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40.蟲毒の迷宮 解析

趣味の範囲で書きまくる!


読まれなくても無問題!

(浅山 藤四郎視点)


「んっ……んん……いてて……ん?ここ、何処だ?」


確か、ラビリンス分身体に穴みてぇな所に落とされてから……クソッ、そっからの記憶がねぇ!


「ん~……ん?トウシロウですの?」


「……メアリーか。」


見たところ、俺の周囲に居たのはメアリー1人。


流石にあの3人が死んで俺が生き残ってるとは考えられねぇので、分断された線が濃厚だろう。


そして、周囲の景色は石畳の様な地面が何処までも続いていそうな迷宮らしきもの……


「……取り敢えず、生き残らねぇと……」


「ロウルと……分断させられましたの?」


「お、状況の飲み込みが早いな。……十中八九そうだろうな。」


「……ここ、出れますの?」


まあ、メアリーの不安はもっともだった。


何せ、ここはラビリンス分身体に作り出されたと思われる空間だ。


……当然、脱出出来るかも怪しい。


「分からねぇな。……だが、俺達に出来るのは出口を探し歩く事だけだ。」


「そ、そうですわね……」


出口の有無はこの際関係ねぇ。


無かったら俺達が終わる、それだけだ。


「……よし、さっさと行くか。」


「……トウシロウがリーダーみたいな感じ、辞めてくださらない?」


「なら、メアリーが上手くやってくれ。」


「えっ!?……てっきり張り合ってくるかと思いましたのに、普通に譲るんですの!?」


メアリー、マジで俺を何だと思ってんだ?


「そりゃ、メアリーの方が俺よりもこういう経験ありそうだしな。……ぶっちゃけ、俺はこういう場合には何の知識も無い足手まといだ。」


「な、何もそこまで言わなくても宜しいですわよ?」


「いいや、所詮は俺も小物だ。……茜やナフリーのお陰でどうにかしがみつけてるが、俺は殆んど実力がねぇからな。」


「……それでよく私に喧嘩売れましたわね。」


「小物ってのは、相手が反撃しねぇと好き勝手やるもんだ。」


「それ、堂々と言う事ですの?」


所詮、俺は小物だ。


なので、ここはこういう時の専門家とも言えるメアリーに従うのが正しいのだろう。


ほんと、俺にプライドなんてものが無くて助かった気がするのは気のせいだろうか?


「……敢えて言うが、俺にプライドなんて物はねぇ。だから緊急時はメアリーに従う。……これで良いか?」


「何で偉そうなのかは置いておきまして、私としてもそれで良いですわ。」


「助かる。……じゃあ、進むか。」


こうしてお互い内心ギスギスしながらも、この薄暗い空間を進んで行く。


ちなみに、メアリーの内心は想像である。


もっとも、碌に目も合わせようとして来ないため、俺を嫌っているのは確実だろうが。


ーザッザッザッ……


「なあ、ここって危険とかねぇか?」


ーザッザッザッ……


「分かりませんわ。……ただ、あの迷兎将軍 ラビリンスの仕業となると、安全とは言い難いですわね。」


ーザッザッザッ……ピチャピチャ……


「ん?」


「これは……水、ですわね。」


先程まで石畳の様だった地面が、いつしか水溜まりの多いじめじめとしたものに変わっていった。


「……なあ、この先から嫌な予感がするんだが……」


「私もですわ。……先に反対側を見てみましょう。」


本能的に嫌な予感を感じ取った俺達は、今来た道を引き返す。


そうして最初に目覚めた場所を過ぎて、しばらく歩いて行くと……


「キ……チキチ……キチ……」


「グシャ……グシャ……グシャ……」


「あ、あれは……」


「フォレストタランチュラがブラッディマンティスを補食してますわね……」


俺達が見たもの、それはブラッディマンティスを補食するフォレストタランチュラだった。


「……共食い……とはまた違うか……」


「ええ、あの魔物達は元々食物連鎖の関係ですわ。……ただ、ラビリンスの言い方だとわざわざ捕まえた魔物の筈ですのに、それをこんな補食関係が成り立つように保存するのは……ん?そういえばラビリンスはコドクと言っておりましたわね……」


「コドク……孤独、じゃないし……」


「……っ!?そういう事ですの!?」


「うわっ、いきなり何だよ!」


メアリーは何かに気付いたのか、突然大声を上げた。


「取り敢えず、あれを倒しますわ。【地獄の氷結(コキュートス)】ですわよ!」


「グシャァ?」


ーピキピキピキーン!


