69.王子とチャラ男 救出
……主人公よりもキャラ濃い2人の過去も、この話を入れて残るは2話となりました!
(金村 正義視点)
「金村 正義だァ?……悪い事は言わねぇ、さっさとこの場から立ち去……」
「……津山チャン、丸川チャン、杉森チャンの3人とそれぞれのチームの皆は、周りの適当なゴロツキを頼んだっしょ!」
「おう!」
「ケケケ!」
「あいよ!」
俺チャンはこの計画に協力してくれた鬼不山高校四天王の他3人にゴロツキの処理を頼むと、3人は躊躇なく承諾してくれた。
「おい、あれって鬼不山高校の不良共じゃ……」
「あの巨漢、"剛腕の津山"だぞ……」
「横の小僧は"俊敏の丸川"だ!」
「あっちの坊主は"耐久の杉森"……確か、あの3人って仲が悪い筈じゃ……」
ま、それはそう。
あの3人、いつも喧嘩してるし……
でも、今回は例外だ。
「ふぅ~……お前達は、正義の友人を拐った……」
「ケケケ!……俺達が協力する理由なんて、それで充分だぜ!」
「この3グループでは一時休戦、敵は大蔵山 義泥の雇ったゴロツキ共だ!」
……3人それぞれと友好関係を結び、他のグループとも懇意にしている事は予め打ち明けていたため、3人の協力はスムーズに進んだ。
「ひぃっ!?……す、進め!」
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」」」
こうして大蔵山 義泥の雇ったゴロツキ共と、俺チャン率いる鬼不山連合軍の戦いが幕を開けた。
「ふん!」
ードンッ!
「ひいっ!?たった一撃で人がぶっ飛んだ!?」
津山チャンはじゃんじゃんゴロツキをぶっ飛ばし……
「ケケケ!」
ードンッ!ドンッ!ドンッ!
「あ、あんな素早く急所を……」
丸川チャンは素早くゴロツキ共の急所を狙い……
「食らえ!」
ードンッ!
「このっ!」
ードンッ!
「ひぃっ!」
ードンッ!
「……効かねぇな……」
ーゴキッ……ゴキッ……
「「「「は、ハァァァ!?」」」」
杉森チャンはゴロツキ共の攻撃を食らいまくってもピンピンしてた……
「さて……どっちが優勢かは、わざわざ言うまでもないっしょ?」
「だ、黙れ!……おい南津実、俺様はこれからあいつ潰してくるから……そいつ見とけ!」
「わ、分かったさね!……さて、まあこっちも適当に潰しておくかね……」
司チャンを彼女らしき女性に任せて、義泥が少しずつ歩み寄って来る。
「良いっしょ!……俺チャン、義泥とやらの相手をしてやるっしょ!」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!……お前みてぇなチャラ男に負ける程、俺様はヤワじゃ……」
「喋り過ぎだし、無警戒で間合い入るってどういう神経っしょ?」
「俺様が喋ってる途中だろうがァァァ!」
ーチャキン……
俺チャンに喋りを邪魔された義泥とやらは激昂して刃物を出すと、俺チャンにその刃物を突き付けて……
「ま、当たらないっしょ!」
ースカッ……ガシッ!
「へ?」
俺チャンは突き出された刃物を上手くかわすと、その腕を握って俺チャンの肩に乗せ、背中を向いて……
「背負い投げっしょ!」
「うおっ!?」
ードシィィィ~ン!
「いっちょあがりっしょ!」
「ぐ、ぐへ……」
割とあっさり義泥を背負い投げで処理した俺チャン。
すぐに司チャンを見ると……
「ぎ、義泥が負けた!?……だったら、せめてこいつだけでもやってやるさね!」
ーチャキン!
