限界
自殺、自傷表現があるので十分に精神が安定している方のみ閲覧してください。
9割実話です。
プロローグ
私の家庭は、片親だ。母親がいない。
私は今、中学3年生だ。
高校入試を控えているのに、気を病んでしまった。
なぜ病んだか、そんなことは今の私にはわからない。
今、私は電柱のボルトと向き合っている。
切り傷だらけの腕を使って、縄を結んでいた。
「案外、強度がありそうだ。ちぎれなかったらいいな。」
「さてと・・・せっかくだし、
吊る前に色々なことについて振り返るか・・・」
私は、電柱を背もたれにして、座り込んだ。
一
思えば、一番最初のきっかけは、
学校に大遅刻をたくさんするようになったことだ。
そのあたりから、私はおかしくなっていった。
まだ残暑が強く残る10月上旬。
ある言葉を、登校中に思い浮かべてしまった。
「自殺」
当時の私には、するには怖いことだった。
(もっとも、今の私にとっては今まさにやろうとしている行為だが。)
でも、自分にはムカついた。無性にムカついた。
視線を落としながら、歩いていた。
自分の左腕が見えた。
ふと、考案してしまった。
私は、自分の左腕を殴った。
あざになるまで殴った。
痛かった。
殴った直後は、左手が握れなくなった。
でも、それが少し心の支えとなった。
そのまま私は学校に登校した。
学校につくと、こんな言葉を投げられた。
「社長出勤」
私にはそれが嫌味に聞こえた。
ため息をつきつつ、私は自分の座席に座った。
実際問題、私が悪かったのだ。
全て私が悪い。全て私が悪い。全て私が悪い。
そんな感情が出だしてから、暫く経つと、一旦快調した。
私の友人であった、赤尾という男がいた。
そいつが、まあまあな心の支えになっていた。
ただ、とあるタイミングで、
私のその心の支えがちぎれてしまった。
非常に悪い噂が流れた。
赤尾に縁を切られた。
それに気づいた私は、最初はすごく傷ついた。
しかしながら、次第にその感情は薄れていった。
その代わり、憎しみが増悪していった。
なぜ噂で関係を切るのか、私には全く解らないものだった。
でも、なぜかは次第にわかってきた。
赤尾が噂を流していた。
喧嘩は一切しなかった。どうせ無駄だからと思ったからだ。
もう私はそのまま、関係を修復しようともせず、
そのまま関係を切ってしまった。
それから私は、「噂」を元に悪口を言われるようになった。
私はその悪口とか一連のことを、
間違えて親に話してしまった。
間もなく、私は不登校になった。
注釈をここで入れておくと、この時点で12月下旬だった。
不登校というのは、罪悪感がすごい。
最初は不快感とかそういうものはなかった。
しかしながら、次第に罪悪感が増していった。
新年になり、しばらくしたら、抑鬱を発症した。
数日間続いた。死にたくなった。気力がなくなった。
無気力になった。体が鉛のように重くなった。
抑うつが治った。それでも、鬱々しい気分は終わらなかった。
このあたりの時期に、私は家で縄を見つけた。
私が頭がすごく悪かった。もやい結びをしようとしたけど、
結び方を何回見ても理解ができなかった。
だから、少しばかり妥協?して逆八の字結びに変更した。
結び方は、こんなに頭が悪い私ですら理解して結ぶのが
容易であったほどには簡単なものだった。
作れた。吊りに行こう。しかし、私の中の別の分野が邪魔をする。
私は、死にたいと思う反面、死にたくないとも思っていた。しかし、こんな地獄終わらせたかった。
そんな事を考えていた。
この頃になると、腕を殴るだけじゃ痛くなくなっていた。
だから、私はネット通販でカッターナイフを注文した。
とんでもなく届くのが早かった。
深夜に注文して、翌朝にはもう届いていた。
私は、切ってしまった。
腕に、鋭い痛みが走った。
じんじんするような、きりきりするような、そんな感覚だった。
何度も切った。
切ったときは、本当にスッキリした。今まで脳裏にずっとこびりついていた希死念慮が、
一時的ではあるもののどこかに飛んでいったからだ。
しかし、そういったものは長く続かない。
しばらくしたら、父親に新しい彼女ができたと言われた。
数ヶ月前に別れたばかりなのに。
もうやめてほしかった。女なんか作らないほうがいいのに。
そしてここから、私の感情に酷い雨雲がかかることになった。
父親が女の事しか考えなくなったのだ。
私は、育児放棄されたかのような状態に陥った。
親はほぼ毎日帰ってこない。ようやく来た父親の休日も、
土曜日は釣りに行く。日曜日は午前中バイトに行って、午後は何もしない。
そして日曜日が終わったらまたほぼ毎日帰ってこなくなる。
そのようなことの連続だった。
私は、限界に達した。
遺書を書いた。
ドアを開けて外に出た。
電柱へ向かった。
そして、今だ。
あぁ・・・
出来上がった縄の輪に首をかける。
あと一歩、前に出れば全てが終わる。
そう思った瞬間、途端に涙が込み上げてきた。
「やっぱり・・・死にたくない・・・」
「うぅ・・・弱音だ・・・」
「終わらせようとしたのは、私だろ・・・」
その瞬間、足が滑って、前に一歩出てしまった。
「あぐっ!」
ギチギチギチ、ギュー。
「ぐるじいいい・・・いきたい・・・・いきたい・・・・・」
つっちゃった。さんそたりない。いきたい。
ともだちにゆいごんいっときゃよかった・・・
ぐるじいい・・・なんかながい・・・
ちっそくしないとしねないの・・・?
やだ!しにたくない!
どうにかしてじぶんをかいほうできないの?
なわほどけないかな・・・
あらがってもだめだった。
てからちがでてきた。
このままおわりなんだ。
そのまま、意識が遠のいていった。
※最後のシーンについて
脊椎を落下することによって折って、即死しようとしていました。しかし、そのための高さが足りずにしてしまったので、「なんかながい・・・」と発言したのです。
皆さんは、親のことが好きですか?
私は、ここに記されている通り、嫌いです。
むしろ、信頼していません。
現代には、「親ガチャ」という言葉があります。
それに当てはめると、私は「大外れ」かもしれません。
しかしながら、人によってはこの環境を少し羨ましく思う人がいるかも知れません。
生まれたときから、養子の親に育ててもらってたり、孤児だったり、そういう人もいるかも知れません。
しかしながら、そのような人と私のこの小説の主人公を比較して、主人公に対して
「お前はまだ幸せだから死ぬな」みたいな大それた事を言う人は正直に言って消えてほしいです。
なぜなら、すでにこの主人公にとっては幸せではないからです。
彼は、もうすでにこの世に対して希望を失っていました。
もし、このような人が周りにいたら、優しくしてあげてください。ただし、「死ぬな」という言葉は極力使わないでください、でないと「死」という選択肢が少しばかり強調されるし、何より本当に無責任な言葉です。
それではこのへんで、あとがきを終えます。