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27.魔王軍との初戦闘 決着

……もっと、上手く書きたかった……

(浅山 茜視点)


……私とシトラちゃんの打ち合い……それにより私達の周囲は焼け野原になってた……


「……よく生きてたガルな……」


「……一応、持ち主にダメージは少ししか(・・・・)来ないからね……」


だから、あの爆弾が爆発したかと思うレベルの爆発でも生きてた。


けどまあ……


「少ししかって……死にかけじゃねぇガルか!」


そう。


今の私は全身に大火傷を負っていて、いつ死んでもおかしくなかった。


それはもう、立ってるのも精一杯ってぐらいには……


「あはは……シトラちゃんに、初めて手傷負わせちゃったよ……」


「手傷って……そこそこの火傷ガルよ?」


「……それでも、シトラちゃんに傷を負わせたって事実は変わらないよ。」


シトラちゃんの体には、致命傷にはなり得ないレベルの火傷が多数見受けられた。


でも、結局ここまでやってこの程度、か……


「……テメェ、本気でイカれてるガルな。」


「あはは、そうかもね……でも、もう無理かな。」


ードサッ……


「ガルァ!?……テメェ、大丈夫ガルか!?」


「平気平気……ただ、ちょっと悔しいね。」


こんな死にかけの傷を負っても、シトラちゃんには勝てなかった。


……鍛練、しなきゃね……


「ハァ……テメェ、確かアカネって言ったガルよな?」


「うん、そうだけど……」


「……タブルド、テメェのお仲間で本当に倒せると思うガルかァ?」


「思う思わないじゃないよ。……勝てなきゃ終わる、だから勝てるって思うしかないの。」


「ガハハ、ちげぇねぇガル。」


……あの中で、1番勝率が高いのはお兄ちゃんの補助の中に特殊なものがあるって場合かな。


ま、そんな都合の良いものが有ったらだけど。


「……シトラちゃん、私もう無理かも。」


「いや、その程度ならすぐには死なねぇガル。」


「そうなの?……でも、気絶はしそう。」


「ったく、オレは自分より(よえ)ぇ人間は殺さねぇつもりなんガルぞ?……少なくとも、この場に置いといたらテメェ魔物に食われるガル。」


「あはは、面目ない……」


「ハァ……これ、後で魔王様に何て言い訳するのが良いガルか……ま、何でも良いガルな。」


「ん?……何をして……」


この時、私が気絶する直前に見たシトラちゃんはとても凛々しく……


「じゃ、魔物共。……死んでくれガル!」


……ゴブリンキングやオークの虐殺を開始していたのだった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(浅山 藤四郎視点)


「……これで、2つの戦場で勝敗が決しました。」


「兼人……わざわざ言う辺り、急かしてるのか?」


「当然ですよ!……もう、後はタブルドをどうにかしないと……」


現在、俺は兼人から決断を急かされていた。


……というのも、2つの戦場で決着がついたからだ。


ラビリンス分身体との戦いは、司と正義(ジャスティス)が勝ち星をあげた。


シトラとの戦いは、茜が負けるという想定外こそ起きたものの、その後シトラが魔物の虐殺を開始したため、茜が上手く妥協点まで導いてくれたと判断した。


……これで後に残る敵対中の魔王軍幹部はタブルドだけになった訳だ。


「……それでも、命を懸けるのは怖い……生きて元の世界に帰りてぇんだよ!」


「気持ちは分かりますが、結局ここを生き残れなければ元の世界も何も……」


「分かってる!」


「分かってません!」


兼人が言う事も分かるし、多分兼人は人のために命を投げ出せる人間だ。


いや、兼人だけじゃねぇ。


茜も、司も、正義(ジャスティス)も、勇者として選ばれた人間は皆、人のために命を投げ出せる人間だったんだろう。


そういう人間が、勇者として選ばれる。


逆に俺みてぇに命を懸ける事に物怖じする人間は勇者として選ばれない仕組みだとしたら……俺が選ばれなかったのも納得出来るってもんだ。


「……ご主人様……」


「ナフリー、幻滅したか?」


「いえ、ご主人様がいざという時に命を投げ出せないのは下水道で散々聞きましたニャン。」


「あ、そうか……」


あの時の俺、本当に惨めだったっけ……


「ですが……あたしは、ご主人様に生きていて欲しいですニャン……」


「ナフリー……」


勿論、100%死ぬ訳じゃない。


だが、どうしても怖い……


「……ご主人様、嫌なら逃げても良いですニャン。」


「っ!?ナフリーさん、今はそれどころじゃ……」


「……でも、ご主人様は逃げた後も悠々自適に過ごせますニャンか?」


「うっ……それは……」


ナフリーからの質問に、俺は何も返せなかった。


「……無理ですニャンよね?」


「……ああ、無理だ。」


「絶対、ご主人様は自分が逃げた事を後悔しますニャン。」


「ああ……絶対にする。」


多分……というか絶対、俺は後悔する。


俺が逃げなければ救えた命があったのでは?


