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41.蟲毒の迷宮 防衛

現在、筆が乗りに乗ってます。


……面白いかは分かりませんが!

(浅山 茜視点)


「うん、両手に花でウハウハだ~!」


「アカネ様、興奮してますニャンね……」


「アカネ殿、正気にお戻りください。」


む、これでも正気なんだけど!?


「……正気だよ?」


「だとしたら余計に恐怖ですニャン。」


「この迷宮でそんな考えが出来るとは……アカネ殿が羨ましいですな。」


「……思うところはあるけど、先に進もっか。」


今、私達はとにかく迷宮を進んでいた。


「グシャァァァァ!」


勿論、途中で何度も虫系魔物が襲って来たけど……


「ふん!」


ーブチュ!


……ロウルさんのお陰で難を逃れてた。


「……申し訳ございませんニャン。あたしは役に立てなくて……」


「お兄ちゃんのバフが無いから仕方ないよ。」


「そうですな。……とはいえ、ナフリー殿のポテンシャルは一流ですぞ!」


「今、役に立てなきゃ意味ないのですニャン……こんな時、ご主人様が居てくれたら……」


……もうナフリーちゃんはお兄ちゃん無しじゃ生きてけない体と精神になっちゃってない?


依存は怖いよ?


「あ、そういえばナフリーちゃん。従魔は……」


「連れて来てませんニャン。……ネズさんもヘビーさんも、戦闘は無理ですニャンから。」


「あ~……確かに、使えても密偵だよね。」


「ふむ、となると今の戦力は……」


「私とロウルさん。……でも、私はやり過ぎるから、迷宮が崩壊しちゃうかも……」


「……私めが頑張るしかない、と……」


ロウルさんには悪いけど、極限まで私は出ない。


ロウルさん頼みだ。


「……ん?何かこの先から嫌な気配がするんだけど、気のせいかな?」


「いや、あたしも感じますニャン。……でも、嫌というより強者が居るって感じですニャン。」


「私めもナフリー殿と同じですな。」


「そう?」


嫌な予感ではなく、強者……


何か、違いがあるのかな?


「とにかく、先に進む?」


「あたしは行きますニャン!」


「私めも行きます。」


「じゃ、決まりだね。」


こうして私達は、強者の気配がする方向へひたすら足を進めた。


そして、その先で私達が見たのは……


「「「「「グシャァァァァ!」」」」」


「「「「「キチキチキチ……」」」」」


「「「「「カチカチカチ……」」」」」


「「「「「ゲコォォォォォ!」」」」」


これまでの通路よりも何倍も広く、様々な方向に道が繋がっている空間で、フォレストタランチュラ、ブラッディマンティス、ダークドラゴンフライ、ジャイアントトードの大群が、何かに群がっている光景だった。


「え、何あれ……」


「多分、それだけ群がられてる"何か"が脅威なんですニャン。……食物連鎖を無視してでも、仕留めたいんでしょうニャン。」


「そうですな。……ここは、ひとまず無視するのが得策かと私めは思いますな。」


こうして私達は、魔物の大群を無視する事にした。


……筈だった。


「ニャン?……何か、聞こえませんニャンか?」


「ん?私は何も……」


「私めも聞こえませんな。」


突然、ナフリーちゃんが何かの音を聞いたと訴える。


と、その直後……


「キュウゥゥゥゥゥ!」


ーバビューン!……ドーン!


「キチッ……」


「グシャ……」


「ゲコッ……」


「カチ……」


ードシーン!


「ニャン!?」


「えっ!?」


「何ですと!?」


突然、大群の中央から砲撃の様な魔力弾が発射されたかと思うと、群がっていた魔物達の何割かが吹き飛ばされ、事切れていた。


「……大きな……カブトムシ?」


「キャノンビートル……の長命による特殊個体ですかな?」


魔物の大群に群がられてた魔物は、角の先に大砲の様な大穴が空いた、巨大なカブトムシだった。


ロウルさんによると、あれはキャノンビートルって魔物の特殊個体らしいけど……


「でも、そんな魔物の討伐依頼なんて無かったよ?」


「キャノンビートルは、少量の樹液を餌にしつつ平時は殆んど動かずに過ごす温厚な魔物ですからな。……人間にも友好的で、討伐の必要性がない珍しい魔物として有名ですよ。」


「そ、そうなの……」


キャノンビートルは友好的……


そんな魔物も居るんだね……


「……だからこそ、他の魔物にとっては脅威なのでしょう。餌が少ない故に殆んど行動しませんが、先程の様な攻撃能力も持ち合わせている以上は無視も出来ないでしょうし……」