「うお……気付かれる間もなく凍らせたな……」


「これは素材として回収しますわね。」


メアリーはフォレストタランチュラを凍死させると、すぐにブラッディマンティスの死骸と共に収納袋へと回収した……


「いや、何で収納袋持ってんだ!?」


「……冒険者ギルドに言えば無料で貸し出して貰えますわよ?勿論、魔物の死骸を始めとした素材の提出が義務になりますけど……」


「それ、先に言ってくれ……」


「別に、私とロウルで1つずつ借りてますから、わざわざそれ以上増やす必要はありませんわ。」


「ま、まあそう言われるとそうだが……」


何か俺、異世界転移してからとことん現地の情報に疎いな……


まあ、元の世界でも流行りに数歩遅れてたが……


「それより、今からこの迷宮の解析を行いますわ。」


「……そんな事が可能なのか?」


「私を何だとお思いでして?……スキル、【解析(アナライズ)】ですわ!」


スキル、【解析(アナライズ)】か……


思ったより便利なスキル持ってんだな……


「さて、それじゃあ俺はしばらく待ちぼうけを……」


「分かりましたわ!」


「いや早いな!?」


てっきり長くなるかと思っていたが、意外と早く終わったな……


「やはり、これは異世界の呪法である"コドク"を使っていますわね……」


「コドク……蟲毒か。」


「ええ、壺……今回は迷宮ですが、とにかくこの中で魔物を殺し合わせ、最後に残った魔物を利用する……しかも、この迷宮内では魔物が魔物を殺した場合に限り、殺された魔物を構成する魔力が殺した魔物へと引き継がれる仕組みのようですわ。」


「つまり、魔物を殺した魔物ほど強くなるって仕組みか。……まんま蟲毒じゃねぇか。」


ラビリンスはこれで何をするつもりなのか……


いや、そういえばラビリンスと出くわした時、何か言ってたな……


「……これは恐らく、賢馬将軍 バーバの入れ知恵ですわ。」


「そういえば、バーバとか言ってたっけ……」


「……となれば、尚更早くここを出ませんと……」


「どうやってだ?」


「私にも分かりませんわよ……」


お互い迷宮の出方は分からないが、少なくとも魔王軍幹部が2人も関わってるのは確実。


となると、いち早くタルコスの人達に知らせるべきだろう。


「……とはいえ出方が分からない以上、闇雲に進むしかねぇか。」


「或いは、あの水だらけの場所に行くという手もありますわよ。」


「冗談は辞めてくれ。……あの奥から感じた恐怖感は、それこそ以前出くわしたクイーンスライムよりも手強そうな感じだったぞ……」


「そんな事で逃げていては、出れるものも出れませんわよ!」


「うぐっ……」


こうして俺達は、先程の水溜まりが多数ある場所に向かう事にしたのだった。


しかし、この時の俺達は知らなかった。


その先に、あんな強敵が潜んでいるとは……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(ラビリンス視点)


「……という訳で、森に作った簡易迷宮に勇者アカネと愉快な仲間達を閉じ込めましたピョン。」


「……中身は……何だ……」


「う~ん、殆んどは烏合の衆ですピョンけど、2体程強いのが入ってますピョン。」


「ほう……それは……生き残るか?」


「流石に勇者アカネとぶつかったら死ぬですピョンけど、愉快な仲間達とぶつかったら生き残りますピョン。」


「……そうか……」


バーバは考え込んでますピョンが、減ったらまた別の所で補充すれば良いだけですピョン。


「……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……この2体がどこまで行けるか、見物(みもの)ですピョン。」


私は楽観視しますピョン。


どうせ迷宮を突破されたところで、私は痛くも痒くもありませんピョンから。


「……油断……大敵……」


「大丈夫ですピョンよ。……あ、魔物がどれだけ生き残るか予想でもしてみますピョン。」


「……ラビリンス……足元……気を付けろ……」


「も~、バーバは心配症ですピョンね~。」


そうして私は、迷宮に閉じ込めた魔物がどれほど残るか、予想する事にしたのでしたピョン。

ご読了ありがとうございます。 


2体のボスが潜む迷宮、無事に脱出出来るのか……


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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