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73.エルリス対ドラゴン

赤盾竜レッドシールドドラゴン戦です。

(エルリス・フルウィール視点)


メサイアはんの墓が赤盾竜レッドシールドドラゴンに占拠されたと聞いたウチが最初に思たんは、やっぱりか~……って考えやった。


「ま、何も対策せぇへんかったウチもウチやけど……」


「……そういやエルリスさん、さっきメサイアさんの墓に財宝が有るとか言ってたが、この世界でも権力者の墓に副葬品として財宝を納める文化があるんだな……」


……トウシロウはん、好意的な解釈しとるとこ悪いんやけど……


「……ちゃうんよ……」


「え?」


「そんなええもんとちゃうんや……あれは、メサイアはんが死ぬ少し前にかき集めとった財宝を、そのまま墓にした無駄遣いの極みなんよ!」


「そ、そこまで言うか!?」


勿論、この世界にも副葬品の文化くらいある!


あるんやけど……


「普通、そういう副葬品を墓に入れるんは王族とか豪商とかで、逆に()()()()()()()()()()()()()んよ!」


「あっ……つまり、欲が無い事を表すためにか?」


「そういう事や。……せやから、メサイアはんの墓はあんまし良く思われとらん。……何せ、通称が"()()()()"やからな?」


「お、おう……」


トウシロウはんですら少し引いとる……


やっぱ、メサイアはんが生きとる間に止めるべきやったかな……


「まあええ。……ウチが言うのも何やけど、本物見たらもっとドン引くで?」


「まあ、魔物のワイですらドン引いたからな……」


「そ、そこまでなのか……」


何かもう、トウシロウはんが同じ様な感想しか言わんくなって来たわ……


「ほな、そろそろ行くで?」


「あ、分かった……」


何か知らへんけど、ウチが喋っとる相手トウシロウはんばっかやな……


何で他の皆は黙って聞いとるんや……


ま、別にええけど。


「……ハァ、何でウチがこんな事をせな……」


「俺からはドンマイとしか言えねぇな……」


「同情するんやったらウチにキスさせてぇな……」


「えぇっ!?」


「……冗談に決まっとるやろ……」


キスはしたいけど、したら未練が増えるだけ……


やったら、この恋は成就させへん方がええわ。


「何か、エルリスさんの本心が分からねぇよ……」


「お兄ちゃん……ドンマイ!」


「……満面の笑みで言うな!」


「トウシロウはんもアカネはんも、喧嘩するんやったら中でしてくれへんか?」


……とまあ、何やよう分からん兄妹喧嘩を繰り広げとるトウシロウはんとアカネはんを含むウチ以外のパーティーメンバー全員を馬車の中に入れて、ウチ等は先に進んだ。



ほんで数分後……


「……着いたで~。……ここが"黄金霊廟"が有る小島に1番近い海岸なんやけど……」


「ゴギャァァァァァァ!」


「……()るわ~……」


……"黄金霊廟"が有る小島に1番近い海岸に着いたウチが見たんは、小島の上空を旋回する赤盾竜レッドシールドドラゴンらしき影やった。


……後、そこそこ距離ある筈なんやけど鳴き声も聞こえて来とる……


「エルリスの嬢ちゃん、まずどないすんねん?」


「……取り敢えず、全員出て来てくれへん?」


ウチは早速全員を馬車の外に呼んで、対策を講じようとした。


せやけど……


「ゴギャァァァァァァァァァァァ!」


「っ!?……あかん!気付かれたわ!」


相手もウチ等に気付いたみたいで、物凄い勢いでこっちに向かって飛んで来とる!


「ちょいちょい、ワイがどないかしたろか?」


「いや無理やろ!……取り敢えずロウルはん優先で来てくれへんか!」


「ん?私めですかな?」


「せや!……今から敵の攻撃来るさかい、どうにか防御してくれへん!?」


丁度ええタイミングで馬車の外に来たロウルはんに対して、ウチは咄嗟に指示を飛ばす。


「うむ……分かりましたぞ!」


「ほな頼むで!」


「お任せを!」


ーガシャン……ガシャン……ガシャン……


「ゴギャァァァァァァァァァァァ!」


ーブンッ!


大盾を持って前に出たロウルはんに対抗する様に、飛来した赤盾竜レッドシールドドラゴンは尻尾を水平方向に振り回して来とった。


当然ロウルはんも大盾で防ごうとしたけど……


ーメキメキメキ……


「なっ!?」


ーヒュン!……ドゴォォォォォン!


