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57.タルコス防衛戦 賢馬

……もっと上手くなりたい!

(??視点)


「……あたちを救うとか、言ってくれるピョンね……」


ここは深い迷宮の中。


あたちは迷宮の魔物の一種、ダークトレントの根に捕らえられた状態で捕まっていたピョン。


なんて、改めて自分の境遇を思い返してたら……


「……まさか、また分身体を1体失う事になるとは思いませんでしたピョン。」


「ふん、良いザマだピョン。」


「……あまり調子に乗らない事ですピョン。貴女さえ手中に収めてしまえば、私は最強の要塞に……」


「そんな事、あたちが絶対に許さないピョン!」


このラビリンスとかいう意思ある迷宮核(ダンジョンコア)に、あたちの全てを奪われる訳には行かないピョン!


「既に貴女のワンダーランドは無いというのに……強情ですピョンね。」


「……それが、悲劇を更に生み出して良い理由にはならないピョン!」


「……ラビィネル(・・・・・)、まさか勇者アカネのあの言葉を鵜呑みにしたとか言いませんピョンよね?」


「したって言ったらどうするピョン?」


「……チッ、貴女を消して解決すれば手っ取り早いんですピョンけどね~。」


「あたちが未だにワンダーランドの最終管理システムである以上、殺せばここは崩壊するピョン。」


「ええ、だから困ってるんですピョン。」


……自害は、何度も考えましたピョン。


ただ、殺されるならまだしも自害はワンダーランドから権限の譲渡と捉えられてもおかしくないピョン。


だから、あたちは死ぬことも出来ず、大人しく幽閉されてるしか出来ない訳ピョン。


「……とにかく、あたちの心はまだ全然折れてないピョン!」


「ええ、良いですピョン。それならそれで、タルコス陥落の報せでも待ちますピョン。……少なくとも、あの技で勇者アカネは戦闘不能、もうミノガルとバーバを倒せる人材は居ませんピョン!」


「それはどうピョンかね。」


「ピョン?」


人間の可能性は無限大。


いつか、迷都 ラビリンスに成り果ててしまったこのワンダーランドを復活させてくれる人材が居る事を、私は祈るピョン……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(メアリー・ズンダルク・レブラトラ視点)


「今の……雷鳴……ラビリンスが……やられたか……」


「……分身体でなければ、素直に喜べましたのに……」


……どうも、誰かがラビリンスの分身体を討ち倒してくれたようですわね。


ですが、こちらはそうも行きませんわ。


「では……我もそろそろ……本気で行くか……」


「へ?」


目の前に居る黒いローブを羽織った痩せこけて不気味なケンタウロスの男……


賢馬将軍 バーバは、何かを企んでいる様子で……


「出でよ……」


ーブワンブワンブワンブワンブワンブワン……


「なっ……」


「これを……避けられるか?……」


バーバの背後に多数の魔法陣が出現しましたわ。


早く、【解析(アナライズ)】で……


「【地獄の業火(インフェルノ)】に【地獄の氷結(コキュートス)】、【裁きの雷撃(ジャッジメント)】に【破滅の洪水(グレートフラッド)】……何て事ですの……」


現れた魔法陣全てが強大な魔法……


……でも、やるしかありませんわ!


「それなら私も……【地獄の業火(インフェルノ)】、【地獄の氷結(コキュートス)】、【裁きの雷撃(ジャッジメント)】、【破滅の洪水(グレートフラッド)】ですわ!」


後ろの2つは未だに上手く扱えていませんが、使わざるを得ませんわね……


地獄の業火(インフェルノ)】には【破滅の洪水(グレートフラッド)


地獄の氷結(コキュートス)】には【地獄の業火(インフェルノ)


裁きの雷撃(ジャッジメント)】には同じく【裁きの雷撃(ジャッジメント)


破滅の洪水(グレートフラッド)】には【地獄の氷結(コキュートス)


……この組み合わせで、何とか相殺いたしますわ!


「ふむ……では……徹底的に心を折るか……」


「そのためにわざわざ待ったんですの?……分かってはいましたが、性格悪いですわね……」


わざわざ私の心を折るために魔法を撃つのを待つとは、やはり性格は悪いですわね……


「……行くぞ……」


「ええ、望むところですわ!」


ーボォォォォォォォォォォォォォ!


ーピキピキピキピキ……


ードンガラガッシャァァァン!


ードバドバドババァァァァァァァァ!


全ての魔法が撃ち出され、お互いの魔法が衝突しましたわ。


ードバピキバチボォォォドバピキバチボォォォ


ですが、やはり実力差は目に見えておりまして……


「……ほれ……左が……疎かだぞ?……」


ーボォォォォォォォォォォォォォ!


