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プロローグ
プロローグ
――三ヶ月前。
とある邸宅で葬儀が執り行われていた。
「故人の生前は格別のご厚情を――」
葬儀の最中、皆が神妙な面持ちで参列する者に混ざって一人気持ちを昂らせる者がいた。
遂に手をかけてしまった。もう後戻りは出来ない、あとは突き進むだけ。順番を間違わずに遂行していかなくては。
他人を思い通りに動かす事など出来はしない。だから完璧なシナリオなんか存在しない。キャスト全員が好き勝手に動くんだ。奴ら全員の性格と思考を把握し臨機応変に対応しながら掴み取る。焦っては駄目だ。頃合を見て焦らず、だが迅速かつ確実に進めて行こう――。