サァドアンサァ - ヴィオラ・ダ・ガンバ -

　工科大学の学生、山科みのりは、動画サイトで今まで聴いたことのない音色のギターと出会う。そのギター探しに奔走するが敵わず、ならば自分で作ってしまおうと一念発起する。
　材料を調達した帰り道、暑さで参ってしまったみのりは古民家然とした喫茶店「ヴィオラ・ダ・ガンバ」に立ち寄り、そこで葛城たち、三十路間近の３人組と出会う。
　冴えない喫茶店のマスター葛城は、実は１０年間イタリアで修行した、腕の立つ弦楽器のリペア職人だった。三十路間近の３人組の残り二人は、九条と麗華という。九条はこの店の大家でもあり葛城の演奏パートナーでもあり、麗華はこの店の夜の部、ジャズバーを取り仕切るママさんだ。
　麗華の強引な勧めもあって、みのりは喫茶店を手伝いながら、喫茶店の裏にある葛城の工房でギター作りをすることになる。
　みのりは楽器作りのノウハウを葛城から教わり、周りの助けも借りながら、徐々にギターを完成させていくのだが…。

　ギターを作りながら育まれていく恋心。みのりと葛城の心の機微をお楽しみください