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48 文化祭2

各々のクラスが楽しみながら成功を目指し、進めた文化祭の準備期間はあっという間に過ぎ去っていき、気づけば文化祭当日となっていた。


「なんだかあっという間だったな。」


「そうね、充実してたような物凄く早すぎるような。今日が文化祭当日ってあまり実感が湧かないのは、準備期間の時と同じね。夏輝のところはいい感じに仕上がったの?」


「まぁ、面白くはできてると思うけど……後はどれだけ思いっきりできるかで変わってくるって感じかな。狂花のクラスは?」


「お化け怪獣屋敷だもんね。私のところは特に心配はないと思う。全員やる気充分な感じだし。」


そう、文化祭当日のこの日、盛り上がっているというより、各クラスの熱気のようなものが凄く、ライブのような雰囲気が学校全体に漂っていた。

登下校は決められた時間内、時間後なら自由で、校長による開会宣言がされたら後は生徒達の自由の場となるのが、うちの文化祭らしいのだが、開会式が終わりまだお互いに時間が空いているということで、狂花と少しまわろうとした矢先


「ねぇねぇ、うちの太ったらゴメン!お店に全力詰め合わせパンケーキ店に来ない?!」


「君たち一年生?この後すぐ体育館で劇をやるんだ!ぜひみにきてくれ!」


「極上!そんなものまで用意してしまった箱の中身はなんだろな!をやってるんだけどどう?!中身を当てれたらプレゼントするよ!」


始まって狂花と合流し、少し体育館の外を歩いた瞬間に色々なところから声をかけられ、それと始まった途端ということもあって、人の流れが少し落ち着くまで体育館の外の隅で待機しているという現状なのだが


「にしても、ここまで初めっから盛り上がってるんだな。中学とは何もかもが違いすぎて、少し圧倒されたな。」


「うちは特に文化祭に力を入れてる高校だからね。あっ、少し道の流れが緩くなってきた?夏輝、何か興味がでてるところある?」


「うーーん、そうだなぁ。さっきの詰め合わせパンケーキ店とかは少し気になってるかも。狂花は?」


「私は今のこの時間が一番好きだから、それにしましょ。それにパンケーキは私も好きだし。」


「パンケーキ店は確か……二年六組の教室だったか。」


高校生になって初めての、狂花との文化祭が始まった。


               ―


文化祭が始まって、狂花と一番初めに向かうことになったのは、二年六組のクラスが開催している「太ったらゴメン!お店に全力!詰め合わせパンケーキ店!」という場所に決定した。

この学校は、一年生のクラスが三階にあり、二年生が二階、三年生が一階と決められており、そして体育館が一階の外に通じる長い通路を歩いた先にあるという構造をしているため、目的の場所は階段を一つ昇ったところにあった。


「いやまぁ、予想出来てたことだけど、流石に混んでるな。」


昇って左側のところにお目当てのパンケーキ店はあったのだが、かなり並んでいる状況だった。


「夏輝、出番は何時から?」


「俺は一時から二時の間だけど、狂花は?」


「私は二時半から三時半かな。今は九時ちょっと過ぎ……余裕あるし並んどく?昼辺りになるともっと混むだろうし。」


「そうだな……これだけ居ても恐らく空いてる方だろうから、今のうちに並んでおこうか。」


教室の外にまで伸びている行列の最後尾に並ぶことした。


「それにしても、ほんと手が込んでるなぁ。」


そう思ったのはクラスの外観についてだった。飾り付けなどが本当のお店のようにされていて、驚かされる。

この学校では、文化祭時の費用はある程度は学校側が用意してくれるが、それ以上も使用は許されてはいるものの全て自費となっているため、他を圧倒するものを作ろうと思えば作れるが、自費となればやはり皆少し躊躇うのだが


「ここはもう全力って感じだな。」


教室の外にまで並ぶ生徒達をまとめる、外にて声かけをしている恐らく二年六組の先輩達。男女共に白のワイシャツに上下の黒のスーツと綺麗なものを履いていて、店の外観に服装、そしてこのお店で出すパンケーキと、このクラスの先輩達の本気度というのがはっきりと伝わってきて、並んでいる時間もあっという間に過ぎていった。


「では、次の方どうぞ!二名様のご入店でーーす!」


時間にして三十分近く並び、ようやく教室の中へと入れるようになった。


「凄いわね……ここまでするなんて。」


狂花が目を輝かせてクラスの中を見渡す。自分も同じような思いだった。

クラス内には恐らく手作りであろう、折り紙や粘土のようなもので作った動物達が色鮮やかに飾られており、クラス内の明るさも外の光と照明でここを教室だと思わせない雰囲気が作られていた。


それに、机や椅子は教室のもので、メニュー表もプリントの裏側を利用しており、所々にある学校感を感じられるのもあって、最高に文化祭を表現している教室となっていた。


「こうなってくると、詰め合わせパンケーキもとんでもないクオリティのものになってそうだな……」


「本格的な料理が出てきたりしてね。」


「いや、流石にそこまでは……無いと言いきれないな……」


「考えてたらお腹すいてきちゃった……」


目を輝かせて、座って待つ狂花をみて本当にパンケーキが好きなんだなと改めて思う。中学生の時、どこかで聞いた覚えがあり、一発目に選んだのは正解だった。


そうして、色んな楽しみと期待が膨らんだ中、五分ほど店内で待つと


「お待たせしましたー、詰め合わせパンケーキになりまーす!」


一人の男性が両手に大きな皿を持ち、パンケーキを二つ持ってきてくれた。


「……えっ?」


「ん……?」


そうして机に運ばれてきたパンケーキをみて、色んな意味で圧倒された。

運ばれてきた大きなお皿には、八段のパンケーキが乗っかっており、辺りには果物やらクリームやらが物凄く荒く置かれていて


「いや、すご、凄いのだけど……」


「ここは雑……っていうか、お店全力ってそういう意味だったのか……」


中には今にも転げ落ちそうな果物などがあり、落ち着いた店の雰囲気とは全く逆の、凄く忙しく思えるパンケーキがやってきたのだった。


「でも、美味しい……美味しいね夏輝!並んだ甲斐があったよー!」


「確かに……味は凄く美味しい……」


パンケーキはとても美味しかった。美味しかっのだが、印象のギャップが激しい、そんな二年六組のパンケーキ店となった。

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