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49 文化祭3

その日の私は、とても浮かれていたと思う。

ずっと、ドキドキしていた。それこそ一日中ドキドキするなんて初めての経験だった。中学生の時にあった遠足や修学旅行でもそこまでは感じなかったのに、この日の私は、想い疲れるぐらいに、心が弾んでいた。


              ―


「なぁ狂花!あっちのミルク煎餅食べないか?」


「いいけど……大丈夫なの?さっきパンケーキで凄くお腹膨れてそうだったけど。」


「大丈夫大丈夫!さっきは勢いで食べちゃったから一時的にダウンしただけで、今は平気だからさ!」


「そう?夏輝が大丈夫なら私はそれでいいんだけど……」


パンケーキを食べ終わった後、私達は体育館にある三年一組が開催している「夏祭りの熱気は続く!」という、体育館にお祭りの屋台を並べまくり、それを時間が許す限り提供し楽しませるという出し物を見に来ていた。

体育館は、午後からは基本的に演劇が中心となってしまうため、午前から昼の間だけの開催となっているのだが、その情報が書かれている校内のチラシを見た夏輝の強い要望で今遊びに来ているという状況だ。


「ミルク煎餅っていいよなぁ……一番夏を感じれる食べ物な気がするんだよなあ。ほいっ、狂花も。」


「あ、ありがとう。夏祭りの時も食べてなかった?」


「いくら食べても飽きない自信があるね。」


「そろそろ夏輝のクラスの大怪獣お化け屋敷も始まるんだから、食べすぎでお腹とか壊さないようにね。」


「夏祭りの熱気は続く!」は大盛況だった。他の学校に比べ、体育館はかなり大きめの方であるというのに、屋台の大きさも関係はしているのだろうけど本当にお祭りのように体育館が学生と教師で混雑している状況だった。

屋台で何かしたり頂くにしても、人が多すぎて全ての屋台を見て回ることは不可能に思えるほどだった。現に、夏輝と私もここに来てからりんご飴とミルク煎餅しかまだ食べれていない。


「それにしても本当にどこも混雑しているな。他に負けないように勧誘も凄い必死だし。ベスト出し物賞だったけ?文化祭後に行われる人気投票。やっぱ三年生は一番を狙ってるよな。」


「だと思う。今年で最後だからね。一人一人の声とか、ここに来る道中でも他の三年生を見かけたけど、本気度が声で伝わってくるもんね。」


ベスト出し物賞。文化祭後に各生徒がどの学年のどのクラスの出し物が一番良かったかを書いて提出し、その結果を見てさらに後日先生が、最も票の多かった学年クラスを決定し、褒めるというもの。

ただ、投票するかどうかは本人の自由であり、仮にベスト出し物賞をとっても本当にただ褒められるだけというものなので、選ばれたからなんだという話でもあるのだが


「今年が最後ってなったら、最高の思い出として残るものね。」


「だなぁ。楽しい時間ってのはやっぱり、力強く記憶の中に残っていてほしいもんな。」


「そうね。あぁ……でも、夏輝はそんな心配無用よ?私が居るんだもの。この先、私が一番記憶に力強く残るのは間違いないんだから。良かったわね、この先人生も脳内も虹色確定よ。幸せ者ね。」


「幸せ者なのは認めるけどさ、虹色って逆に不安にならないか?どんな人生でなに考えてんだ俺。」


体育館の隅っこ、小さな範囲で横に立って並び、ミルク煎餅を食べながらそんな会話を夏輝としてて思う。


(一年前の私が今のこの状況を見たら、泣いて羨ましがるだろうな……)


好きな人と付き合い、夏祭りに行って文化祭も共に過ごす。夢であって現実になった話。


「おっ悪い狂花。そろそろ俺行かないとだわ。」


「あっ、うん。行ってらっしゃい。見に行くね。」


夏輝の携帯が鳴り、時間が来たので一時的に解散となった。


「大怪獣お化け屋敷かぁ……どんな感じなんだろ?楽しみだなっ」


人生も脳内も心の中も、全てが虹色のように思えた。明るい色もあって、でもちゃんと暗い色もあって、その他の色もちゃんとあって、その全てがあっての虹色。私と夏輝の人生のような、そんな色。


本人の前では絶対にそこまでのことは言えないけれど、私は密かにそんな事を思いつつ、ほどなくして、夏輝の元へと向かった。


久しぶりの投稿となってしまい申し訳ございません。

リアルが忙しく、執筆時間が作れずで投稿頻度が落ちてしまうと思います。本当にすみません。でも、続けます。投稿しますので、何卒読んでいただけると嬉しいです。

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