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46.甘々を目指して

やっぱり、会話パートのみだとただでさえ拙い文章が更に拙くなります……

(浅山 藤四郎視点)


入院生活4日目……


「……入院生活も今日で4日目か……」


「あら、私はこの生活もなかなか良いものだと思っておりますわよ?」


「生憎、俺はそうも行かねぇんだよ……」


どうでも良い俺の独り言に反応したメアリーと会話しつつ、俺はふと考える。


というのもこの4日間、メアリーと恋人らしい会話をしていなかったのだ。


「ん?どうしましたの?」


「……なあメアリー、たまには恋人らしい会話でもしねぇか?」


「恋人らしい……って、どんな会話ですの?」


「えっ、あ~……メアリー、今日も可愛いな。」


「まあ、そうですわね。……これでもまだ王族ですから、容姿には気をつけておりますわ。」


「……何か違う。」


「え?」


俺が見てぇのは可愛いと言われて喜ぶメアリーであって、さも当然の様に受け入れるメアリーじゃねぇんだよな~……


「もっとこう、可愛く出来ねぇか?」


「……可愛い方が好きですの?」


「いや、そういう訳じゃねぇけど……恋人らしいってそういう事じゃねぇか?」


「そういうものですの?」


「……それが分かれば苦労しねぇよ……」


結局、俺はどこまで行っても元の世界では恋人の居なかった人間だ。


いくらこっちの世界でナフリーと付き合ったからといって、恋愛に対して詳しくなった訳じゃねぇ。


「……といいますか、それならナフリーとはどうしてるんですの?」


「ナフリー?……ナフリーは元々可愛い上に、俺が可愛いと言ったら普通に喜ぶからな……」


「……つまり、先程の会話で上手く行くのですわね?」


「まあ、そうだが……」


だからこそ、メアリーが当然の如く受け入れた瞬間に瓦解した。


……いや、案外瓦解してねぇかもな。


「メアリー、蟲毒の迷宮ではよく頑張ったな。」


「……いきなり何を言ってるんですの?」


「いや、外見じゃなくて中身や行動を褒めたらどうかと思ったんだが……」


「だとしても、脈絡が無さ過ぎますわ。」


「だよな……」


メアリーと甘々な恋人生活を過ごすのは、予想以上に大変そうだな……


「そもそも、私とトウシロウが恋人らしい事をする必要ってありますの?」


「いや、恋人なんだからあるに決まってるだろ!」


「そうは言いますけど、そもそも私達がお互いを好きになった理由って何ですの?」


「好きになった理由?……どこまでも理想論でしかない信念を持ちながらも、それをどうにか実現しようとしている……頑張り屋なところだな。」


「……理想論で悪かったですわね!」


「いや……理想論は理想論でも、実現不可能って訳じゃねぇ。ただ、王家の人間としてはどうかってだけで……」


「ですから、王族としての地位を返上して臣籍に下るなり平民になるなりすると言ってますわよね?」


「……そこでそんな決断が出来るくらい、信念に対して真っ直ぐな部分が好きになったんだよ。」


……メアリーは、関わった罪無き者全てを見捨てないという信念を、王家を辞めてまで叶えようとしている。


最初は馬鹿なのかと思っていたが、蟲毒の迷宮で散々喧嘩してた俺すら助けようとしたのを見て、俺はメアリーが好きだった事を自覚した。


「そ、そんなの当然ですわ!」


「で、確かメアリーが俺を好きな理由は……」


「何でも本音で言い争えるから、ですわ。」


「……それで好きになるのも大概だけどな。」


そもそも、俺とメアリーは険悪ではあったが、言い争いをした回数ってそこまでないような気が……


「良いじゃないですの!……誰が何と言おうと、私はトウシロウが好きなのですから……」


「……そうか。」


「そうですわよ?」


……うん、もう俺から言える事は何もねぇ。


「……で、お互いの好きな点が分かったから何だって言うんだ?」


「ええ。……つまり、この理由で好きになった私達に甘い雰囲気が必要かと思いまして……」


「必要だろ。」


「ですが、かなり難しそうですわね……」


まあ、お互いの理由が理由なんで、甘い雰囲気とか無理な話だよな……


「あ~、この話はこの辺りで終えた方が無難っぽいかもしれねぇな。……という訳で、今後も宜しく頼むぞ。」


「分かっておりますわよ。……ただ、もう2度とあんな真似はしないで欲しいですわ。」


