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エデンの子供達  作者: 恋☆々
始まりの章
4/9

4.失楽園

まぁ・・タイトルはちょっと色々な意味を込めてみました

ではどうぞ

俺は昨日の事があまるで夢じゃないよな・・・とそう思いながら目を覚ます

すると俺の胸には彼から貰ったネックレスが光っている

俺はその石を手に取ってキスをするといつもの様に着替えて準備を始める


そして朝食を済ませて学校に向かった

俺は昨日の事が夢じゃないということだけで嬉しかった

でも喜んでばかりじゃいられない

俺は学校の図書室にある資料で魔獣について調べて見ることにする

どうせ試験にも出るし、それと平行して違和感なくSSについても調べられそうだ

その他にも色々調べることは山積みだ

だけど1つずつでいいい、調べていかないとな

「おはよ!」

「ああ、おはよう」

俺は、クラスメイトと挨拶を交わして登校した

今日は授業がない日で自由登校日なので俺はそのまま学校の図書室に入りお目当ての棚を見つけた

そこでパラパラと何冊かめくり読む本を決めると棚から抜いて奥の席に座った

俺はもくもくと本を読んでいるが・・・・何かがおかしいのだ

どの本も獣が現れ始めたのはここ数百年の間だと言う

しかしそれはおかしいのだ

ヴァイスは言っていた、全ての始まりは1000年前だと

なのにどの本もそんな事は書いていない

そしてG区にいる人間は獣の血に汚染された汚れた民だとそう書かれている

それからこのエデンに住んでいる人間は神に認められて力を貰った選ばれし民と大袈裟に書かれている


そしてーーー俺は虫酸が走る文章を見つけた

”我ら選ばれしエデンの民は聖なる母マリアと聖なる父アダムによってもたらされた

 そして全ての魔物のの母たる汚れた聖母イヴ

我らの目的はその汚れた聖母の抹殺と全ての魔獣を駆逐することだ”


その文章を見つけた途端・・俺の中のエデンは無くなった

俺の前に現れたイヴはか弱く、そしてただ一人の男を愛する女だった

彼女が悪?それは違う・・・・・・・・・

彼らはただ愛する人と同じ時を過ごしたいだけ

たったの一文だ

この文章で俺の世界は変わってしまったのだ


それから俺の中に蓄積されていく負の感情を圧し殺しながら俺は知識を詰め込んでいく

時には同じ本を秘密裏に購入し、そしてこの学園の禁書に俺は手をつけた

家に帰ると俺は得た知識を文章としてノートにまとめた

俺は時間の許す限りその作業を繰り返していく

そして一ヶ月後に俺は様々な準備を終えると俺は屋敷から姿を消した


俺はこの堕落しきった楽園

いや失楽園から本当の楽園を実現するために足を進めたのだった

そして俺は再びこの境界線にやって来た

すると・・・・そこには彼の姿が

「ただいま」

「お帰り」

彼は人の姿で俺が持ってきた荷物をひょぃっと持ち上げると俺の手を引いて門の方へと歩き出した

そして門のから中に入るとフードを外した

「会いたかった・・・・」

「俺も会いたかった・・・ヴァイス」

「シュバルツ・・・」

彼は熱を帯びた瞳で俺を見つめて

「キス・・・してくれないか?」と言った

俺は体格も良く男らしいこの男がそんな風に俺に甘えて来る

可愛い・・・・

「ん・・・ふ・・・・」

「っ・・・ン・・・・」

お互いに引き寄せられる様にキスをした

「おやおや・・・まぁたこんな所でキスしちゃって・・・」

「お~・・・これが噂のアダムくん」

「いいなぁ・・・俺も早くお迎えに行かなくちゃな」

二人の見知らぬ男性が増えている・・・

「はじめまして、俺はサタン。君が我が愛しの弟のアダムだね。よろしく」

「俺はアモンだ。よろしくな」

「はぁ・・・よろしくお願いします」

「兄さんもアモンもこんな所じゃゆっくり話せないだろ

 奥の部屋にいくぞ」

「そうだね」

「そうだな」

俺はヴァイスと一緒に奥の部屋に進んでいく

奥の部屋はと言うと・・

大きな暖炉にアンティークの家具が並んだヨーロッパ風の部屋だった

俺はヴァイスの隣に座ると暖かい紅茶が出てきた

「ありがとうございます」

「いいえ」

「それでどうだ?俺の言っている事は正しかったか?」

俺は入れて貰った紅茶を一口飲んだ後

「ああ・・正しかった

 俺は改めてあの地区の異常さに気がつかされた

 あそこは・・・・あの女が作り出した紛い物の平和だ」

「そうだろう?

