懐かしさ、勘違い?
今回から夕日は人間のサイズになります。(前回は小さかった設定です)
上記の事を理解した上で読んで頂けると幸いです。m(__)m
「朝...だ...起き...」
「...?」
「朝だよ!起きて!!」
「ふぇ!?」
朝に起こされるという事が久しぶりだった朝日はびっくりして飛び起きました。すると、
ーゴン!!
「痛っ...」
「うぅ...あれ?夕日?」
朝日の横には自分と同じくらいのサイズの夕日がおでこをおさえて半泣き状態になりながら座りこんでいました。
「あれ!?夕日こんなに大きかった!!?」
朝日が言うと
「朝は、まず、おはようでしょ!」
夕日は何もしていないのに頭突きを食らって少し不機嫌に言いました。
朝日は「はい...」と言い
「夕日!おはよっ!」
と言います。するとさっきまで不機嫌だった夕日は微笑みながら
「うん!おはよう!」
と言いました。そして会話を続けます。
「それで?質問はなんだい?」
「あ、あのねっ、夕日さ、夜こんなに大きくなかったよね?というか人形のサイズだったよね?」
「ああ、人間の心を手に入れたところで朝日を寂しくさせなくするには共に外出する事も必要だと思ってね。でも人間の大きさになるには多少の時間が必要なんだ。」
「な、なるほど。...ありがとうね!」
「ふふっ、どういたしまして。」
夕日が満面の笑みで言いました。すると
...キュンッ
(あ、あれ?なんだろ?顔が熱い??)
朝日はうつむきました。
夕日はそれを覗きこみます。
「どうしたんだい、朝日?...わぁ、顔真っ赤じゃないか!?風邪かな?今日は休むといい。急に色んな事が起きて疲れたんだろう。」
朝日は
「うん、そうする...」
と言いましたがこの正体はお婆ちゃんに聞いた事がありました。
【人はね。恋をすると胸が苦しくなったり、キュンとしたりするんだよ。】
当時の朝日には理解出来ませんでしたが今それがとても理解出来ます。
「...自分が作った人形が家族になったんだから嬉しいんだ。寂しく無いのが嬉しいんだ。それが原因だ。」
朝日は自分に言い聞かせました。
...まさか一目惚れしちゃったのかな!?どうしよう!!?
でも脳内はとてもパニックでした。
布団に潜ってもとても寝付けません。
すると夕日が入って来てお粥をくれました。
朝日はうつむきながら
「ありがとう...」
と言いました。
しかし朝日は一回落ち着いた後、驚いて夕日に質問しました。
「夕日!どこでこんな料理覚えたの!?ってかなんで言葉分かるし喋れるの!?」
突然の質問に少し戸惑いながら夕日は答えます。
「人間の側で人間として生きるために覚えていなきゃいけない事があると思ったから月にお願いするときに常識の範囲内の事は出来るようにとお願いしたんだ。」
(月ってこんなに便利屋なんだ...)
朝日は苦笑いしました。しかしそれが本当なら納得出来ます。おまけにお粥がすごく美味しくて本当に具合が悪くてもパクパクいけてしまうだろうというくらいでした。
(月の力は絶大だ...)
そう思いながら食べたお粥はすぐに無くなりました。
「喜んでくれて何よりだ。」
また笑顔を見せられて顔が赤くなるのが分かりましたが、やはりこの話したりする時間が楽しくてニコニコしながら夕方まで話を続け、夜になり明日に備えて眠る事にしました。夕日も同じ布団なので緊張しています。それに夕日は心と大きさは人間でも身体は人形なのですぐに壊れてしまいます。しかし朝日は寝相はいいので心配はいりませんでした。
そして、明日は夕日が初めて朝日以外の人に対面する日です。作り過ぎた野菜や手作りの人形を売りに行こうと夕日が話て来たので、もう家の事を考えていると感心しながらも「いいよ。」と言い、町へ出かける事になったのです。朝日は弾む気持ちを抑え眠ろうと思い、後ろを見ると、夕日はすでに寝ていました。朝日は小さく「おやすみ」と言い、眠りました。
文章力皆無w
不定期更新です。