誰が完璧美少女になりたいって言った!
____朝起きたら美少女になっていた。
俺こと…フラジール・ドール・フロストは…この世界で一番のスパイだ。自称ではない。実際に俺以上のスパイを見たことがないのだ。
だから俺は自信を持って世界一のスパイ、最強のスパイと言える。頭脳、格闘、技術…魔法。あらゆる分野で優れているのだ。苦手なものはないと言ってもいいだろう。だからこそ俺は最強のスパイなのだ。当たり前だが、任務の中には殺人も含まれる。どんな殺し屋だろうが、大抵の相手は屠れる。負けたことがない位だ。
ただそんな、俺にも不完全な部分もある。俺は身長が低い!しかも声も見た目も女っぽい!、普通にエージェントにかわいいって言われる……!。だが暗殺などには影響はなかった…。…だが気にしている…。男として女っぽいとか!かわいいとか!断じて!言われたくないんだ!………。事実だけどなぁっ!?…。事実でも言われたくないんだよ!。わかるか男性諸君!?。
まあ…そんな感じで…可愛いだとか、女っぽいだとか、そんな事を言われ、組織の奴等…中央国…美の国直属WBIのメンバーにからかわれるが…。まあぶっちゃけ最強だし、失敗もしたことがないので、俺に逆らう奴は基本居ない。一回言えば黙るからな。ただ同じ…エージェントには…あまりそういうことは言えない。実力は俺のほうが上でも…立場は同じだからな…。
そんなことを考えながら、俺は任務を遂行し、別荘に帰っていた。着けられていないか確認しながら別荘に帰り、飯を食い、風呂に入った。
もちろん。いつ如何なる時も油断はしていない。スパイとして当然だ。
だが、明日は休み…その為、俺はゆっくり寝て疲れを取ろうと考えて寝た…そして…翌朝起きると…。
「んぁ〜…ん?。」
早速異変に気付いた。それもそのはずだ。完全に声が高くなっており、女声になっていたからだ。しかも聞いたことない声だ。気付かない訳がない。
「声が…高い。チョーカーか?。音声変換機の類でも…?。しかし誰がつけ……」
俺は喋りながら自分の手を見た。今までと完全に大きさが違い、柔らかい手だ。
「滅茶苦茶柔らかい…」
俺はおかしいと思った。明らかに俺と違う。他人の身体なのか?とまで考えだした。当然のように俺の口は止まった。逆に止まらないほうがおかしい。
自分の身体の異変を調べようと俺はしっかりと自分の身体を見た。するとあら不思議〜。見たこともないような美少女になってるではありませんか〜。そんなんいくらなんでも世界一のスパイの俺でも慌てるね。
「は?。え?。女に…なってる?。え?でも!?俺男だっ…たし!?」
俺はしっかりと…特に胸や下の方を…えーと…いや自分の身体を触り、白髪で青目…そして色白の美少女になっていることを実感した。
「きっと…幻覚だ…。それか敵の罠だ…。うん…そうだろう…。もしくは…夢かもしれない…」
美少女になっている現実から逃げようとした。だが現実は甘くなかった。感覚はあるし、周りを見ても誰もいなかった。なんなら幻覚ですらなかった。
俺は____絶句した。
「ウソ…だろ…?」
希望は全て打ち砕かれた。跡形もなく。
「これから…どうしたら…。こんなんで…任務しに行けない…絶対無理だろ…。恥ずか死するって…。終わった…」