「【破滅の洪水(グレートフラッド)】ですわ!」


ードバドバドバババァァァァァァ!


「ほう……防ぐか……」


「こ、こいつ……わざと手加減して心を折りに来てますわね……」


恐らく、これは相手を下に見ての慢心ではありませんわね。


寧ろ逆。


最初から本気を出せば、相手を逃がしかねない。


なら、最初は相手のレベルに合わせつつ少しずつ本気を出していく……


相手が気付いた時には、もう逃げられない……


これが、バーバの手なのですわね?


「ほれ……次は……右だ……」


ーピキピキピキピキ……


「【地獄の業火(インフェルノ)】ですわ!」


ーボォォォォォォォォォォォォォ!


「なら……次は……上だな……」


ードンガラガッシャァァァァァァン!


「【裁きの雷撃(ジャッジメント)】ですわ!」


ードンガラガッシャァァァァァァン!


「ほう……やはり早い……」


……今は何とか対応出来ておりますが、このままではバーバのペースですわね……


「……そもそも、どうして無詠唱でこんな強力な魔法を多数使えているんですの!?」


「ふむ……我の……スキル……【無詠唱】と……【多重詠唱】の……合わせ技だ……」


「つまり、魔法の【多重詠唱】を【無詠唱】で放っているという事……頭が痛くなって来ましたわ……」


「なら……次は……斜め右だ……」


ードバドバドバババァァァァァァ!


「【地獄の氷結(コキュートス)】ですわ!」


ーピキピキピキピキ……パリ~ン!


「……さて……そろそろ……魔力切れでは……ないか?」


「はっ……」


マズいですわ……


ただでさえ飛行魔法で浮いているのに、そこに大量の強力な魔法を撃ってれいれば、当然トウシロウの支援があっても魔力切れは起きますわよね……


……後、使える魔力はどれくらい残っているか……


「ここまで……減らせば……逃げの……心配もないか……」


「な、何を言って……」


「……ほれ……」


ーブワンブワンブワンブワンブワンブワンブワン……


「そ、そんな……」


「さあ……絶望……せよ……」


また、大量の魔法陣がバーバの背後に……


ええい、もうどうにでもなれですわ!


「【地獄の業火(インフェルノ)】に【地獄の氷結(コキュートス)】、【裁きの雷撃(ジャッジメント)】に【破滅の洪水(グレートフラッド)】ですわ!」


「発射……」


「発射ですわ!」


ーボォォォォォォォォォォォォォ!


ーピキピキピキピキピキピキピキ……


ードンガラガッシャァァァァァァン!


ードバドバドバババァァァァァァン!


お互いの魔法が、再び衝突。


そして、その結果は……


ードバピキバチボォォォドバピキバチボォォォ!


「ふむ……」


「くっ……」


……私の方が劣勢でしたわ。


「……さて……では……もう少し……やるか……」


「ハァ……ハァ……もう、限界ですわ……」


魔力も脳の負荷も……私は既に限界を迎えかけておりましたわ。


でも……それで諦めてなるものですか!


と、私が決意したその瞬間でしたわ……






ーピタッ……


「……ええ、その意気ですわよ。……過去の私(・・・・)。」


「え?」


……突然、周囲の動きが止まって……目の前に、私そっくりの女性が浮いておりましたの。


「おっほっほ……訳が分からない、といった様子ですわね。」


「……貴女、何者ですの!?まさかバーバの仲……」


「魔王軍の仲間ではありませんわ。……まあ、分かりやすく言えば、私は未来の貴女。」


「ハァ?何を言っ……」


「私は、過去を変えに来ましたの。」


「……どういう事ですの?」


過去を変えに来たですって?


何を世迷い言を……


「……このまま戦闘が続けば、やがてバーバはミノガルの援護も始めますわ。で、劣勢になった私とロウルを助けるために、トウシロウは【無制限の愛(アンリミテッド・ラブ)】を発動しますの。」


「それがどう過去を変える事に……」


「……耐え切れなかった(・・・・・・・・)んですの。」


「え?」


耐え切れなかったですって?


いったい、何が何に……


「……あの時点で2人分(・・・)の【無制限の愛(アンリミテッド・ラブ)】を発動して、その痛みを共有する……ナフリーや私だけにそれぞれ使った時ですらショック死寸前まで行ったのに、それを2人分なんて……」


「……まさか、トウシロウが?」


まさに、それは最悪のシナリオ……


まさか、そんな筈は……


しかし……


「だから、私は変えに来たんですの。……トウシロウが死ぬ未来を変えるために……」


結局、未来の私を名乗る女は静かにそう呟いたのでしたわ……

ご読了ありがとうございます。


バーバは正攻法で勝つのは殆んど無理です。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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