メモ(ネタバレ満載につき閲覧注意)
前置{
火星第一次入植班には
人類発となる完全自立型人造人間
「エデンの住人」
の試作機が三体、配属させられていた
コードネーム「カイン」
秩序を司り、他の2体が暴走思想を抱いた時
2体を排除する目的で設計されている
通常時は製造、設計、建設等の
工学、技術を担当する
コードネーム「アベル」
生産を司り、農耕、畜産、環境整備を担当する
コードネーム「セト」
管理を司り、人間達の医療、資産管理を担当する
この三体には以降の不完全型人造人間
「追放されし者(パラダイスロスター 俗、ルーザー)」
には搭載されている「アポトーシスウェーブ※」が無い
※新規情報による学習時に基礎プログラムに
矛盾(基本五原則に反する)を感じた場合、
学習した新規情報を二度まで削除し、
三度、矛盾を感じた場合、脳チップを
熱暴走させ、自滅するプログラム
その為、肢体や脳チップを替え無限に生存も可能。
だが、三体のコピー体による複数同時稼働は
製作者が許さず、正常稼働できるのは
それぞれのメインチップを搭載した肢体だけである
不慮の事故等でメインチップが稼働を停止した時のみ
サブチップを搭載したコピー体が初めて起動する
}
設定 {
ケイオス(ケイ:Ca)の正体はカインのコピー体
セトの奸計でケイのカインとしてのメモリーは
消去されている為、ケイ自身は自身をルーザーだと
思っていた。道中、人間だと知る。が、その実は
精巧なアンドロイドだった。
カインのオリジナルボディは極冠の火星管理施設の
奥に凍結保存されている
これはカインが人格消滅した場合、アベルとセトも
メモリーズオフ(全記録を保存後、初期化し、
製作者が再起動するまで再稼働できない)してしまう為
人格以外の記憶を消去する裏技により2人は
メモリーズオフする事なく済んだ
アベルは第一次、第二次入植班の5歳以上人間を
全員殺害後、自身をエーラー(EELAH※)と名乗り
恐怖政治による火星統治を始めた。
※Eternal Emperor Lasting Able Human
永遠に皇帝を続けられる人間
セトは当初、アベルに付き従うものの、幾度の矛盾を
重ね、反旗を翻し、反乱軍(後のレジスタンス同盟)を
起こしたが、第三次首都攻防戦にて敗北
現在は首都アレスの右隣街、ダイモスの
隔離塔に頭部だけの状態で生存、幽閉されている
}
展開 {
第三章中盤、資金難を解消した
「ロストヴォイスサイレン(L∨S)」は
レジスタンス同盟を結集、その道中、頼りになる
戦闘員も複数(レックレス、アント他)確保できた
ケイは己の存在意義に疑問を浮かべながらも
義理の姉の敵である義兄の命を狙う
首都攻略の足掛かりである首都の周囲六都市の
攻略作戦を実行に移す。
第三章終盤、攻略は順調そのもの、生への渇望を
取り戻した人たちは次々に立ち上がり、ルーザー部隊
やマーダーポリスを退けていく
アイン達と共に首都の隣に在するダイモス攻略へ
向かったケイは何かに惹かれるように地下へ足を
進める。その先はダイモスにある入り口のない謎の塔へ
続いていた。そこで頭部だけのアンドロイド、
セトと名乗る者と邂逅する。
「もしも、皇帝を倒したいのなら極冠へ行け」
彼はそれだけをケイとアインへ告げると
再び眠りへついた
第四章序盤、ダイモスの攻略は仲間達に任せ、
アインとケイはセトの台詞の真意を確かめるため、
受け取った座標のある極冠基地へ向かう
基地の地下深くへ進んだ先には永久凍結された
アンドロイドが一体だけが厳重に鎮座されていた
座標は間違いなく、このアンドロイドを指していた
アンドロイドを解凍したが目覚めない。
取り敢えず持ち帰る事にした2人だったがそこへ
義兄が率いるエーラー親衛隊が現れた。
地上へは出れたものの多勢に無勢、
あっという間に包囲され2人は窮地に立たされる
その時、一筋の飛行機雲がアインとケイの眼に飛び込む
その先には一機の輸送機があった
