戦闘開始!!
ここ一週間更新できずに大変申し訳ありませんでした。9日から安定すると思います。
それでは本編どうぞ。
「もうこれ以上は持ちませんイザベラ小隊長!」
前の方からそんな声が飛んでくる。
「みなさんもう少しだけ耐えてください!お願いします!」
前衛で戦う部下の兵士たちにもう少し時間を稼ぐように指示を出すがそんなものは言葉通りの時間を引き延ばしているだけに過ぎない。
これは完全に私の落ち度だ。心の中で自分に悪態をつく。
まさか魔物があんな策に出てくるとは思わなかった。
時は両者が相対しているところまで遡る
「皆さん戦闘に備えて下さい。奇襲部隊は行動を開始し合図があるまで待機していてください。」
イザベラが指示を出すと兵士たちは各々の準備を始める。自分の装備の確認をする者、目を瞑って気持ちの整理をする者、皆今回の作戦が町の指定災害級の案件であることから今までの依頼とは雰囲気が違う。
「少し皆さん表情が硬いですね。」
イザベラが緊張した様子で隣にいる少し幼さが残る少女(成人)に話しかける。
「それはそうですよ。今回の作戦は何が何でも成功させなくちゃいけないんですから。」
「でも、いざというときに体がちゃんと動いてくれないと被害が大きくなってしまいます。」
「それもそうですね…、」
そこまで言うと話しかけられた少女(成人)は何かを思いついたという風に顔をニヤリと歪めそして全兵士に向かって大声で一言だけ言った。
「皆さん!今回の作戦で一番多く敵を仕留めた方には!なんと!イザベラ小隊長の膝枕を贈呈します!!なので一匹でも多く敵を仕留めましょう!」
「「「「「おおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」
そんな大きな歓声のイザベラはみるみる顔が赤くなっていき、少女に猛抗議を唱えている。
「ちょっ!あなたなんてことをしてくれたんですか!!」
「まぁまぁいいじゃないですか部下の兵士の苦労を労わるのも上に立つ者の役目ですよ。」
「そんなことはわかっています!でも、膝枕なんて…やったことなんてないですし……」
自分が膝枕をやっているところを想像したのか赤かった顔がさらに蒸気が出るのではないかと思うほどに赤くなり、挙句の果てには手で顔を覆いその場でしゃがみこんでしまった。
「アハハ…(少しやりすぎてしまいましたね。)」
まさかここまでイザベラ小隊長が純情だとは思はず苦笑がこぼれる少女。
ここに、純情な美女を軽くあしらう少女(成人)の構図が出来上がる。
そんなこんなしているうちに偵察部隊から敵がすぐそこまで迫っている笛の合図が届いく、兵士たちはついに来たかと覚悟を決める。
先ほどまで羞恥に悶えていたイザベラも流石に緊張を隠し切れないのか険しい顔つきになっている。
そして部隊の目の前にゴブリンの軍勢が姿を現した。
「こちらも動きましょう。」
イザベラはそう言うと、進軍開始と指示を出す。
両者がじりじりと距離を詰めていく。
その距離が丁度50メートル程になったときおもむろに一匹のゴブリンが走り出す。
そして、その行動を皮切りにゴブリンの軍勢が勢いよく迫ってくる。
「こちらも行きます!全軍突撃っっ!!!」
「「「「「うをぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」」
すかさずイザベラは奇襲部隊に自分が持っている笛で合図を出す。
「おっ!小隊長からの合図だ準備はいいか?」
がたいのいい男がほかのメンバーに確認をとる。
「ああ、」
「大丈夫です!」
「行けます!」
「は、はい!」
全員の確認が終わると、がたいのいい男はそれじゃあ行くぞ。と言って行動を開始した。
あれから1刻がたった。
「現在の状況を教えてください、」
横にいる部下の男にイザベラが質問すると、男は苦い顔をしながら説明を始める。
「は!特に問題はないかと思われます。着々とゴブリンはその数を減らしています。こちらに目立った被害も今のところありません。」
男の報告にイザベラはわかりましたと返し何かを考え始める。
「やはり部隊を分けないで正解だった。」
イザベラが独り言を言っているとき、ですが。と横から男が話しかけてくる。
「どうかしましたか?」
イザベラは思考を放棄して男の言葉に耳を傾ける。
「一つだけ、まだ奇襲部隊からの連絡がありません。予定道理事が運んでいるのならもうとっくに連絡があってもいいころなのですが。」
「確かにおかしいですね…、あの方達の実力なら問題ないはずなのですが。」
二人が奇襲作戦に向かった五人の兵士たちのことを考えているその時だった。
一人の血だらけになった兵士が息を荒くしながらイザベラたちの前に片膝をつく。
その様子にその場にいた二人は何事かと思いその者に問いただす。
「何かあったのですか?」
イザベラが聞くとその兵士は絶望的な顔をイザベラに向けこういった。
「報告します。本陣より東側にてゴブリンエンペラー率いるゴブリンの別動隊が出現しました!」
その報告にその場にいる二人は息をのんだまま唖然とした。
「エンペラー種だ、と…」
横に居る男からかろうじてそんな言葉が出る。
エンペラー種それは知力と実力を兼ね備えたキング種よりも場合によっては脅威になる存在、
イザベラ小隊長!どういたしますか!?と血だらけの兵士から言葉がかかる。
だが、イザベラは最低限の指示出すことぐらいしかできなかった。
「どうしたらいいのですか…」
今現状エンペラー側に割ける兵力は残っていない。こちらの方が数の面では少ないなので全兵力を今はゴブリンキング率いる相手の本陣に費やしている。
要するに、エンペラー側に人材を送ればキング側が手薄に、だからと言ってこのままだとエンペラーの軍勢にやられる。あちらを立てればこちらが立たぬ、双方立てれば身が立たぬ、とはまさにこの事だろう。
万事休すかと思われたその瞬間。
戦場に人類最高峰のSランク冒険者一人とこの世界には適さない一人の化け物が舞い降りた。
金がなくて泣きそうです、、
入学金たかすぎんだろおおおおおおおおおーーっ!