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12 私と幼馴染5

自分でも不思議に思う時がある。


「やっぱり、海外のアクション系の映画は迫力とかが桁違いだなあ。」


「確かにそうね。非現実感みたいなのを日本のより感じやすい気がするわね。緊張感、みたいなのが伝わってきて、一瞬に感じる時があるかも。」


「気づいたらあっという間に良いシーンが終わってたりするのに、凄く記憶に残ってんだよなあ。」


「やっぱり、男の子ってこういう派手なのが盛り上がるものなの?」


「どうだかな。皆が皆ってわけじゃないだろうけど、でも、なんだかんだアクション系が正義みたいなとこはあるんじゃないか?分からねえけど。」


どうしてこんなに会話が続くんだろう。はっきり言って、映画に詳しい訳じゃないのに、不思議と映画を観ると話が続く。

他の人だったらまず間違いなく無言のまま、特に話すことなく終わるであろう映画時間も、こうやって二人でいる時間も、話が得意じゃない私からしたら居心地が悪いはずなのに。


「……私も、最近わかってきた気がする。」


他の人よりも仲がいいからなのか、特別に想っているからなのか、よく分からないけれど、たまに、夏輝の前にいる私は、私でないような、そんな気持ちになるぐらい別人になっている自分がいる。

高校生になって、遠慮しないで自分の全力をぶつけ続けようと吹っ切れたのは確かだが、自分でも驚くくらい歯止めが利かなくなってきた。


「あーー、終わったな。二本……流石に疲れたな。狂花は大丈夫か?」


「うん問題ない。体調もおかしいところはないし、楽しかった。」


「それは良かった。っと、流石に暗くなってきたなあ。ご飯の支度でもしてくるかね。」


「いや、いいよ。泊めてもらうんだし、私が作る。というか、ここで夏輝が作っちゃったら私の連続ご飯記録が消えちゃう。」


「人の家でやばい記録作ってんじゃねえ。それに、流石に熱中症だった奴に作らせるわけにはいかないからな。大人しくしとくか、風呂にでも先に入ってろ。」


そう言われると言い返せない。熱中症、良くも悪くも熱中症だ。


「じゃあ先にお風呂……あ、そういうこと?映画の後のデザート的な?私の裸で、疲れた目を癒したいって意味だったりする?」


「……はぁ、相変わらず、お前の発想の飛躍は化け物だな。いや、化け物以上だな。普通に目薬使うわ。」


「馬鹿げてる。普通じゃないわ。」


「どこをどう考えも、目が疲れる度に女性の裸が必要な奴のが馬鹿げてるだろ。」


夏輝は本当に欲が無い。少し苛立つぐらい、欲がない。


「男子なら大量出血間違い無しのこんな特大サービス、世界を探しても、この瞬間、この場所だけよ?」


「そんな恐ろしいサービスは頼んじゃいないし、風呂入って大人しくしてるサービスに変更してくれ。」


「……もう、分かったわよ。後になってお願いしてきても、絶対に追加とか受け付けてあげないんだから。」


「追加があったのかよ……ほら、バカ言ってないで行っ行った。遅くなるだろ。」


その後、私がお風呂に入ってる間にご飯ができており、二人でそれを食べ、少し話した後、彼がお風呂に入るのを見届け


「布団を引いて先に寝ておく作戦……これなら流石の夏輝も……」


そう思っていたのだが、戻ってきた夏輝は


「そうくると思って、用意しといてよかった。」


別の戸から新たな布団を取り出し


「んじゃ、お休み。」


彼は、一人で寝始めた。違う。思ってたのと、違う。


「待って?!ありえなくない?これは一緒に寝る流れじゃん!お泊まりといえば、そういう展開じゃん!ここから好きな子の話とか、そっち系とかあっち系の話をするのが普通じゃないの?!」


「いや、修学旅行の男子かよ。何もしない、以上。」


「あ、ありえない……ねぇ、襲うね。」


「疑問形じゃないのは聞き違いか?」


「間違えた。今から襲うね。」


「間違えてるのは言葉じゃなくて行動だ。襲うな、寝ろ。」


結局、襲った。けど、上手く回避されてしまい、一緒の布団で寝るという結果に落ち着いた。


こうして私の、夏が始まった。

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