1.追放
今回は前置きというかプロローグです
その昔アダムとイヴという二人がいた
この二人は楽園と名付けられたその庭で愛を育み暮らしていた
彼らはその小さな箱庭で二つの木になる実を食べ楽しく暮らしていた
アダムとイヴにはそれぞれ秘密がありそれは他人知られてはいけない二人だけの秘密
そんな二人の楽しげな様子を恨みがましく見ている者がいたのだ
そしてある日二人の秘密を知っているその女はイヴに囁いた
”貴女達二人がその呪いから自由になりたければこの先にある実を食べるといいわ”
”え?本当にこの呪いから解き放たれて自由になれるのですか?
でも父や母はあの実は毒だから食べてはいけないと言っていたよ?”
”ふふふふ・・それはね、嘘よ。美しい貴女達をここに閉じ込めておくための嘘よ”
”・・・・・・・信じられないわ”
”じゃあその目で確かめてごらんなさい”と女に手を引かれてイヴは禁断の地へと踏み出した
そこで聞いたのは女があいっていた通りだった
”イヴ!貴女・・どうしてここに・・・!”
”イヴだって!じゃあ・・今の話を・・・”
”お父様も・・お母様も・・・騙してたの?”
”違うんだ!イヴ!”
”貴女ね・・・何て事を!”
”ふふふふ・・・・。皆様ご覧になって!イヴはこの楽園の約束を破ったわ!
追放しましょう!こんな危ない存在は追放しましょう!”
”まて!イヴが危ない存在なわけない!”
すると・・・・彼女の様子がおかしい・・・
見る見ると姿が変わっていく
”きゃあ!やはり・・・・お前は危険な存在ね!”
”っ!これは!”
周りがざわめきだして皆が口々に
”なんて醜いのっ!”
”彼女はアダムにはふさわしくないっ!”
”あ・・・・・いや・・・・嫌よッ!アダムと離れるなんてッ!嫌ッ!”
”お前達見たでしょ?この女の醜い姿を・・そして私達の目を盗んでこの希望を奪おうとした罪人よ
このエデンを追放しましょう!”
”そうだ!そうだ!”
”そうよ!こんな女必要ないわ!”
そう言うと彼女は羽交い締めにされて拘束された
”やめてッ!イヴは・・イヴは彼に必要よ!”
”いえ・・必要ないわ・・彼には私がいるもの”
”ッ!お前!私からアダムを奪うためだけにッ!おのれ・・・許さない!お前を私は決して許さないッ!”
”ふふふふふ!いくらでも吠えるといいわ!貴女の居場所はもうここにはないわ!外に放り出せ!”
”アダムーーーーーーーー!!”と彼女はありもしない罪をきせられて楽園を追放された
この時からアダムはイヴを失った悲しみにくれて・・・深い眠りについた
女は手にいれたと思い込んでいるアダムから新しい人類を作り出した
アダムの因子を持つーACE
見目が天使の様に美しくそして異能を持ち魔物を狩るもの
ではイヴは?
彼女はどうなったかって?
クククク・・・それはこれから話してやるよ
次回は主人公がようやく登場します