怒り
おもんねぇー。
楽しいー。
まだまだだなぁー。
内容は面白くなる。
上手く書けないよー。
「妹が嫌いだ。理不尽な事に怒るし、部屋に入れてくれないし、そのくせ俺のベッドで寝るし、何より可愛いから許してしまう。だから、可愛い妹が…嫌いだ」
単身赴任中の父とそれについていった母。子ども達を残して行くような両親から生まれた長男はやはりしっかりとしている。名は初瀬海。一つ下の妹の凪はこの四月で中学三年になった。と言っても本人は受験生の自覚は全く無く家で何かと遊んでいて、それを見た海が注意しようとするも、学年で一、二位しか取った事が無いため、凪には何も言えないのだった。
「お兄ちゃん、勉強頑張ってね」
「お、おう」
皮肉で言ったのか本心なのか魂胆の読めない不思議な笑みで言う凪に自然な感じに、それでいて何か裏があるような感じに返事を返した。どうしようもなくぎこちない笑みに凪は戸惑っていることが海に伝わるような顔を作っている。しばらくの沈黙の後、家のチャイムが鳴った。
「やべっ、約束忘れてた」
「約束って何?」
「友達と一緒に学校行く約束だよ」
「もう友達出来たのー?どんな人?」
「可愛くて優しい人、じゃあ行って来まーす」
凪が窓から見た海の友達は会話から分かるようにやはり女子だった。箸を落としてしばらく絶句してあと喉の奥から唸るような声が漏れて来た。
「あの女いつか……私が…。お兄ちゃんは…私の…」
どす黒いその声はもはやさっきまで楽しく話していた少女のものと明らかに別物だった。
凪は人間ではない。それは海と凪だけが知っている秘密。ただ、凪が強度のブラコンなのはまだ自分だけの秘密なのだ。その日、凪は海の枕で自慰をした後何も無かったように学校へ行くのだった。
「行って来ます」