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#7
お題1「コスプレ」
お題2「桜の木の下には何とかが埋まってる話」
もう決めたんだ。
箱に詰めた衣装の数々。
ひとつひとつに思い出はある。
だが、もういいんだ…
庭にある桜の木。
爺さんが植えた桜の木。
その根元を掘り起こす。
この箱はこの木の下に埋めてしまおう。
そう思って掘り進める。
途中、金属にぶつかる音がした。
なにかが埋まっているようだ。
掘り出してみると小さな蓋付きの缶。
ボロボロではあるが、蓋は外れそうだった。
缶の中を覗くと
古い写真と手紙が入っていた。
軍服を着た爺さん、と思われる男性と
婆さん、であろう女性の写真。
そして爺さんに宛てた婆さんからの手紙。
婆さんはとうの昔に鬼籍に入っていて
爺さんの話でしか知らなかった。
爺さん、桜を植えた時に一緒に埋めたんだな。
それはそれとして
爺さんの軍服姿、カッコいいな。
こういう所で婆さんも惚れたんだろうか。
やっぱり埋めるのやめて
まだ続けようかな、コスプレ。
この爺さんみたいにカッコよく
着こなせるようになるまでは。
あ、「何か」じゃなくて「何とか」だった。まーいいや。
駄文にしても、もう少しいい物を書こうよ、ねぇ。