51 文化祭5
結論から言うと、大成功だったと思う。
狂花のクラスの「学生最強喫茶」とやらは大繁盛していた。
「いらっしゃいませー!こちらへどうぞー!」
「お待たせしました。こちらご注文のパンケーキにございます。」
店内では多種多様なコスプレをした店員が忙しく動き回り、店として扱っている教室も森のような色合いで鮮やかになっており、本当に森の中にある喫茶店のようだった。
さらに、こういうのは大体クラスの中にはやりたがらない者もいるだろうに、恐らくクラスの全員がコスプレをし、楽しそうに全員が、客よりもはしゃぎながらやっているのが凄く教室の雰囲気も明るくしていて、すぐに話題となり行列を作るほどになっていた。
「いらっしゃいませーご主人系のお客様。こちらへどうぞー。」
そんな人が混雑してる中でも、狂花をみつけるのはとても簡単な事だった。やる気の無さそうな声と、明らかに無愛想な態度の店員が一人、入口のすぐ前に居て、すぐに分かった。
相変わらずと言っていいのか、狂花の俺以外に対する態度の変わりようは全く変わっていない。いい意味でも悪い意味でもとても厳しい。
とはいえ、とはいえだ。狂花の服装は、メイド服に何故か角のようなものを頭に二本つけた、至ってシンプルなものであったが、とても似合っており、それを一目見れただけで自分としては大満足であった。
「いらっしゃいませ!ご主人様!こんな所でなく、私の家でお茶しませんか?」
「いや、嬉しいんだけど、その変わりようはありなのか?」
店に入ろうとした際に、狂花に言われた言葉だった。明らかな周りとの差がある態度と声の高さのその豹変っぷりに、いくら文化祭といえど少し心配するレベルであった。
普段なら、もう少し言ったかもしれないが、はっきり言って可愛すぎたので、このまま独り占めしたいという気持ちが勝ったため、それ以上は言えなかった。
「いいのよ。とっておきの表情や感情はやっぱり、好きな人に見てもらってなんぼだと思ってるから私。ところで、この服装どうかしら?個人的にも、かなり上手くいってると思うのだけど。」
「……全く。一応教室内だってのに、よく恥ずかしげもなく言えるな。ちなみに服装は最高に似合ってると思うぞ。角は謎だが。」
「そりゃあそうよ。愛に差をつけるのは大事だもの。こういうところでアピールしとかないとね。あ、後ね、角はツンを意味してるらしいの。私もよく分かってないけれど。」
「なるほど。じゃあ全部最高に狂花らしくて似合ってると思うよ。」
考えた人はよく分かっている。
「夏輝にだけの、愛のスペシャルコースね。」
「すげえ嬉しいけど、家でしてくれ。流石にさっきから視線が凄くて恥ずかしい。」
「家でなんて……夏輝って時々過激よね。あ、でも家だったらサービスもしやすいか。」
「過激なのは狂花の発言だよ。」
結局、いつものようなやり取りが続き、その後は、狂花が暴れたい放題暴れ、俺はただ嬉しく恥ずかしい時間を過ごすことになった。
「学生最強喫茶」には、その後カップルがよく訪れるようになったという。




