吐き気
何かを思っても、それは私にはならない
時間を掛けて、ゆっくりと、消化しなくては
それは私にはならない
私じゃないものが、私を構成している
溶けきらない何かが、私として、
ねっとりと、粘り着いている
コンビニのレジ横の、募金ボックスには
千円札が何枚も入っていた
私もそこに入れたら、善人だって、名乗れる、かもな
戦争を知らないくせに、なけなしの同情心を
消化しきれずにいるだけだから、
その感情を金に替えて、吐き出したいだけ
ねっとりとした感情を、手のひらに乗せて
それを拭うように、手放してみせた
私は私でしかなくなった