差出人は私だった
動画が添付されている。
画面がぶれている。
再生をタップした。
水の音が聞こえる。
それはトイレで頭や手を抑えられていた私の動画だった。
そして差出人の名前は私だった。
またスマホが鳴る。
「一件」
動画がまた添付されている。
差出人の名前は私。
恐る恐る震える指先で、再生をタップする。
また画像がぶれている。
画鋲の上に、
座った時の動画だ。
トイレには私たちしかいなかった。
「ただいま!」
お兄ちゃんの声がした、ばくばくする心臓の音を誤魔化しながら、階段を降りていく。
「お兄ちゃんおかえり!お母さんなら買い物に行ってくるってメモがあったよ」
そういうと、
「そうなん?腹減った」
「成長期だねえ」
と二人で笑いあった。
「あ!そうだ課題やらなきゃ」
「たまには兄ちゃんが教えてやろうか?」
その時捨てられては何度も拾った教科書を思い出し。
「大丈夫、私頭いいから」
と笑って答えた。
部屋に戻り課題をこなしていると、お母さんの、
「ただいま」
という声が聞こえた。
お母さんの声を聞くと、ほっとすると同時に申し訳ない気持ちになる。
もし虐められてるなんてことがばれたら、きっと悲しむだろうな。
その日の晩御飯は鍋だった。
家族で鍋をつつくと、団欒感が高まる気がして幸せを感じる。
みんなでわいわいご飯を食べた後。
「お母さん、今日は私が洗い物するよ」
と言うと、妹が
「じゃあ私は拭く係する!」
と言ってくれたので、二人で楽しく話しながら後片付けをした。
片付けが終わって、妹の部屋にお邪魔した。
「お姉ちゃん、好きな人とかいないの?」
と聞かれて。
「ううん、いない」
友達すらいない、ましてや虐められてるなんて言えるはずもなかった。
妹は
「私最近気になる人がいるんだ」
と言ってきたので、思わず。
「嘘!どんな人?背は高い低い芸能人なら誰に似てる?」
と矢継ぎ早に質問する私を見て、妹は
「ちょ、一気に答えられないよ、一つずつ聞いてよ」
と大笑いしていた。
すると突然私のスマホが鳴った
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