Take.1 日常
はい、始まりました、新連載新小説!二次創作禁止令が出てから約3カ月の潜伏期間を経て戻ってきました!
長い前置きは自分でも面倒なので、言いたい事は全部あとがきに記してありますので、まずは本文の方をお願いします!
東京23区。つまり東京都に俺、天ヶ崎慶介は住んでいる。23区の場所で言えば、江戸川区でちょうど海に隣接している。まあ俺の住んでいる場所はやや内陸なのだが、自転車を数十分走らせれば着く距離だ。道路も丁寧に整備され、最短距離でたどり着ける。
現在は20XX年。近代科学が進歩し、数十年前までは不可能と言われていたことまで可能と言わざるを得ない時代である。とは言っても、昔のことはよく知らないので今の技術が凄いのかどうかはよく分からない。ピンとこないわけだ。CMやテレビ番組で、『この最新型は……』とか『以前では実現できなかった……』などという決まり文句には聞き飽きた。そういう物に興味がないとは言っても一応携帯や家の家電製品は常に最新鋭のものがそろっている。これは父がやけに新しいもの好きの性格のせいだ。おかげで年に二、三回俺のこずかいが激減する事もあるが、さっきも言った通り、俺は新しい物に興味がないのでお年玉等のもらったお金はずっと溜めてあるのでお金には困っていない。おそらく2、30万は軽く銀行にあるんじゃないだろうか。そんなことを考えても、使わないものは使わないので気にする必要もない。どうせ将来就職でもしたら一気に飛ぶんだろうなー、的な思考でいる。
学校では成績優秀。どれだけ悪くても常に上位者ランキング20位以内には入っている。闘争心は一応持ち合わせてはいるが、基本俺は面倒臭がり屋なので無理に闘志を燃やしたりなどしない。皆から見ると、俺が勉強できるのには見えないくらい普通なようだが、できてしまうものは仕方がない。別に優越感も劣等感もほとんど感じないが、感情がないわけではない。
容姿はといえば、これまた普通な感じである。髪は普通の長さで黒。ちょっと天然パーマ気味。朝はさえない半開きの目をしているが、日中はそうでもない。瞳はちょっと青みがかかった黒色をしているらしいが、俺にはほとんど黒にしか見えない。そんな普通の容姿をしているからこそ、勉強ができると『以外~』的な事を言われるわけである。
そんな普通の人生を、何気なく過ごしていた。過ごしていたはずだった。
「もぉー!慶介遅い!」
午前8時を回ったところで住宅街にそんな声が響いた。俺は別に怒鳴られるほど大それた遅刻などいない。いつもの集合時間より数分遅れて来ただけじゃないか。と心の中で訴えた。
俺に怒鳴ったのは幼馴染で腐れ縁である、近衛美奈美。名前の通り、学校でも三本の指に入るほどの美しさで、密かにファンクラブまで結成されているそう。明るいブラウンで肩まである髪は少しパーマがかかっていてゆるくウェーブしている。ペールブラウンの瞳は鮮やかで朝日に照らされて輝いて見える。背丈もそこそこあって一応160センチ前半らしい。スリーサイズは知らないが、スタイルはいい。まさに美少女の代表格と言えよう。
だがその容姿とは裏腹に、実はドS寄り。いつもは明るく温厚な性格で通っているせいで、美奈美の本性を知らない人たちは幸せだなぁ、とつくづく思ってしまう。
「慶介、お前いつまでボーっとしてんだよ。早く目ぇ覚ませ」
「んな事言ったってよぉ……。朝は苦手なんだよ……」
俺にそんな事を言ったのは同じく幼馴染で親友の瀬戸和希。生粋のスポーツマンで小さい頃から野球やら水泳やらテニスやらと習い事をやらされていて、今はテニス部に所属している。俺も幼いころ和希にならって一緒に野球をしたが、1ヶ月も続かなかった記憶がある。そこからだろうか、俺がもやしっ子の道に進んでいったのは。と、過去の事は忘れよう……。
和希は背が高く、180センチはあろうかと思うほど長身だ。髪も短く、スポーツ刈り。髪の色、瞳ともに黒く、筋肉もついていて女子にもそこそこモテている。
しかし、和希には一つ問題が。和希には二つ下の中学二年生の瀬戸廓という妹がいる。いつも髪をツインテールでまとめていて、吹奏楽部に入っている。和希はそんな妹を自慢に思っているようだが、問題はそこにある。極度の過保護とも言えるほど溺愛しているため、中学生の頃からロリコン疑惑が浮上しているのだ。
まあ余計な散策は無用か、と考えている最中、美奈美が言った。
「ほら、早く行くよ! アンタのせいで遅刻だけは、は勘弁だからね」
「だから俺は遅れてねーって!」
「いつも五分前集合って言ってんでしょ!」
「ぐっ……!」
言い合いに負け、思わず口ごもってしまった。五分前集合ということは、二人とも55分には来ていたということになる。明日からはちゃんと守ろう。そう心に誓った、のは何回目だろうか。そんな事を考えながら、他愛もない会話をしながら俺たち三人は学校へと向かう。 その日、俺たちの人生が変わることを知らずに……。
今回から第1話となるわけですが、正直言って、結構グダグダだと思います(^_^;) 今まで書いていたのはもともとある物語をベースとして書いていく「二次創作」だったわけで、一から十までOriginalとなると結構大変だと構想段階で気付きましたw
しかし、諦めず構想していった結果、「冥界のお嬢様っ!」というタイトルと内容が粗方決まりました!小説書いてる身としてはめっさ青いですが、今後ともどうぞよろしくお願いします!