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20 自称幼馴染について3

突如、私の目の前に現れた自称幼馴染は、とても鬱陶しく、それでいてとても面白可笑しく私の日常に入り込んできた。

さらに厄介なことに、何やらこちらを気遣っているような優しさが時折感じられるので、あまり厳しく言ってやるのも気が引けるというのが鬱陶しさを倍増させてくる。

怪我をしてから段々と自分の態度のせいで孤立してきているのは自覚しているし、それを悲しく思っているのも事実。


「よっ、おはよ。」


「……おはよ。」


だが、毎日お見舞いに来るよかのように気にかけて欲しかった訳でもない。初めて声をかけられたあの日からというもの、冬川夏輝はほとんど毎日のように一緒に学校に行こうとしてくる。


「あなた、私じゃなかったら警察呼ばれてもおかしくないっていうのは分かってる?」


「じゃあ、何も問題は無いな。」


「……はぁ。冬川君、一体何がしたいの?別にここまでしてくれなくても、私は平気よ。」


「何かをしてあげているつもりは無いし、平気だとも思わない。」


彼はずっとこんな感じだ。確かに、最近私に対しての皆の反応は冷たすぎる気もするし、弄りにしてはほとんど悪口のようなものが増えてきたのも事実だし、話しかけても無視されることも多くなってきたけれど


「………………………平気よ。」


「いや、今の間で、じゃあねえって言えるやついねえだろ。」


「そうやって心配してくれてる割には、学校ではほとんど話しかけてきてくれないじゃない。」


「ぼっちの俺が、積極的に話しかけに行って大丈夫なのか?それこそ、新たな弄りのネタにされるぞ。」


「あなたも大概よね。」


冬川夏輝。彼の評判は、はっきり言ってかなり悪いものしか聞いた事がない。絡んでみたら、噂のような人物とは思えないというのが私の彼へと印象だったので、私は特に気にすることも無く絡んではいるが


「自分と同じような私を、見過ごすことができなかった?だから、私にしつこく絡んでくるの?」


「そんな聞かれ方したら、どう答えても俺が惨めな奴にしかならないじゃないか。」


「誤魔化さないで。はっきり言って、人の事構ってられるような人だと、私思ってないの。その……噂のこともあるし。」


「はっきり言ってくるなぁ。でも、まぁ……そんな感じだと思ってくれて構わない。」


冬川夏輝。やばい人なのか、ただ優しい人なのか、それとも、噂通りの人なのか。この時の私には、まだ何も分からなかった。ただ一つ言えることは


「って無駄話ばっかしてたら遅れるぞ。」


「遅れようとしてるのよ。早く行っても、面白いことなんてないから。」


私は、一人にはならなかったということ。そして、それを嬉しく思っていたという事だけだ。

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