24 幼馴染と夏祭り
八月十三日、夏祭り当日。地元にある神社の近くで開催される毎年の恒例行事。地元の人が沢山やってきて大盛り上がりするその祭りが今年もやってきた。
「……言い訳を聞きましょう。」
そしてその祭りを一緒に行くと幼馴染である狂花と約束した俺は、待ち合わせの十八時から、二十分遅れて待ち合わせ場所に着いてしまうという大遅刻をし、狂花から詰められていた。
「浴衣が似合ってて凄く可愛いと思います。」
「自覚してることを褒められても嬉しくない。そんなことよりなぜ、夏輝が遅刻したのか、その理由を教えてくれた方が嬉しいかしら。」
紫色の花柄の浴衣を着た狂花を素直に褒め、ワンチャン見逃してくれないかと思ったが、我が強すぎて無理だった。
「えーーと……ですね……」
「心配する必要はないわよ夏輝。何を言っても責めるから、堂々と言ってくれていいのよ?」
「なるほど、確かにそれはお得だ。言いやすいな。じゃあ言うとだな。おばあちゃんが荷物を重そうにしていたから代わりに運んであげて、宇宙人に攫われそうになってたおじいちゃんを助けてたら遅れたんだ。」
「堂々と嘘を言えってことじゃないんだけど?はぁ……たく。玉子せんべい、かき氷、フライドポテト、りんご飴。奢りね。それで許してあげる。」
「分かった反省してます。ごめんなさい。」
本当ならもっと怒られるのだろうが、奢りはあれどいつもの冗談のやり取りだけで勘弁してくれるのは、狂花の優しさだろう。反省と感謝だ。
「当然よ。でも、もういい。だから夏輝も気にしないで今日を一緒に楽しんで?私、楽しみにしてたんだから。とことん付き合ってもらうからね!」
「ああ、元々そういう約束だったからな。今日はとことん祭りを楽しもう。」
「よーーし、色々考えてきたんだあ。時間は結構余裕あるし、ゆっくりまわっていい?時間とか、あったりする?」
「いいや、遅くなるとは言ってあるし問題ない。ゆっくりまわろう。」
こうして狂花と二人きりで祭りに行くのは、何気に初めてだ。
緊張するかしないかだと、はっきり言ってする。普段みない浴衣姿なのもあって、緊張はかなりしている。
正直不安しかなく、決して幸先良く始まったわけでもないが、こうして俺と狂花の夏祭りは始まった。