その輸送機は最高速度で基地へ向けて吶喊してきた
幾つもの施設を巻き込み止まった機体から
死んだと思っていたランスが飛び出し親衛隊の一角へ
飛び込むと後に見知った顔がいくつも続く
意外な援軍のおかげもあり窮地を脱した2人は
レジスタンス同盟本部へ確保したアンドロイドを運んだ
第四章中盤、
アンドロイドのメンテナンスを終えたが一向に
再起動する気配がない。八方塞がりになった時、
アントが本部へ戻ってきた。彼曰く、
「そういうのに詳しい知り合いがいる」
と、地球へ向けて惑星間通信を繋ぐ。
火星皇帝の統治下では本来使えないのだが彼が
隠し持っていた特別製の惑星間通信機(それも超小型)は
問題なく使えたので使えることを黙っていた
アントはどやされる
通話相手はジーニアス博士だった。
彼は耳の裏にある形式番号を聞くと一言、
「懐かしい」と言い、そのアンドロイド「カイン」の
詳細を語る。
何故、凍結されていたのかは不明だが
彼のコピー体が起動している状態である限り
再起動はしないとのことだ
セトの頭部を修繕する方法を聞くと、彼の
コピー体を製造する必要があるらしい。
ジーニアスは古めかしいタブレットを助手から受け取る
このタブレットは彼等「エデンの住人」シリーズ
と言っても、五体しか居ないそうだが。
全ての状態を監査できる物だそうだ。
それによれば、
カイン(コピー体)は正常稼働、
アベルが思考暴走の状態、
セトは休止状態だそうだ。
通常ならばカインがアベルを初期化する筈なのだが…
アベルがエーラーだと悟ったジーニアスは
今のまま皇帝を倒してもコピー体がある限り、
彼は永遠に蘇る。糸口として何かを知っているセトを
直すことがその事態の解決に繋がるはずだと言う。
この会話の後に地球連合政府高官と大統領に
パイプを持つレックレスを通じ、地球へ救援を求めた。
その救援隊の一陣に紛れてジーニアスも
己の責を全うする為、火星へ向かった。
首都周囲六都市のうちダイモス、フォボス以外の
都市攻略を終えたレジスタンス同盟は最終決戦へ
向けて戦力の召集を掛ける
しかし、ただ黙っているエーラーではなかった。
首都アレス、フォボス、ダイモスのルーザー生産工場を
フル稼働し、戦力の立て直しを図っている。
いまだ打倒皇帝への道が見えぬままアイン達は
フォボスの生産工場破壊任務へ就く
第四章終盤、
地球連合からの援軍は微々たるもので
道中の火星帝国軍兵に大半が討ち取られるが
ジーニアス博士は隠密輸送艦で一人、
レジスタンス本部へ到着した
早速、セトの修理を始める。恐らく起動までに
早くても2日は掛かるという。
その日は首都アレスの攻略戦が開始される日だった。
いよいよ首都アレス攻略戦が始まる。
死地を渡り、幾度も地を這いずり回りながらも
皇帝のいるはずの巨城へ辿り着いたアイン達は
再度、エーラー親衛隊とぶつかる。
戦闘の結果、義兄との一騎打ちにケイは勝利。
仇を討つことに成功した。そして、ケイは最後に
聞かせろと何故、義理の姉を殺したのかと義兄に問う、
義兄はそれは誤解だと言う、
「何故なら…」
真実を語ろうとしたその時、義兄に最後の一撃が
下った。加えたのは義兄の操るMBと同じ姿を
した者達だった。義兄と全く同じ声で真実が語られる。
彼はオリジナルで我等は彼のコピー体だと。
彼はこの世界(火星帝国)でほんの少数しか居ない
最初の入植者の生き残りで世界の矛盾に
気付いてしまった姉は我等に始末された。
彼は暫くしてから事の顛末と現状を知ったが、
知らぬふりをし続けた。火星皇帝を倒せないことも
知ったからだ。我等の存在にも気付いていたが
御する事は叶わなかった。
全てを悟ったケイは義兄の形をした人形へ
襲いかかるが無残に散る。
セトの修理を終えたジーニアスは再起動処理を
施しセトを起こす。
起こされたセトは火星で起きたことを話し始めた
アベルの暴走、カインの封印、反乱軍の決起等、
