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32 今日の予定

色々と騒ぎがあった朝の布団事件の時間を終え、朝食を摂ることになったのだが


「悪いわね。作って貰っちゃって。」


「誰も作るとは言ってないんだが……」


「お父様が急遽お仕事になって、素材が余ってるんじゃなかったかしら?」


「なんで知ってんの?!……ったく。味の保証はしないからな。」


自分の家のようにリビングの椅子に座り、コーヒーを飲みながら知ってるのが当たり前のように平然と怖いことを話してくる幼馴染との朝はまだ続いていた。


「夏輝のことならなんでも知ってるわよ。」


「今のは俺の事ではなかった気がするんだが?」


「言ったでしょ。夏輝のプライベートは管理してるって。」


「真剣な話、マジでどうやって知ったの?」


「愛の直感。そうとしか言えないわね。自分でも自分の愛の深さには驚いているわ。」


真剣な話をした俺が馬鹿だった。ここまでくると、前回も言ってたように、本当に狂花には愛の直感による変な力があるんじゃないかと思えてきた。前回までは、厨二病的な発言をまたしてるぐらいにしか思っていなかったが


「狂花、占い師とか向いてるんじゃないか?」


「嫌よ。人の幸せなんて全く興味無いもの。あっ、夏輝は例外ね。」


「それは喜んでいいのか微妙なとこだな。」


「私は自分の幸せを掴むのに精一杯。他人の明るい未来を考えてあげられるほど、余裕があるわけじゃないもの。まぁ仮に幸せになったとしても、今度はそれをどう守っていくかで手一杯になるでしょうから、私が人に優しくなれる日はこないと思うな。酷いと思う?」


「いいや、別に普通だと思うぞ。基本的には皆、すぐにできる優しさしか持ち合わせていないだろうし。自分に精一杯ってのは、凄くいいことだし羨ましいぐらいだよ。」


自分で言ってしまうのは少し恥ずかしい気もするが、狂花の俺に対する全力行動は本当に凄いと思う。この行動力は中々身につくものではないし、これだけ一直線にできるのは嫉妬するぐらいには羨ましく思う。

仮に自分に何かやりたいことができた時に、狂花のように全力で取り込めるかと言われたら、恐らく俺は頑張りはするだろうが、全力とまではできないだろう。


「ほいっ、朝ご飯。って言ってもいつもと変わらないものだけど。」


パンにスクランブルエッグに味噌汁。我が家のほぼ定番と言っていい朝食だ。自分で言ってて異常に思うが、狂花もよく食べているものだ。


「わぁ、ありがとう。じゃあ食べましょ?いただきます。」


「ああ、いただきますなわけだが、で?この後何するんだ?」


「んーー、夏休みも終盤なわけだし、海に行きたい。今年は行けてないし、それだけが心残りなの。」


「今から用意して行ってたら、帰り遅くなるぞ?」


「じゃあまだセーフね。んじゃ、そういうことで!」


やはりこの行動力は見習わないといけないところがある。とはいえ、一つ気になる点がある。


「別に行くのは問題ないけど、水着はどうするんだ?」


海に行くにしても、突然決めて用意できるものだろうかというものだ。


「あぁ、それなら問題ないわ。ほらっ」


すると、そう言った狂花が何故か上の服を突然脱ぎ始め


「おい?!って……ん?」


突然の行動に目を逸らしそうになるも、その下に着てあった水着をみて行動に対する驚きよりも感心が勝った。


「いや、本当に隙がねえな。いつ着たんだよそんなもの。」


「言ったでしょ?一度起きたって。その時に用意してきたの。」


「もはや何でもありだな。」


「そんなことよりも、感想は?似合ってて可愛いは分かりきってるから、それ以外の褒め言葉でお願い。」


「……何も言えないぐらい完璧だよ。色んな意味で。もう凄さは分かったから、今は早く服を着てくれ。」


部屋に侵入し、布団に侵入し、いつの間にか水着になっている幼馴染。


(海……海……想像つかないな。)


そんな幼馴染と行く海というのが、一体どういうものになるのか、少し楽しみになったのだった。


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