「ちょいちょいちょい!?」
義泥の彼女……確か南津実と呼ばれていた女性は、刃物を出して司チャンを傷付けようとした。
でも……
ースカッ……
「ふむ、この程度でボクを傷付けようとは……片腹痛いね……」
よく見ると司チャンは両手を縛られてたのに、何故か南津実の攻撃を避けた。
「なっ!?どうなってんだ!?」
「まさか、ボクの両手を縛った程度で攻撃が当たるとでも?……体は動くから避けれるし、何より……」
ーブンッ!……パンッ!……カランカラン……
「足で刃物を持った手を蹴るくらい、どうって事ないのさ!」
司チャンは南津実の手を蹴って、持っていた刃物を落とさせた。
「……さあ、これで終わりさ!」
「う、うぅぅ……でも、これでお前達の方こそ終わりだね!何せ、大蔵山家を敵に回して無事じゃ……」
「いいや。……今回の件、色々と証拠を録らせて貰ったっしょ!」
「ハァ!?……い、いつの間に……」
「へい、これがその動画ですぜ!」
俺チャンは後ろに居た舎弟のスマホを受け取ると、録画していた映像を見る。
「うんうん。……誘拐に障害未遂の証拠映像っしょ!」
「馬鹿言え、障害未遂に関しては正当防衛だろ!」
「うん、別にそれでも良いっしょ。……それはそれとして、何か司チャンから聞いたんだけど……その南津実って女性が、例の盗まれた下着持ってるっしょ?」
「ハァ?そんなの証拠が……」
「……俺チャン、親父が警察なんしょ。……だから、ちょいと電話すれば……」
ープルルルルル……ガチャ……
『はい!』
「そっちはどうだったっしょ?」
『ええ。……情報が大蔵山 義泥の彼女というものしかなかったので難航しましたが、調査したところ門田 南津実という女性が見つかりまして……』
「で?」
『流石に押し入り捜査は出来ませんでしたが、思ったより親がマトモな方でして……大蔵山家が絡んでいる情報を伏せて探していただいたところ、確かに発見されました!』
「なっ……そんな筈はねぇ!あの下着は、私が未だに荷物の中に隠してるは……ず……」
「……自供、いただいたっしょ!」
……やっぱり、こんな古典的な罠でもかかる奴が居るってのは凄い。
「まさか、今の電話……」
「嘘に決まってるっしょ。……ま、少しリアリティーも入れてみたっしょ!」
押し入り捜査が出来ない、親も協力した、といういかにもな情報を混ぜれば、マトモな人は信じなくても、こういうタイプの奴等は案外騙せる。
「……ふむ、なかなかやるね……」
『あ、ちゃんと騙せました?いや~、いくら私が本物の警察官だからって、こんな演技させないでくださいよ~!』
「ハァ?本物?」
「……内容は嘘だけど、相手は本物の警察……ま、親父の部下っしょ!」
「そ、そんな……」
あ、絶望してる所悪いけど、まだ俺チャンの仕掛けは終わってない。
ーウゥゥゥ~!ウゥゥゥ~!
「ぱ、パトカー!?」
「……予め通報しておいたっしょ。……ま、流石にここまでやったら俺チャン達も無罪放免とはいかないけど……どっちの罪が重くなるか、見物っしょ!」
「ハッ!何を言ってんのさ!義泥が居る限り、どうにかなるに決まって……」
「いや、俺様も警察だけは駄目なんだよォ!……何故かこの辺を担当してる警察署の署長は、親父の命令を無視しまくってるのに警察内外に味方が多いから、もうどうにもならねぇんだよォ!」
「ハァ?……じゃあ、私達は……」
「……そういや、その警察署長の名前は確か……金村 清一郎……まさか、お前の親父って……」
「そのまさかっしょ!……後、この廃工場はヤバい事に使われまくってるらしいけど……何か、見つかるかもしれないっしょ!」
「あ、あは……あはははは……俺様達、もう終わりだァァァァァ!」
「う、嘘だと言ってよ!義泥ぃぃぃ!」
「抵抗するな、警察だ!……って、これはどういう状況か聞いても良いか?」
「勿論っしょ。」
こうして俺チャン達は全員警察に連れてかれた。
とはいえ、司チャンは保護扱いだし、俺チャン達鬼不山連合軍も何とか厳重注意で済んだ。
ただ、義泥や南津実やゴロツキ共はそうもいかなかった上にあの廃工場からヤバい物がわんさか見つかったらしく、義泥の親の大蔵山 蒼泰に逮捕状が出される事態にまで発展したのだった……
ご読了ありがとうございます。
作者は自分より頭の良いキャラは作れないので、色々とガバいと思いますが、どうかご容赦ください。
気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。
後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。