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宇宙人と蛇の部屋《改》


その純粋な

宇宙人のような

嘘をつけない言葉は、

たしかに軽い引っ掻き傷を

心の表面に

つけたんだ


でも、

そんなことは

たいしたことじゃない


ぼくは読むべき本を読んで

君の部屋に

ただうだうだと

居続けさせてもらっていただけ


なにもせず、

なにも、欲しくもない


ただあしたが明るくあたたかなことを

願っているだけだ


こんな、

蛇な、

ぼくだけど


君の喜ぶ顔を見るためなら

空だって、

飛んじゃうかもしれない、

好きっていってくれたらそれだけで、

世界は平和になる気がして

たまらないんだ


もう、ぼくは、

蛇じゃなくってヘビーな幸せモノさ、

ってね、

おちゃらけちゃったり、するもんね


空気を読めない

宇宙人の君と

そんな君が好きなだけの

蛇ぃなぼくと

アドバンテージは

それでもやっぱり

君だけなんだね


まぁ、いいけどさ。


この、君の部屋にコタツを出して

ふたりで《ちゃいちゃい》したいねぇ。

(イチャイチャの、反対だよ)

真面目なお付き合い、さ。


あったか〜い、その部屋に

入れてもらえているだけでも

幸せなんだけど、

なんか、

たまーに、

まるで空気の読めない宇宙人トークで

ぼくのそのクールなところがいい、とか

おっしゃってくださるのだけれど、

ぜーん、ぜん。


きみのその、

なにものにも馴染もうとしない

依怙地さは、

ちょっと、

不思議な感じがするね。


まぁ、ぼくとしては、

だから、こんなぼくでも、

きみのそばに居させていただいて

いるんだから、と、

望外の幸せを噛みしめるのだ


あの、

初めてふたりっきりで歩いた

高校のときの

花火大会の

人ゴミのなかで手をつないだこと

思い出させてくれる

なぜか、この部屋


ははは?

あれ?

あれから、ずーっと、幸せだぞ?


ま、いいこと、いいこと。



あれ、

でも、ほんと、いいのか?

こんな蛇のくせに、

幸せで?





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