……そう思って過ごす事になるだろう。


「でしたら、逃げて後悔するより命を懸けて後悔する方が何倍も良いですニャン。」


「……ナフリー、やっぱ1回ドン底を経験した人は言う事がちげぇな。」


うん、ナフリーの言う通りだ。


そして、ナフリーはタブルドを殺したがってる。


「……名も知らない人間のために命を差し出せる程、俺はお人好しじゃねぇ。だが……恋人のためなら、俺は何だってしてやれる。」


「……覚悟が出来たようですニャンね。」


「……ナフリー、一緒に死んでくれるか?」


先程までは、覚悟が足りなかった。


しかし、今は違う。


「ご主人様……勿論ですニャン!」


「分かった。……【無制限の愛(アンリミテッド・ラブ)】!」


俺は、ナフリーに【無制限の愛(アンリミテッド・ラブ)】をかけた。


そして、次の瞬間……


「ニャン!……あ゛っ……」


ーギシギシギシ……


「い゛っ……痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……」


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……


全身の骨が軋む感覚、あらゆる筋肉が切れる感覚、全身に激痛が走る感覚……


「ご、ご主人様……」


「ナフリー、大丈夫……か?」


「あたしは……大丈夫ですニャン……でも、これじゃあ動けな……」


「だったら、僕がナフリーさんを運びます!……まさか、ここまでとは……これだったら戦場に降りてから発動すべきでしか……」


兼人がナフリーに何か言っていたが、俺はそれどころじゃなかった。


「た、頼みますニャン……」


「……本当にナフリーさんは凄いですね。……よっこいせっと。」


「ニ゛ャッ……だ、大丈夫です……ニャン……」


「……分かりました。行きますよ!」


ータッタッタッ……


「ナフリー……仇、取れると良いな……」


俺は全身に激痛が走りつつも、兼人に背負われて戦場へと行くナフリーを見送った。


……そして、そこから俺の記憶は朧げになった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(エルリス・フルウィール視点)


「あかん!……メアリーはん、何か無いん!?」


「炎も氷も駄目となると、他の魔法が効くとは思えませんわ!」


「……自滅狙おうにも、致命傷を与える方法があらへんのやよな……」


「ど、毒はどうですか?」


「ロウルはん、ここ1年間の記録に毒を使ったもんもあったけど、駄目やったそうや。」


「そ、そうですか……」


ウチ等は今、タブルド相手に防戦一方やった。


幸いにも、攻撃はロウルはんで防げる。


せやけど、もうタブルドを倒す方法が……


「エルリスさん、ご無事ですか!?」


「ん?……カネヒトはん!?」


何か知らへんけど、カネヒトはんがナフリーはんを背負(しょ)って来たわ。


いや、勝てへん()うたやん……ん?さっきと何か違う気がするな……


「ナフリーさん、行けますか?」


「い、行けます……ニャン……」


ータッ……ヒュン!


「……は?」


ナフリーはん、カネヒトはんから下りた瞬間に高速移動しはったで!?


「……タブルド、今度こそ終わりですニャン!」


「オ゛ンナァァァ!オガ……」


タブルドは、ナフリーはんに棍棒を振り下ろそうと……



「全身全霊の……【飛斬】ですニャン!」


ーブンッ!……スパッ……ドゴゴゴゴゴゴゴーン!


「「「……ハァ!?」」」


……ナフリーはんの放った【飛斬】は、タブルドを縦に6つに割って斬殺しよった。


それどころか、タブルドを斬った後も【飛斬】の威力は落ちず、魔物の群れに突っ込んで行った……


……ただ、ナフリーはんの様子もおかしくて……


「……ゴフッ!」


ーポタポタ……ブシュブシュブシュブシュー!


「っ!?大丈夫かいな!?」


「ニャ……ン……」


ードサッ……


ナフリーはんの全身から血という血が溢れ出て、その場に倒れはった。


「……カネヒトはん、説明してもろか。」


「分かってます。……ただ、先に救援を!」


「分かっとるわ!」


こうしてタブルドとの戦いは呆気ない結末を迎えはった。


……大量の謎を残して、やけどな。

ご読了ありがとうございます。


……やっぱり、脳内のイメージを上手く出力できないので、不評になると思います……


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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