「あはは……善処はする。」


多分、俺はいつかまた同じ事をする。


だが、それは"誰かを守りたい"なんて高尚な理由じゃねぇ。


……自分が庇わなかったせいで守れなかった、なんて思いたくねぇんだ。


「……所詮、自分が罪悪感に苛まれねぇためでしかねぇんだよ……」


「ん?何か言いましたの?」


「いや、何でもねぇ。」


全ては、俺が罪悪感に苛まれねぇため。


とはいえ、以前の俺はそれだけのために死の一歩手前まで行くなんてキャラじゃなかった筈だが……


やはり、タブルドによる王都侵攻時に【無制限の愛(アンリミテッド・ラブ)】を発動させてから、どうにも自分の命の価値を軽く感じる気がする。


と、このタイミングで……


「ご主人様~!メアリー第二王女殿下~!お見舞いに来させていただきましたニャン!」


「お、ナフリーか。」


「ナフリー、よく来ましたわね。」


ナフリーが、俺とメアリーのお見舞いにやって来た。


「あ、ご主人様。……先程、担当医のお方に聞いたのですが、どうもご主人様は明日には退院出来るそうですニャン。」


「あ、そうなのか……で、メアリーは?」


「それが……メアリー第二王女殿下は傷こそ回復してますニャンが、魔力回路が回復し切ってないのでまだ入院が必要との事ですニャン。」


「……まあ、何となく分かっておりましたわ。」


俺が明日には退院出来る一方、メアリーはまだ入院が必要との事だった。


……何か、嫌だな。


「なあ、メアリー。……さっきの恋人らしい事だが、やってないもので今すぐ出来る事があるぞ?」


「……一応聞いてみますわ。」


……この4日間は、隣のベッドのメアリーと他愛もない雑談をして楽しんだっけな……


だが、当分はお見舞いでしか会えないと考えると、途端に名残惜しくなって来る。


だから、俺はここで勝負に出る。


「ずばり……キス、してみないか?」


「え?」


ーカ~ッ……


「あ、メアリー第二王女殿下の顔が赤くなってますニャン……」


俺がメアリーにキスを提案すると、メアリーは顔を真っ赤に染めて黙り込んでしまった。


「あ、何かすまん……」


「べ、べべべべべべべべべ別にききききききき気にしてはおおおおおおおおりませんわ!」


「いや、絵に描いた様な動揺してるじゃねぇか……」


メアリー、意外とこういうところがあるのがまた可愛いんだよな~。


……まあ、それはそれとして……


「……メアリー第二王女殿下、本当にご主人様に惚れ込んでますニャンね……」


「か、かかかかかかか勘違いしないで欲しいわ!」


「じゃあ、好きじゃないですニャンか?」


「す、好きですわ!……ですが、所詮私はトウシロウにとって2人目の恋人……とても愛されるとは……」


「……あたしも、まさか2人目でメアリー第二王女殿下が来るとは思いもしませんでしたニャンよ……」


「ナフリー、その件は本当に悪かった。……で、メアリーは俺とキスするのか?」


「し、ししししししししますわよ!」


さっきからメアリーがバグってる。


これ、マジでどうにかならねぇのか?


「じゃ、今からそっちに行くぞ?」


ーガサゴソ……


「き、きききききききキス……わ、わわわわわわわわわ私のファーストキスをさ、さささささ捧げますわ!」


「おい、メアリー。……バグってるところ悪いが、キスさせて貰うぞ?」


「えっ……」


俺はメアリーがバグってる内にメアリーのベッドに腰を下ろし、唇をメアリーの唇に近付けて……


「……ちゅっ。」


「んんっ!?」


「あっ……」


こうして、俺とメアリーはキスをした。


特に、メアリーにとっては初めてのキスだ。


当然、感想は気になる訳で……


「ぷはっ……メアリー、どうだった?」


「……きゅ~……」


ードサッ……


「メアリー!?」


「メアリー第二王女殿下!?」


……よほどキスの刺激が強過ぎたのか、メアリーは気絶してしまった。


こうして俺とメアリーのキスは、気絶してしまったメアリーを俺とナフリーで介抱する結果となってしまったのだった……

ご読了ありがとうございます。


……ああ、全然文章が上手く書けない……


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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