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75.再会は唐突に

ようやく、書きたかった場面まで来ました……

(タイガーラ視点)


……死神長とやらとの勝負が終わり、メサイアの姿が完全に見えなくなった頃……


「……で、本当に裏はねぇんガルかァ?」


「ないでヤンスよ。……これは死神長という死神としては最高位に居るあっしが、冥界神様に頭を下げまくって得た機会でヤンスからな……」


「そうガルか……てっきり、現世に行かねぇ方の霊魂が消滅させられるとかあるかと思ってたガルが……」


「怖い事言わないで欲しいでヤンスよ……残った方も別に普通に死後生活満喫して良いでヤンスから、そんな想像しないで欲しいでヤンス……」


「あ~、何か悪かったガルな……」


てっきり、俺としては何か裏があるんじゃねぇかと思ってたガルが……普通に何もなかったガル……


「……とはいえ、もし本当にそうならあんた消えてたんでヤンスよ?」


「そうガルな。」


「……どうして、そこまでするでヤンスか?」


「……俺が、あいつ等の仲間以上に(・・・・・)()()()()()()からガル……」


「ん?どういう事でヤンスか?」


まあ、これだけじゃ分からねぇガルよな……


「……エルリスは、短命種と関わっちまった長命種特有の悩みを抱えて生きてたガル。……メサイアは、自分だけ魔王との戦闘において後遺症もなく五体満足で生還した事を気に病んで生きてたガル……そんな2人に、ただの仲間でしかない俺がしてやれる事なんて、たかが知れてるガル……」


「……本当に仲間が大切なんでヤンスね……」


「当たり前だガル!……とはいえ、てっきり消されるかとばかり思ってたから、嫁に最後の挨拶をして来ちまったガル……」


「……そういや、夫婦揃って冥界に居たんだったでヤンスね……あっしからも説明してやるから、すぐに帰った方が良いでヤンスよ?」


「……そうガルよな……」


泣きつつも笑って送り出してくれた嫁……気まずいなんてもんじゃねぇガル……


ま、その代わりエルリスとメサイアが幸せになってくれるんなら……俺は喜んで嫁に怒られるガルよ……


そんな事を考えながら、俺は死神長と共に冥界の霊魂居住地に足を進めたんだったガル……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(浅山 藤四郎視点)


