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第一話 契約


そこは小屋…


神社の裏の林の中にある小屋…


そこで、僕ら二人は契約を結んだ…


「ねぇ、そろそろ…しよ…」

「大丈夫…痛くしないよ」


綺麗な赤毛のストレートでワンピース姿の女の子が僕を呼ぶ


「フレア…また僕の血を飲むの?」


僕は心配そうに赤毛の女の子…フレアに訪ねた

            「大丈夫…(ゆき)の血はもらわないよ…」


「じゃあ何をするの?」


「……私の血を幸にあげるの…」


「えっ?…」


ずいっとベットに座っていた僕にフレアは顔を近づける


「大丈夫…じっとしてて…」

フレアの吐息が僕の鼻の先に当たる


その吐息は下へ下がっていき僕の首筋で止まった

            フレアの鋭い牙が首筋に触れた瞬間


カプッ


「痛っ…」


鋭い牙は僕の首の肉をえぐった


牙でえぐられた傷からフレアの紅い体液が流れ込む


「うあっ…くっ…ああっ…」

(なんだ?…フレアの血が流れてくる度…身体が…熱い!)


「はいっ♪終わり♪」


フレアはなんだか嬉しそうだった


「じゃ…今度は…誓いの言葉…」


フレアは何故か顔を赤く染める


「誓いの…言葉?」


「うん…」


フレアはもっと赤く染める

「…幸…私……あなたが好き!」


!!?


「幸は…私のこと…どう思ってるの?」


「…急に言われても


「じゃあ、嫌い…なの?」


フレアは僕の曖昧な答えを掻き消すかのように聞く


「…嫌いじゃ…ない…僕は……君が好きだ…フレア…」


!!!?


フレアに告った瞬間また身体が熱くなる


「うあああぁぁぁぁぁ…」             

今度は全身が引きちぎられるような熱さだ


数秒…熱は消えうずくまっていた僕をフレアが心配そうに見つめているのに幸がきずいた


「大丈夫?」


「うん…平気…」


本当に心配したみたいでフラアの瞳から綺麗な雫がこぼれ落ちる


「なんか………ごめん……」            

「ううん…それより…覚悟は…できてる?」


フレアはポケットからハンカチを手に取り、涙を拭う


「覚悟?」


「うん…あなたはこれから…生きる時も死ぬ時も一緒…その覚悟はできてる?」


「………うん………」


僕が頷いた時、フレアの瞳からまた雫がこぼれ落ち、僕の胸に抱き着いてきた

            「……嬉しい……嬉しいよ幸!じゃあ、次は…キス……して」


!!?


「契約は…これで終わり…だから……いつも、みたいに……して…」


僕はいつものようにキスをした


フレアの唇はいつもより震えていたが


いつもより甘く、柔らかかった


キスを終えると自分の身体に違和感が湧く



「これで契約は終わり♪」


「いつもみたいに遊ぼ♪」


「…うん……」


これで僕らの契約が終わった


しかし


僕は……今の僕は…君が誰なのか分からない


「幸!幸♪幸♪♪」


君は…君はいったい……


「……き…ゆき……幸!」


「ふぇっ!?」


「幸…大丈夫?」


頭を上げるといつもと変わらない教室といつもどおりの風景があった

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