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13 友人から、ある二人について

中学生の時、ある男の子とある女の子のことが気になったときがあった。ただ仲が良さそうな感じの二人、ただそれだけなのに、二人のことが物凄く気になった。


「ねえ、ちょっといい?」


私は、男の子の方に声をかけた。どうしてか分からないけれど、直感で女の子の方には話しかけない方がいいような気がしたからだ。


「……少しなら。」


男の子は暗い感じだった。ずっと俯いていて、こちらの方を全くみようとせず、ただ俯いている子。


(元気……なさそう。何かあったのかな?)


お世辞にも絡みやすいとは言えないようなこの暗い雰囲気の男の子と、どうして絡みたいと思ったのか、自分でも不思議に思う。


「私、千川晴。冬川夏輝君だったよね?」


「うん。よろしく。」


「……」


「……」


困ったことに、私と彼はとても相性が悪い感じだった。気になったはずなのに、いざ話してみると、何も話すことがないことに話してから気づく。


「ごめん、つまんないや。」


「……は?いや、そっちが話を……」


「また明日、また明日話題を持ってくるから、話はまた明日にするね。」


「えっ、ちょっと……」


嘘だ。とりあえず、この絶妙に面倒臭い雰囲気が漂う空間から逃げ出すための嘘をついて、私は彼から距離を置いた。


(うーーん。もう絡むことないだろうなあ)


自分でもよく分からない気持ちに動かされ、絡んだ男の子。

これが、千川晴と冬川夏輝の初めの出会いだった。


               ―


「やぁやぁ、よく来てくれたね。突然の呼び出しに答えてくれてどうもどうも!」


「……朝イチに抜け出してこいって、大変だったんだぞ。」


夏休み三日目の朝、私はある用事を手伝ってもらうため冬川を呼び出した。もちろん、恐ろしい幼馴染に内緒で隠密できてと念を押して言った。


「……バレてないよね?」


「流石にな。今、家で寝てるよ。」


「えっ?!お泊まりしてるの?!そこまで冬川と狂花が発展してるなんて……」


「やめてくれ千川。察しぐらいついてるだろ。最近じゃあ狂花のやつ、俺より自宅を満喫してやがる。」


と言いいつも、そんな状態を受け入れてあげてるところが、この二人の面白いところだ。一見異常に思えても、一方通行ではないそのやり取りがとても面白い。


「高校生カップルっていうより、高校生夫婦って感じだね。」


「狂花が勝手にそう振舞ってるだけで、俺にそんな気は一切ない。」


「答えてあげなよお。悪いとは思ってないんでしょ?」


「それはありえない。というか、これ以上はお互い望んでないよ。」


面白いことはまだある。それがこれだ。どこからどう見ても両想いのように思える二人なのに、この二人は付き合っていないのだ。


(未だに信じられないなあ。あのイケイケ押せ押せの狂花ちゃんが、一度も告白したことが無いなんて……)


冬川からその事実を聞いた時は本当に耳を疑った。明らかに恋人並み、恋人以上のやり取りをしてそうなのに、未だに関係は友達のまま。


「で?こんな朝早く呼び出して手伝ってほしいことってなんだよ。」


「あっ……ごめんごめん。これ、今度お祭りがあるでしょ?その用意の準備を手伝ってほしいの。もちろん、バイト代ありで!」


「あぁ……そういうことかよ。まぁいいけどさ。」


「やったね!ありがと!じゃあ狂花ちゃんが怒り狂う前にぱっぱと終わらせちゃおー!」


邪魔をするつもりは無い。ただ、楽しくて面白くて気になるから、私はこの二人と一緒に居たい。そして、破滅的な日常のそばで、二人を見守りたい。


私の青春は、破滅的な幼馴染達と共にある。

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