「……っちゅう訳で、ウチは財宝盗みに来た訳とちゃうし、寧ろ財宝の所有者の友人や!」


「……ウソハ……ツイテイナイヨウダナ……ナンカ……ワルカッタナ……」


……普通に強敵だった筈の赤盾竜レッドシールドドラゴンを、エルリスさんが打ち倒して数分後……


……赤盾竜レッドシールドドラゴンは、エルリスさんから事情を説明されて謝っていた。


「ほんまやわ!……後、今後侵入者っぽい奴等を襲う時は、ここに()るサトタヘヒコはんに確認取ってな?」


「ワカッタ……コンゴハ……ヨロシクタノムゾ……」


「ワイの方こそ、よろしゅう頼むで~!」


エルリスさんは当初の想定通り、"黄金霊廟"の警護を赤盾竜レッドシールドドラゴンへ任せる事に成功していた。


そして……


「後は……ウチから頼むんもおかしい話やけど、ロウルはんの大盾もどうにかしたいな~……」


「ダッタラ……フルクナッテ……ハガレタ……オイラノウロコ……ヤル……」


「なっ……赤盾竜レッドシールドドラゴンの鱗とか高級素材にも程があるやんけ!?……古くて剥がれた鱗ですら家が建つっちゅうのに、ほんまにウチ等が貰ってええんか!?」


「ワビダ……トッテクルカラ……ウケトレ……」


「ま、まさかこんな事になるとか……ロウルはん、これまでより硬い大盾作れるで!」


「お、それは私めとしても嬉しい限りですな!」


大盾が壊れたロウルさんだったが、何故か赤盾竜レッドシールドドラゴンの古くなって剥がれた鱗を素材として貰える事になったのだった……


「ほな、ウチ等は"黄金霊廟"に行っとくわ。」


「ウム……アトデアオウ……」


「では、カブお爺様にサトタヘヒコ様方……馬車をよろしくお願いしますニャン……」


「キュ~!」


「ワイ等に任せといてぇな!」


……とまあ、馬車の守りはカブさんやサトタヘヒコさんに任せ、俺達は"黄金霊廟"へと向かう事になった。


「……船が出せん今やと、"黄金霊廟"はウチの【神速】で海上を走るしか行く方法があらへん……っちゅう訳で、また【次元収納】に入れるからな?」


「好きにしろ……」


「せやったら早速……【次元収納】や!」


こうして俺、ナフリー、メアリー、ロウルさん、茜、兼人、司、正義(ジャスティス)の8人はエルリスさんの【次元収納】に入れられ、運ばれる事になったのだった……



その後……


「さ、着いたで~!」


「うおっ!?……やっぱり、【次元収納】の中では意識を失ってるんだな……って、えぇぇぇぇぇ!?」


「ん?お兄ちゃん、どうし……え?」


「「「「「「………………。」」」」」」


……俺と茜が言葉の途中で絶句し、他の皆は一言も発せずに絶句していた。


その理由は……


「"黄金霊廟"とは聞いてたが……マジで金色しかねぇじゃねぇか!」


そこに有ったのは、光輝く黄金のみ(・・)で彩られた巨大な神殿だった。


「何ボ~ッとしてるんや。……さっさと入るで?」


「いや待て……これ、本当に聖職者の墓か?」


「せやで。……これでも、先代教皇の墓や……」


メサイアさんが先代教皇だったって聞いたのこれが初めてだっけか?


いや、それはこの際どうでも良い。


「……エルリスさん、よく許可したな……」


「まあ、メサイアはん最期の無駄遣いやったから、ウチもちょい甘かったんは認めるわ……」


「いや、最期だからって……」


「ええやんか。……これなら、メサイアはんが生きた事実は数百年後まで残るんやから……」


「う、うぅ……」


確かに、こんな墓なら伝聞等で百年以上語り継がれるだろうが……


それで良いのか?


「ハァ……まあ、ウチですらドン引いとるのも事実なんやけど……」


「というか、こんなの盗みたい放題だろ……」


「あ、それは大丈夫や。……この墓、ウチとウチの同行者しか入れへん結界が張られとるんや……」


「……無駄に念入りだな……」


とまあ、こんな感じで俺達は結界を抜け、黄金の神殿へと入って行く。


なお、案の定神殿の内部も財宝だらけであり、見渡す限り金銀財宝の山が幾つも築かれていた。


「……ほんま、これもどうにかせんとな~……」


「いや、どうにかってどうすんだよ……」


「目がチカチカして来た……というか、こんな財宝よりシトラちゃんや名も知らない兎ちゃんの方が……」


「……こんな光景、書物でしか見ませんよ……」


「……ボクもこんなには要らないね……」


「寧ろ、司チャンに財宝は逆効果っしょ……」


「……あたしも、こんなに大量の財宝は要りませんニャン……」


「私ですら、この量の財宝は王城の宝物庫でしか見た事がありませんわ……」


「私めもですぞ……」


大量の財宝を前に全員でドン引きしつつも、俺達は神殿の最奥に辿り着く。


そして、そこに有ったのは……


「黄金の……十字架?……いや、杖か?」


「……あれは黄金杖 ゴールデンステッキ……メサイアはんの武器で、メサイアはん亡き今はメサイアはんの墓標になっとるんや……」

 

……黄金杖 ゴールデンステッキ……その神々しさは、何とも言えないものがあった。


「……そういや、何で異世界なのに宗教で十字架がシンボルになってんだ?」


「ん?……確か400年くらい前の勇者がこっちの世界に持ち込んだらしいで?……そっちの世界ではこれが宗教のシンボルなんやろ?」


「……宗教が持ち込まれてやがる……いや、もはやシンボルしか残ってねぇが……」


そこは異世界ファンタジーあるあるであってくれよ!


何で普通に持ち込んでんだよ!?


と、俺が内心で叫んだその時だった。


ーパ~ッ!


「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」


突然、ゴールデンステッキが光輝きだしたのだ。


更に、その直後……


ーパッ!……パチリ……


「……お、何とかギリギリ間に合ったのじゃ……という訳で、妾復活なのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」


ゴールデンステッキから出て来た光が集まり、1人の女性の形で実体化した。


その女性は青紫の長髪で、黒いシスター服を着用している人物だったのだが……


……俺は、この女性を知っていた。


「……メサイア……はん?」


そうして、かつてエルリスさんの悪友であったメサイア・エルレンデさんが……俺達の前に姿を現したのだった……

ご読了ありがとうございます。


メサイア、現世に帰還です!


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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