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99.覚悟を決めて

なかなかアイデアが湧きません……

(浅山 藤四郎視点)


コマンダーウルフとアイアンリザードの襲撃から数日後……


「それにしても、トウシロウは良い男じゃの~……」


「いや、別にそこまで……」


「せやな。……まあ、ウチ等の好みど真ん中なんは否定せぇへんけど……」


「……だったら付き合ってくれよ……」


今、エルリスさんは馬車を停めてしばしの休憩に入っていた。


その途中でメサイアさんとエルリスさんに絡まれた俺は、すぐにたじたじになっていた。


「付き合う、か……エルリス、そろそろどうじゃ?」


「う~ん……まだ足りへんな~……」


「……じゃとよ……」


「ハァ……俺はいつまで、目の前に人参をぶら下げられてりゃ良いんだ?」


俺は、ずっと期待している。


ぶっちゃけ、エルリスさんもメサイアさんも滅茶苦茶美人だ。


そして、2人とも俺に好意を抱いている。


……なのに、だ!


2人とも、俺が告白した瞬間に日和りやがった。


「そ、それは……ごめんなのじゃ……」


「せやけど、ウチ等も怖いんよ……ウチ等、恋なんてした事なかったさかい……」


要は、2人とも恋をした事がなかったので、俺と付き合うのが怖い、という事らしい。


……それでよく好意を表に出せたな……


と、その時……


「エルリス、メサイア、あんまり藤四郎さんを弄ばない方が良いでありんすよ?」


「ミツエ!?」


「ミツエはん!?」


「ミツエさん!?」


メサイアさん、エルリスさん、そして俺の順番で、突然現れたミツエさんに対して驚きの声を上げた。


「……別にそこまで驚かなくても良いでありんしょ?」


「それはそうなんだが……本当に突然過ぎる……」


「まあ、それはそれ、これはこれでありんす!……エルリス、メサイア、あんまり待たせ過ぎても駄目なのは分かってるでありんすよね?」


「そ、それはそうなんじゃが……」


「それもそうなんやけどな……」


ミツエさんに正論をぶつけられたメサイアさんとエルリスさんは、何も言い返せずに居た。


「……勿論、こんな事をあちきが言う資格なんてないでありんす!……でも、あちきとしては2人に幸せになって貰いたいんでありんすよ……」


「ミツエ……」


「ミツエはん……」


ミツエさん、そこまで2人の事を考えてたのか……


だが……


「これ、割と現世の恋愛事情に介入してねぇか?」


「「「あっ……」」」


「いや、大丈夫なら良いんだが……」


「……ちょっと待ってて欲しいでありんす!」


ミツエさんはそう言うと、少しだけ席を外した。



そして、数分後……


「ミツエ、どうじゃったのだ?」


「ミツエはん、どうやった?」


「な、何とか死神長様から介入には当たらないって返答が貰えたでありんす……」


どうも、ミツエさんは今の数分で死神長に確認をとったらしく、この程度であれば介入に当たらないとの事だった。


「……で、どうするのじゃ?」


「そ、そないな事言われても……」


ただまあ、メサイアさんとエルリスさんは未だに答えが出ていなかった。


……俺としては、早く付き合いてぇんだが……


「……ご主人様、どうかされましたニャン?」


「トウシロウ、何かあったんですの?」


「トウシロウ殿、何がどうなっているのですかな?」


騒がしくしてしまったからか、ナフリー、メアリー、ロウルさんの3人が各々の部屋から出て来てしまった。


しかし、それだけでは終わらず……


「お兄ちゃん、煩いんだけど……」


「藤四郎さん、騒がしいですね……」


「これ、ボク達も行った方が良い感じかい?」


「どうしたものかっしょ……」


茜、兼人、司、正義(ジャスティス)の4人まで部屋から出て来たのだった。


「……これ、流石に俺達が落ち着いて話せる空気じゃなくなっちまったぞ……」


「ほんま、騒がしくしたんは間違いやったわ……」


「どうしたものかのう……」


俺としては、この件をあんまり後にまで引き延ばしたくはねぇ。


付き合うなら付き合う、振るなら振るでハッキリさせて欲しいからな。


「……2人とも、俺の部屋で話さねぇか?」


「「っ!?」」


……ミスったか?


