第6話 2学期
「せんぱーい、もう秋ですねー」
「そーだなー、もう涼しい季節だなー」
「、、、、本当にそう思ってます?」
「お前もな」
2学期が始まってから数日経った放課後、俺とさつきはコンビニ近くの公園に置かれたベンチに座っていた。「涼しい季節」と言ったくせに2人はアイスを口に咥えていた。
「だって今日は暑かったじゃないですかー」
さつきはベンチの背もたれに寄りかかって空を見ていた。食べ終わったアイスの棒を空にかざしてつまらなさそうにブラブラと振っている。
「夏よりはマシだな」
「夏よりは確かに涼しくなってますけどー、、、、というかもう10月ですよ!夏休み終わってからもう1ヶ月経ってるんですけど!!」
さつきがガバッと上体を起こして唐突に叫んだ。
「早いものだなー。時雨と出会ってからもう半年経つんだな」
俺とさつきが出会ったのは今年の春。さつきがこの高校に入学してからだ。
「そう!それですよ!半年!!カップルで言えばアニバーサリーですよ!?たまには過去を振り返ってみませんか?」
「いや、カップルじゃないし、アニバーサリーは普通1年だろ?それに俺は、、、、」
ひと呼吸おいて言葉を続ける。
「、、、、過去は振り返らない主義とかそういう面倒なのはいらないですよ?」
キリッと言い放って最後にドヤ顔するはずだったセリフは、さつきに奪われた上に満面の笑みと共に速攻で一刀両断された。
仕方なく、俺がさつきと出会ってから今日までのことを思い出してみる。目を閉じると春からのことが脳裏に浮かぶ。
そして、俺は目を開いた。
「夏祭りに行った。、、、、以上」
「えっ!!?いやいやいや、もっとありましたよね!?少なくとも夏休み前とか!!」
「きおくにございません」
「何棒読みしてるんですかっ!ほらまだ尺余ってるんだし知らない人も沢山いるんですからいきますよ!!」
「メタいよ!?」
こうして俺としぐれは、お互いを知り合ったときの事を振り返り始めた。
さつき「あれ!?尺は!?」
翔太「そんなものはない」
さ「いやでも今回すごく短くないです?」
翔「話の区切れがちょうど良かったんだろ」
さ「、、、、先輩も十分メタいですよ」
2人の会話は置いておいて、本当は今回で過去編を少しかじっておこうと思ったんですが区切れ目的に次回からになりました。大人の事情ってやつです()
過去編にはシリアスも入れてみようかな、なんて(気まぐれ)
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