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1話目 誕生日




「ねぇ、先輩」

「何?」


 学校の帰り道。俺は後輩に呼ばれた。


「先輩の誕生日っていつ何ですか?」

 俺は自分の顔を指さした。

「そうです、翔太先輩です!」

「俺は11/17。時雨は?」

 俺も時雨に聞き返してみた。


「私は4/23です!」

 それを聞いた俺は「あれっ?」と思った。


「さつきって名前なのに4月なの?」

「それなんですよ!」

 さつきは指をビシッと伸ばして「待ってました」と言わんばかりの笑顔をした。

「私、本当は5月に産まれる予定だったから親がさつきって名前を決めたみたいなんですよ。でも、私がお腹の中で頑張ったみたいで4月に生まれたらしいです!」

 さつきはそう言って舌を出した。

 僕は思わず口を隠した。


「あれ、先輩どうかしました?」

 さつきが顔をグイッと近づけてきた。


「何でもないっ!何でもないから!」

「ホントですかー?」

 さつきは探るような顔で覗き込んでくる。抑えてないと口が緩みそうになる。


「本当だから!のぞき込まないで!」

 俺は大きな声でなんとかごまかした。


「そうですか、、。っていうか、先輩が11月なら今は同じ年齢ですよね!?敬語無くてもいいのでは!?」

 さつきはまた体を前に乗り出してきた。

「いやいやいやいや」

 俺はブンブンと首を振って否定した。もし敬語なんて辞められた日にはきっと俺の中の許容量はすぐに埋まってしまうことだろう。


「えーいいじゃないですかぁー」

 さつきは頬を膨らませて不満そうな顔をした。心臓が強く脈打った。


「じゃあさ、そこまで言うなら俺を先輩以外で呼んでみれば?」

 何となく提案してみた。さつきはこれに飛びついてくるかと思ったが、意外な反応を見せた。


「えっ、、えー、、、、いやー、それはー、、、、」

 さつきは頬を少しを赤くして目を逸らした。あれ、何だろう。何か悪いことをしたような罪悪感が浮かんできた。

 さつきはしばらく口をパクパクさせていた。


「うー、、。じ、じゃあ、、、、」


「ショーくん、、、、?」


 俺より少し低い身長のさつきが上目遣いで言ったその言葉は破壊力が強すぎた。

 今日のさつきは一段と俺の心を抉ってくる。


 とりあえず俺は考えることを放棄してさつきの頬を引っ張り続けた。




 俺の最近の悩み事。


「後輩が可愛すぎる」




2話目は話が思いつき次第、連載していきます

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