俺の突然の誘いに、メサイアさんもエルリスさんも固まってしまった。


「だ、大胆でありんすね!?」


「ご主人様、意外と大胆ですニャンね……」


「トウシロウ、本気ですの!?」


「トウシロウ殿もやる時はやるんですな!」


「お兄ちゃん、応援してるよ!」


「藤四郎さん、絶対何も考えずに言いましたよね?」


「藤四郎君、ボクは応援してるから……」


「藤四郎チャン、当たって砕けないと良いっしょ!」


もはや応援されてるのか煽られてるのか分からなくなって来たが、正直ここが勝負時だと思う。


……って、ん?


「ダレスさんとダルクさんは部屋から出て来ないんだな?」


「あ~……多分、あの2人は部屋に籠って発明でもしてるでありんすよ……」


「何でミツエさんが知ってるんだ?」


「……さっきまで、ダルクさんに付き合わされる形で2人の部屋に居たからでありんす……」


「……なるほど……」


確かにあの2人なら何があっても部屋から出て来なさそうだし、ミツエさんの大ファンであるダルクさんがミツエさんを部屋に連れ込んだのも納得が出来る。


「……にしても、トウシロウはんの部屋か……」


「エルリス、どうするのじゃ?」


「今から行きたいんは山々やけど、そろそろ馬車も進ませんとあかんし……今夜、メサイアはんと一緒にトウシロウはんの部屋に行かせて貰うわ……」


「そ、そうか……」


何で夜なのか?


俺はふと気になったが、それを聞くのは野暮だと思った。


……ってこれ、勘違いだったら滅茶苦茶恥ずかしいパターンなんだがな……



そして数時間後の夜、俺の部屋……


ーコンコン……


「入るで~?」


「良いかのう?」


「ああ、入っても良いぞ……」


俺は何故かドキドキしながら、エルリスさんとメサイアさんを部屋に入れた。


そうして入って来た2人を見ると……


「と、トウシロウはん……これからウチ等がやる事に引かんといてな?」


ーモジモジ……


「わ、妾じゃって恥ずかしいんじゃからな?」


ーモジモジ……


「……2人とも、何を言って……」


メサイアさんとエルリスさんは、何故かモジモジしていた。


そして、次の瞬間……


「メサイアはん、覚悟決めてぇな!」


「エルリスの方こそなのじゃ!」


ーバサッ!


「っ!?」


突然、2人が服を脱ぎ捨てた。


いや、メサイアさんに関しては霊体をそういう風に見せてるだけなんだろうが……


……なんて、現実逃避してる場合じゃねぇ!


「ど、どうや!」


「ど、どうなのじゃ!」


「お、おう……凄いぞ?」


エルリスさんは白のランジェリーを、メサイアさんは黒のランジェリーを、それぞれ着用していた。


その姿はもう、何というか体のラインが丸見えで綺麗でセクシーで……


「トウシロウはん!」


「トウシロウ!」


「っ!?……は、はい?」


考え込んでいた俺は、2人の声で我に帰った。


「ウチは、ずっと怖かったんや。……いくらメサイアはんが()るからって、また大事な人との死別を経験せなあかんのかって……せやけど、ウチも覚悟を決めるわ。……トウシロウはん、ウチにとっては短い刹那みたいな時間やけど、一緒に歩んでくれへんか?」


「勿論、良いに決まってるだろ!」


やはり、1度は大切な友人を喪った影響が大きかった様だが……エルリスさんは、最終的に俺と付き合う事を選んでくれたらしい。


そして、メサイアさんも口を開き……


「エルリスが付き合うなら、妾だってもう遠慮はせんのじゃ!……トウシロウ、妾とも付き合って欲しいのじゃ!」


「だから、良いに決まってるだろ?……そもそも、俺の方から告白してる訳だし……」


「……そ、それもそうじゃな……」


「せやな……」


……まあ、別に気にしねぇけど……


「……っていうか、付き合う上でその格好つて事は分かってるんだろうな?」


「勿論、今夜は寝かせへんで?」


「妾も同じくなのじゃ!……あ、一応実体化もしておくのじゃ!」


そうして俺達は結ばれ、楽しい夜を過ごした。


ちなみに完全な余談だが、今回が初体験という2人とのアレコレはとても気持ち良かったのだった……

ご読了ありがとうございます。


ここから、発明コンビに焦点を当てて行きます!


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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