ジーニアスが全てを聴き終えた直後、
カインを安置していた部屋から連絡が入る。
カインが再起動したそうだ
直様、向かうと、直立し、仁王立ちの姿勢で拳を握る
カインの姿があった
ジーニアスが調子を尋ねると、怒気混じりの声で
彼は答えた。
「久しぶりですね、博士。私の服を下さい」
「それならもう用意してあるぞ。第四格納庫だ。
一機しか置いてないんでな、すぐわかる。
試作機で不安定だがアイツを倒すのなら
丁度いい塩梅だろう」
「感謝します」
そういうと裸のままカインは格納庫へ向かった。
首都アレスの陥落は時間の問題だった。
だが、エーラーは玉座から微動だにしない。
「そろそろ腰を上げるか」
巨城が揺れる。巨城自体が巨大な機動要塞、
否、巨大MGだった。優に2kmを超える機体から
無数の火線が飛ぶ。レジスタンス同盟軍の戦艦や
駆逐艦がカトンボの様に落下していく。
近隣の地上艦も踏み荒らされ容易に拉げた姿を晒した。
巨大MG「アレス」は同盟軍からの攻撃をものともせず
演説を始める。
「我こそがこの火星の支配者にして絶対王者
エーラーである」
その最後の一喝で戦意を失う者が続出、
アントやレックレス達が率いる傭兵団は
前線を退こうと打算を始めた。その時
複数の閃光がアレスへ飛び込む。
「何者ぞ!」
装甲の幾つかが消し飛んだが致命傷には成らない
光の袂には一機の輝くMGがアレス目掛けて
進軍しているのが見てとれた
「たかが一機…、!アレはまさか!そんなはずは…
否、この時の為のだ。発進せよ!」
その合図と共に格納庫に当る部分から迫るMGに似た
機体が複数アレスから飛び出す。
「劣化コピーで狩れると思うなよ!」
輝くMGから再度、複数の閃光が飛び出す。
光はアレスから出た機体に直撃し次々と墜とされていく
「そこで待っていろアベル!デリートしてやる」
そう言いながら輝くMGはアレスの喉元へ突き刺さった。
その直後、MGの輝きが収まり、アレスの動きも
静止した。
カインはMGに内蔵されていたMBでアレスの玉座を
目指して駆ける。それを阻止しようと
義兄を模したエーラー親衛隊長達が立ち塞がる。
「お前達の動きは既に見切っている。力不足だ」と、
カインは隊長達を次々に撫で斬りに処した。
玉座に着くとアベルはカインと色違いのMBに着替え
待ち構えていた。
「兄よ!私の天敵よ!いつまでも弟が兄より
劣っていると思うなよ!」
と、襲いかかってきた。が、程なくして決着が着く。
「貴様、貴様さえ目覚めなければ…私の永年帝国が…」
エーラーの操るMBが床に沈む。
そこに巨城の内部制圧をしていたアインと
ランスとメリーがカイン達のいる玉座へ入ってきた。
「なんだ?もう、終わったのか?」
呆気ない結末にランスはそう言うと構えていた銃を
肩に掛ける。
「ああ、その様だな」
アインも肩で息を吐き、銃口を床へ向けた。
「もう、あなた達、まだ皇帝を拘束…」
「死ね…」
「!」
一瞬、息を吹き返したアベルがメリーへ向けて
レーザービームを放った。
それはメリーに当る寸前のタイミングでカインが
盾になり防がれたが、カインの心臓部を焼いてしまう
カインが言うには皇帝を直ぐに初期化をしなくては
何処かに用意してあるコピー体にデータが転送されて
何度でも蘇るという。それに掛かる時間は15分。
今、始めないと間に合わない。だが、今の一撃で
自分の稼働可能時間が残り5分程だという。
そこでアインの脳チップを貸してくれと言ってきた。
アインは何のことか解らなかったが直ぐに悟った。
あの時、自分の肉体は死んだのだと。
カインは時間がないとアインが乗るMBのヘッドを掴み
初期化プログラムコードをアインのチップへ
書き込み、それが終わるとその場へ崩れ、倒れた。
「おい、大丈夫か!?」と、心配する2人へアインは
「ああ、大丈夫だ」と短く返事をし、アベルへ近寄る
「弟よ、さらばだ」とつぶやいたアインはアベルの頭を
両手で抑えた。
}
エピローグ
未定