「でも、あの攻撃もだいぶエネルギー食いそうだけど?」


「はい。なのでキャノンビートルは滅多な事では砲撃をいたしません。……砲撃するとしたら、それは命の危険が迫っている時でしょうしな。」


よく見ると、この部屋には何体もの虫系魔物の死骸やジャイアントトードの死体が転がっていた。


多分、長い時間抵抗してたんだろうけど……


「「「「「「グシャァァァァ!」」」」」」


「「「「「「キチキチキチ……」」」」」」


「「「「「「カチカチカチ……」」」」」」


「「「「「「ゲコォォォォォ!」」」」」」


悲しいかな、魔物は減らしたそばからどんどん集まって来る。


そりゃ、あの森にこんないっぱい魔物が居たのだとしたら試験の内容も納得しちゃうし、明らかに個体数が減ってるって分かるよね……


と、その時……


「……あのキャノンビートル、ひたすら助けを求めてますニャン……」


「え?」


「そうなのですか?」


突然、ナフリーちゃんがキャノンビートルの心情と思われるものを通訳した。


「はい。……何となくですニャンけど、そういう意思を叫んでますニャン……」


「……なるほどね。」


「キャノンビートルも限界、という訳ですな。」


勿論、私達にキャノンビートルを助ける義理はない。


でも、キャノンビートルの声を聞いたナフリーちゃんの表情は何となく曇ってて……


「……ナフリーちゃん、助けたい?」


「ニャン!?……でも、そんな事をする義理はないですニャン……」


「……あるよ。だって、ナフリーちゃんがそれを望んでるんだもん。」


お兄ちゃんの可愛い彼女が望んでるなら、義妹としては叶えてあげたくなるよ。


「私めも、ナフリー殿の意向に従いますぞ。……そもそも、あんな大群との戦闘は楽しそうではございませぬか!」


「……こんな時でもロウルさんは脳筋だよね……」


「……アカネ様、ロウル様、ありがとうございますニャン。」


多分、これがゲームならキャノンビートルがボス格なんだろうけど……今回は、そのキャノンビートルを守るタイプの防衛戦になるっぽいね。


「……じゃあ、あたしが先にキャノンビートルに接触しますニャンから、お二人はあたしの援護を頼みますニャン!」


「賛成~!」


「承知しましたぞ!」


そうしてナフリーちゃんは一目散にキャノンビートルへと突っ込み、後ろから私達が援護する事となった。


とはいえ、魔物の殆んどはキャノンビートルに集中しており、ナフリーちゃんは敵に攻撃される事なく大群の近くまで接近した。


そして……


「頼みますニャン!」


「OK!……【戦乙女(ワルキューレ)】の神器12番、【蒼天の翼】!」


ーバサッ!……バサッ……バサッ……


私は【蒼天の翼】を背中に生やし、空中からキャノンビートルの少し前方までを狙って……


「今ですニャン!」


「【戦乙女(ワルキューレ)】の神器15番、【破魔の剣】!」


ーブンッ!……ドーン!


「「グシャァ!?」」


「「カチカチ!?」」


「「キチキチ!?」」


「「ゲコォォ!?」」


キャノンビートル直前で大量に斬られ爆破された魔物達を見て、残りの魔物達も慌てふためく。


その隙に……


「ニャン!……助けに来ましたニャン!」


「キュウ?」


「ええ……あたし達は、決して貴方の敵ではありませんニャン。」


「キュウ~。」


ナフリーちゃんは、キャノンビートルに敵意が無いことを伝え、そっと角を撫でる。


同時に、キャノンビートルもナフリーちゃんへの警戒を解いたっぽい。


説得は成功、かな。


ースタッ……


「……ナフリーちゃん、まだ終わりじゃないよ!」


ーブチュブチュブチュ……


「……どんどん何処かから湧いて来ますな。」


魔物を潰しながら進軍して来たロウルさんも合流し、私達は再度3人で集合した。


「では……カブお爺様防衛戦、始めますニャン!」


「ん?カブお爺様!?」


「ナフリー殿、もう名前を付けられたのですか……」


「……申し訳ございませんニャン。」


「いや、私は良いと思うよ?」


「私めもです!」


「……ありがとうございますニャン!」


……とまあ、ナフリーちゃんの名付けに驚きつつも、私達はキャノンビートルことカブお爺さんの防衛戦を開始したのだった……

ご読了ありがとうございます。


森の主は温厚故に争いを好まないので、そもそもラビリンスはこっちを重要視していません。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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