14 友人から、ある二人について2
細心の注意をはらっていたはずだった。
「朝、夏輝と会ってたでしょ!」
朝の時間帯、祭りの準備を終え、冬川と解散した一時間程後のこと。
突然家のインターホンが鳴り、誰かと玄関を開けてみればこれだ。
「晴、あんたって奴は本当に油断も隙もあったもんじゃない!」
冬川の幼馴染である夏和狂花。冬川の事になると本当に人間か疑いたくなるような性能を発揮する少し変わった同級生。
冬川の事になると見境が無いため、本人には秘密になるよう徹底してたつもりだったのだが、どうやら密会していたことが知られてしまったようだった。
「安心してよ狂花。冬川にはただ祭りの準備を手伝ってもらってただけだから。」
「だったら私も誘ってくれたらよかったのに。」
「狂花に任せたら色々とめんどくさい事がおきそうだから、誘わなかったの。」
「なっ!失礼な!やる時はちゃんとやるわよ!」
本人はこう言っているが、狂花には色々な噂があり、それら全てが揉め事の噂だ。はっきり言って冬川がいる場合、彼女が居ると絶対と言っていいほど喧嘩がおきる。
「恋は盲目ってやつなのかな?」
「何が?」
本人は特に気にすることなくこんな感じだ。自分の冬川が関わっている時の言動の異常さに本人が気づいていない。冬川の周りが近寄らないのは、彼女の存在が大きい。本来なら、やられてる側の冬川も怒りそうなものだが、怒らず普通に接し、当たり前のように二人で一緒にいる。
「……本当に狂花達って面白い関係性だよね。」
「だから何がよ!」
どうして、ここまで異常のまま、それでいて普通のように接することができるのだろうか。
「ねぇ狂花、あなた、毎日のように冬川に無理矢理絡みに行ってるけど、ウザがられたり、嫌われたりしたらどうしようって考えたりしないの?」
「しないよ?夏輝には遠慮しないって決めてるもん。」
「どうしてそんなに積極的になれるの?」
「誰かの人になる前に、自分の人にしたいから。遠慮して、誰かの人に夏輝がなってしまうぐらいなら、嫌われた方がマシ。誰かの人になってしまったら、それで終わりだけど……嫌われるぐらいなら、また好きになってもらえるよう頑張ればまだ、可能性はある。だから、私は夏輝には遠慮しない。晴、夏輝にはあまりちょっかいかけないで。」
自分が何を言ってるのか、分かっているのだろうか。今までと同じで、全く共感できない。誰に対しても、誰に聞かれても、こんな感じで答えるから、彼女の周りには誰もいなくなる。
そして、当の本人もそれをわかっていながらやめない。巻き込まれている冬川も同じだ。彼女を、突き放そうとしない。
「ごめんね、今度からはちゃんと言うようにするね。」
なんて救いようのない二人なんだろう。
「……ふん。ありがとう。」
大切な友達が、破滅的で本当に困る。
そして、私の破滅的なこの二人を見守る青春は、まだまだ始まったばかりなのであった。