 あそこは楽園エデンと名前はついているが実際は違う

 むしろ堕落した楽園・・失楽園だろうな」

「そうですね・・・

 俺はこの一ヶ月間の間に沢山の資料や本を見てきました

 そして内容の信憑性の低さに驚きましたよ

 全てが管理されて情報規制がされているし、都合の悪い事は揉み消されている

 洗脳とはこう言う事を言うのだと・・そう思いました」

俺は鞄の中から沢山の資料と本をテーブルの上に乗せた

彼らは

それを手に取ると読み始めた

いくつか読んだ後にため息をついた・・・・

「これは酷い。俺達がまるで悪魔のようだ・・・・」

「まぁ、確かに人あらざる物の血は色濃くついではいるものの・・同じ人だ」

「そうだな。意思無く人を襲う魔物ではない」

「だけど・・・・エデンに住む人々は皆魔獣は人間を殺す悪だと思っている

 だけど俺は貴方達を知っている今となってはそんな風には思えないし

 それに・・・・貴方達が人のいる所に来るのはきっと・・自分の相手を探しているんだってわかるから」

そうなのだ彼らが獣の姿で現れるのはきっと自我が無くなる事への恐怖と何より愛しい相手に会いたいからだろう

俺は彼に出会ったからこそわかる

「俺はその・・お兄さん達にも相手に出会って欲しいと思う

 それに、アダムとイヴはやっぱり一緒にいるべきだと俺は思うよ」

「そうだね・・俺もそう思う」

「俺は今シュバルツがいてくれる・・・そして改めてイヴを得る事がどういう事かわかった

 俺達はお互いに無いものを持ち、そして補い合う存在だ

 それは何が合っても変わることはない」

「そうだね。俺はもうヴァイスを失うことなんて考えられないし、考えたくもない

 本当はお互いに求めあっているのに殺しあっているなんて悲しいよ

 俺はこの状況がいいなんて思えない

 だから・・・俺はここに来た

 そして・・・・・君達がやろうとしている事を知りたい」

彼は真剣な表情で俺達を見ている

「そうだね!君はアダムだ。知る権利がある

 俺が話してあげよう

 俺達がやろうとしていることは全てのアダムの奪還だ」

「そうだね。アモンの言う通りだ

 でもね、事はそう簡単じゃないんだよ

 あの女の手によって今のアダム達は記憶を操作されているのさ」

「記憶を?」

「そう。俺達イヴは今まで何度も何度も繰り返し生まれ変わっているんだ

 勿論俺達イヴは記憶を受け継いだまま生きている

 何度も何度もアダムを求めて、手に入れられず死んだ無数の記憶を持っている

 君たちアダムは違う・・・生まれ変わっても記憶は引き継いでいない

 俺達は前世の記憶があるから自分達のアダムがあるんだよ」

「じゃあ・・・・俺も何度も生まれ変わっている?」

「そうだ

 俺達アダムとイヴはお互いが番うまで、何度も何度も生まれ変わる

 これは俺達が神に与えられた祝福という名前の呪いだ

 そして俺達はその呪いから逃れる事は出来ない

 俺達イヴはアダムを心の底から求め、そしてエデンに向かうのみ

 それに俺達は生まれたときから全ての母たるイヴより話を聞かされて育つ」

「それだけじゃない

 信託には続きがあったんだよ

”今の時代よりも遥か未来の時代、人類に危機が訪れる 

 今の我らの人知を越えた力を危惧した神々は近い内に我ら力有るものを滅ぼすだろう

 だが未来の人類を救うには我らの力が必要なのだ

 だから、隠せ!この力を人の体に隠すのだ!そして受け継ぐのだ!”という文章にはね

 この続きはこうだ

”そして新しい人類の祖たる父アダムと母イヴが愛を育み希望が生まれる

 古より伝わりし禁断の果実はこの二人を導き平和をもたらすだろう”とね

「母さんから俺もサタン兄さんもアモンも皆小さいころからおとぎ話として教えられる

 つまりはアダムとイヴは引き離してはいけないということだ」

「禁断の果実って?」

「実はこの果実は三つある

 一つは生命の実、これは俺達の死を送らせるための果実

 二つ目は知恵の実、俺達が受け継いだ遺伝子の情報を得るための実

 最後こそが禁断の果実だ

 この果実はアダムとイヴが揃った時に意味をなす

 その力については時が来ればわかると言われているし、二人が揃わねばならない果実だ」

「不思議な果実だね・・」

「ああ、でも・・・今は俺とお前がいる

 だから・・・・来るべき戦いの為に禁断の果実を俺達が作るんだ

 作り方は母さんが知っている」

「そっか・・で?これからどうするの?」

「「「きまっている!アダムを取り返す」」」

全くこの人たちは・・・どれだけアダムを愛しているんだか

とうのアダム本人達は一人の欲にまみれた一人の女に振り回されてふがいない

夫のくせして妻よりもあの女にうつつをぬかすなんて・・・情けない

「いつだってバカをしでかす夫の尻を叩くのは妻の役目なのよね~

 だからお馬鹿な夫を取り返しましょう

 そしてあの女にもさっさとあたし達の楽園から出て貰わなくちゃね!

 さぁ・・反撃の鈍しをあげるわよ

 ヴァイスとシュバルツちゃんには禁断の果実の事も力の使い方もみっちり教えてあげるわ!

 覚悟してね♪」

「「母さん!?」」

「ほらほら・・行くわよ!

 これからやること一杯なんだから!」

こうして俺はイヴの伴侶として認められてこの砦に住み着いた

それからはヴァイスと二人で母さんや兄さん達から力の使い方を教わったり、例の果実の作り方を教わった

今は二人でその果実を栽培中だ

それから他にも俺はヴァイスとお揃いの指輪をお互いの左手薬指に嵌めた

ヴァイスは受け取ったときに涙を流して喜んでいた

もう・・・・・可愛いなぁ・・・・

それから俺達は来るべき時の為に全てを終わらせるべく密かに行動を開始した


俺は黒い軍服を身に纏いフードを被り夜を駆け行動を開始した

愛する妻と共に


次回に続くッ!

今後彼らの進む道とは?

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