転生、そして仕事
この作品は自己満足のために書いたものです。大目にみてください。
人間が暮らしていく上で大切なものは何か。
そんな事をひたすらに繰り返し考えている自分は気がつくと藍色に黒を混ぜた深藍色とでも名付けるのにぴったりな色合いの空間にいた。
「知らない天井だ...」
なんということか、俺は慌てることなく体を持ち上げた。
ただその空間には彼以外何もなく、警戒しながら立ち上がると空間が歪みはじめ、目の前には二人の男女が立っていた。
「これはもしや!?」
小さな声で俺はそう言った。なぜなら言うまでもなく、よくある転生の間というような空間に煌びやかな服を纏った女性と、若く見えるのに何故か信用出来そうな男性が立っていたからだ。
「ごめんなさいね。」
女性の方が何故か謝ってきた…
「いや、謝って済むようなことではないがすまなかった。申し訳ない。」
男性の方も謝ってきた。
「はぁ…それであなたたちは…」
「これは失敬、自己紹介してなかったね。僕は君の世界で言う【神様】?みたいな存在だよ〜」
ついに気が狂ったのかと言わんばかりにジト目で反応してしまい、微妙な空気が流れ出す。
「いや、本当だからね?嘘じゃないから!!!」
「...では、本当だと"仮定"して何故目の前にいるんですかね?」
嫌味な程に"仮定"を強調されて、神様の方も信用されないなぁ、と内心落ち込んでいた。
それでも状況説明しなければいけないと言葉を紡いでいく。
「あぁ、それは僕が勝手に魂をとってきたからだよ。」
てへっ、っと言わんばかりに軽く声高らかに言った。
《ふざけてるのか?》
「はぁ、で、自分はほかの世界にでもいけと?」
「その通り!君には他の世界でどうか活躍してほしい。」
「別に未練はないんでいいですけど…」
こんな時、ふつうの人なら元の世界に返せだとか騒ぐんだろうが、俺は違った。あの世界を心底嫌っていたのだ。それは彼が生活していて小さい頃から人に騙され、心を弄ばれた結果である。所謂人間不信。
「ほかの世界で何をすれば…?」
心の中では新しい関係が築けると期待していたりもする。
「少し雑用をね。いいかな?」
「わかりました...」
《わかったって言ってもよくわかってないな。》そう思った。
「...」
はっ、女性の方、多分男が神なら、女は女神だろう…《空気にさせて申し訳ない!!!》…心の中で謝罪した。
「いいえ、大丈夫ですよ。」
彼はハッとなって女性の方を見た。心を読まれて驚いたのだ。
「貴方の推測通り私は【女神】に当たります。そういうことですので心の中も読めますよ?」
《やっば、今までの聞かれてたのか、すみませんすみません…ごめんなさいぃぃぃ》
今までの人生で一番誠意を込めて謝った。