23 幼馴染と友人、夏祭り前日について
高校生になって初めての夏休み。想い人との夏祭りまで、あと一日に迫ったある日のこと。
「やぁやぁ狂花!奇遇だねぇ。何気にプライベートで会うのは初めて?」
「……そうね。」
買い物へ出かけた際に、千川晴に出会ってしまった。彼女のことは嫌いではないが大嫌いだ。都合が良いというか、彼女の友人との接し方が私は嫌いだ。
「ねぇねぇ、明日の夏祭り。当然冬川と行くんだよね?」
「だったら何?」
「いいねぇ、青春だね!告白とか考えてたり?!」
「しない。」
「夏祭りイベントで進展なしは悲しいよぉ。」
誰とでも仲がいいからか、距離の詰め方というか、友達前提で話してくる彼女が私は好きじゃない。まあ、嫌いな理由はそれだけじゃなく山ほどあるが。
「用はそれだけ?なら、私もう帰るから。」
「前から思ってたんだけど、狂花って私の事嫌いだよね?」
「勘違いしないで。それ以上よ。」
「そんなに嫌われることしたかなぁ?私が冬川と絡んでるから?」
「いいえ、絡んでるあなたが嫌いなわけじゃない。絡むようになったあなたが嫌いなの。」
千川晴は、決して冬川夏輝と仲が良かった関係じゃない。むしろ、私からすればその逆のように思えたほどだ。彼女が冬川夏輝に対しての態度を変えたのは、高校生になってからだ。それも、不気味に思うぐらいに変わった。
「……やだなぁ。私は冬川と仲良くしたいだけだよ。」
「そう。ならなぜ、あなたは中学生の時に、夏輝のことを笑ったの?」
「あの時はあの時だよ。今は違う。普通に仲良くなりたくて冬川とは絡んでる。」
「そうは思えない。あの時と同じで、夏輝をバカにしてるようにしかみえないけど。」
そこまで話してようやく、千川晴は少し怒ったような顔をして
「狂花って本当に変わらないよね。中学生の時は噂程度だったけど、なんか今絡んでみてるかんじ、噂通りというか。でもまぁ面白いからいいんだけど。」
「夏輝が優しいからって、私もあなたに優しくするとは思わないで。」
「私は二人のこと応援してるからね?でもなんだか怒らせちゃったみたいだから、今日は帰るね。そいじゃまた。」
一体何しに来たのか。私は彼女が苦手だ。どうして夏輝と絡んでいられるのか。
「あーー、もう。最悪。」
私には分からない。夏輝が晴と仲良くできる理由も、晴が夏輝と絡める理由も。ただ、私が思うことは一つ。
夏輝を、冬川夏輝を追い込んだ張本人、千川晴のことが大嫌いだということだけ。




