると思う!」


つまり、理解できない俺が悪いらしかった。


「とりあえず!今日は夕方六時まで冬川家出禁ね!」


「まさか親以外で自宅を出禁にされる日がこようとは思いもしなかったぞ。」


「六時までの一時的なものだから気にしなくて結構よ?」


「いや本当どんな精神で俺にそれを言えてるんだ?」


まるで自宅のように自由奔放な狂花。本当に鍵を変えられかねないので、狂花の言いつけ通り、その日は六時まで帰らないようにした。


              ―


外で適当に時間を潰そうと歩いていたところ、歩き始めてすぐに片瀬に出会った。


「あれ、冬川じゃん。メリクリ。」


「メリクリ。にしても、最近よくこっちに来てるんだな。」


「まぁね。クリスマスにお互い一人で外をぶらつくなんて、寂しいねえ。」


「片瀬と一緒にするなよ。俺は家を追い出されただけであって一人ではない。もう一度言うぞ、追い出されただけだ。」


「クリスマスの日に家を追い出されるって、あんたサンタさんに何したのよ。」


片瀬に冗談っぽくそう問われるも、逆にこちらが聞きたいぐらいだった。一体どこにクリスマスの日に、彼女から自宅の出禁をくらう男がいるというのか。


「今日の狂花はいつも通りではあるが、どこか違うような気もするんだよなあ。片瀬、何か知らないか?最近よく二人で出かけてたろ?」


「それはもう!沢山出かけて絆も充分深まったと思うんだよねえ。今じゃあお互いの好きな物を語り合うぐらいの仲だよ。」


「狂花の好きなもの……あぁ、そうだよな。そういう事か。」


「ん?何が?」


「悪い。用事ができたから行くわ。お前もクリスマスしろよ!」


上から目線すんな!という声を背中で受け止めながら、俺はただひたすらに走る。


「プレゼント……サンタさんは必要だよな。」


贈り物を買いに、ただ走った。

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