「……ロウルはんが、ふっ飛んだ?」


赤盾竜レッドシールドドラゴンの尻尾による一撃を大盾で受けたロウルはんやったけど、次の瞬間にはロウルはんは真横にふっ飛んどった。


しかも、その直後には……


「……ナンダ……ソノテイドデ……オイラニ……イドンダノカ……」


「やっぱ喋るよな~……でも、一人称が"おいら"って事は比較的若い個体やな……」


喋れる(ドラゴン)の年齢を推測するにあたって重要になるんは、その一人称。


歳を重ねた(ドラゴン)は一人称も威厳のあるもんになるんやけど、比較的若い個体は"おいら"を始めとした威厳が感じれへん一人称を使う性質がある。


もし、これが比較的若い個体なら勝てるわ。


「い……いてて……ん?……私めの大盾がぁぁぁ~!」


「まさかとは思うけど、壊れたんか~!」


「そのまさかですぞぉぉぉぉぉ!」


多分、ミノガルとの攻防で既に限界寸前やったんやろうけど……ロウルはんの大盾が壊れたんは今後を考えるとキツいなぁ~。


「フン……コンドハ……オマエダ!」


「あ~……話聞いてくれへん?」


「キカン!」


「せやったら、馬車から離れてから戦い始めてもええか?」


「……イイダロウ……」


もしこの馬車が攻撃されたら最悪やから、ウチはそのまま馬車から離れる。


……他の皆は、ロウルはんがふっ飛ばされたん見て出るべきか迷ってるみたいやし、ここはウチがパ~ッと勝ってやるわ!


「ふぅ……【神速】や!」


ーバビュン!


「ナニ!?」


ウチは【神速】で、赤盾竜レッドシールドドラゴンを翻弄する。


ウチも本物見るんは105年ぶりやけど、やっぱり鱗がえげつないわ。


特に前足と翼の鱗はほんまに盾みたいやし、それ以外の鱗も並みの魔物より硬い。


でも、同時に明確な弱点も存在しとる。


「こいつ相手に長期戦はマズいわ。……となると、当然短期決戦やわな!」


ーバビュン!


「チョコマカト……ツブレロ!」


ードシィィィン!


「……うん、やっぱ遅いわ……」


ーバビュン!


「ウググ……」


【神速】で相手をひたすら惑わせ続けて疲弊させる。


卑怯かもしれへんけど、これがウチの最善手や!


「もうそろそろやな~……」


「イイカゲンニ……シロォォォォォ!」


ーボォォォォォォォ!


「んっ!?……やっぱ火も吐いて来たか……」


一応警戒しとったからよけれたけど、今の攻撃はヤバかったな……


……ま、問題はあらへんし、何なら相手側に隙が出来たんやけどな!


「マダマダ!」


「いいや、これで終わりや!」


ーパカッ!……ポイッ!


ウチは火を吐こうとしとる赤盾竜レッドシールドドラゴンの口を狙って、【次元収納】に繋がっとる背中の木箱から出した物体を投げつけた。


ほんで……


ーパリン!


「ン?……ナンダコ……ウギャァァァァァァァ!?」


ウチが投げつけた物体が赤盾竜レッドシールドドラゴンの顔面に当たって割れた瞬間、赤盾竜レッドシールドドラゴンがいきなり喚き出した。


「遠方から取り寄せた世界一辛いっちゅう香辛料やら何やらを混ぜ合わせて、それを拳サイズの割れやすい壺に入れて作った……使い捨て武器や!」


「お兄ちゃん……あれ、私達の世界で言ったら催涙弾(・・・)みたいな物だよね……」


「……まあ、エルリスさんも咄嗟に武器名が出て来なかった辺り、この世界に催涙ガスを用いた武器は無いんだろうが……」


「お、ええ事聞いたで!」


ウチが作った武器にええ名前が思い浮かばへんかったけど、催涙弾っちゅう別世界の武器に似とるらしいわ。


とは言っても、取り敢えず武器名は後回しや!


「カライ!シビレル!ナミダガトマラァァァン!」


「……話聞いてくれるんやったら元に戻したるけど、どないする?」


「キク!……オイラ、ハナシキキマス!」


「素直な子はええで~。」


こうしてウチは短時間で赤盾竜レッドシールドドラゴンを行動不能にして、赤盾竜レッドシールドドラゴンをウチ等と同じ説得のテーブルに引き摺り込んだんやった……

ご読了ありがとうございます。


単独時のエルリスは基本的に、【神速】と小道具を用いた戦い方をします。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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