25.魔王軍との初戦闘 幻影
何かこう、今回は文章がとッ散らかってる気がします。
(金村 正義視点)
「グギャァァァァァァァァァァ!」
「ゴブリンロード、止まるっしよ!」
ーピタッ……
「【美しき神炎】!」
ーボォォォォォォ!
「グギャァァァァァァァァ!?」
ードサッ……
「ハァ……ハァ……正義君、まだ行けるかい?」
「い、行けるっしょ……」
今の俺チャン達、激ヤバじゃね?
……そう考えたのは、俺チャン達が何体目のゴブリンロードを倒した後だったか……
「ふふふ、やはり辛いですピョンか~?」
「そ、そんな訳ないに決まってるだろ?」
「司チャンの言う通りっしょ!」
「でも、2人とも限界みたいですピョンよ?……ま、ゴブリンロードを30体も倒してたら魔力切れを起こしても不思議じゃないですピョンしね~。」
ゴブリンロード30体……マジで!?
「これは……痛い所を突かれたねかもね……」
「しかも、下せる命令も制限されてるっしょ……」
ただでさえ地味に魔力消費が高いってのに、ゴブリンロードを連続で30体も倒せば魔力がどんどん減るのは当然の出来事。
しかもこのゴブリンロード、自害や同士討ちを防ぐスキルまで付与されてると推測されるっしょ……
「スキル、【不完全自立命令系統】……私と同じとまでは行きませんピョンが、それでも下せる命令を精々数秒間の制止のみに制限出来るスキル……ですが、まさかこのスキルを付与したゴブリンロードを30体も倒すとは……」
「まあ、勇者だからね。」
「勇者だからっしょ!」
「ふむ……だとしたら、肩透かしも良いところですピョンがね。」
「なっ……どういう意味だい?」
「言葉の通りですピョン。……勇者2人は私1人仕留められず、もう1人はシトラ相手に手も足も出ていないですピョン。」
「……つまり、茜チャンも危機的状況って訳?」
「これは……マズいね……」
俺チャン達だけじゃなく、まさか茜チャンまでやられてるなんて……
……マジヤバっしょ……
「ふふふ、更にタブルドの相手してる者達に至っては勇者ですらないと来たピョン。……しかも未だに決定打はおろか傷ひとつ付けられていないとか笑えますピョン。」
「……なら、尚更ボク達は勝たないとね。」
「……ほんとそれっしょ。」
皆の状況が悪いからって、諦める理由にはならないっしょ!
……それに、まだ勝ち目はある訳で。
「ハァ……だったら死ぬまで頑張ってると良いですピョン。……【迷宮創造・即席版】ですピョン!」
ーブワ~ン……
「グギャァァァァァァァァァァ!」
「……またゴブリンロードか……」
「司チャン、安心するっしょ。……もうそろそろで頃合いっしょ。」
「……ふむ、分かった。」
いくら俺チャン達だって、何の考えもなく戦ったりしないっしょ。
つまり、それは勝ち目がある事を意味してるっしょ。
「さあ、良い悲鳴を聞かせてくださいピョン!」
「……性格、悪いね。」
「ま、その方が心が痛まないっしょ。」
ラビリンスの分身体を絶対に仕留める。
俺チャン達はそう考えながら、ラビリンスに再度向き合ったっしょ……
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(ラビリンス視点)
私は考えますピョン。
敵は勇者2人ですピョン。
現在、ゴブリンロードと対峙して……
「お、また倒したピョンか?」
……ツカサと名乗る勇者と、ジャスティスと名乗る勇者、2人は31体目のゴブリンロードも倒しましたピョン。
でも、それが何ですピョンか?
私の勝利は決定的ですピョン。
「ふむ……そちらが魔力切れを待つなら、ボク達もその作戦を使わせて貰うよ?」
「……と、言いますピョンと?」
「こんなにゴブリンロードを召喚して、攻撃を受けたら【防御障壁】で身を守る……これだって、魔力消費が大きい筈さ。……だから、ボク達もラビリンスの魔力切れを待たせて貰う!」
「司チャン、流石っしょ!」
勇者2人は楽観視していますピョン。
ここは、絶望を与えるのが戦況的に良いですピョン。
「生憎ですが、私は既にこの地の龍脈と繋がり、そこから魔力を無限に使用出来ますピョン。」
「なっ……」
「マジで!?」
1ヶ月もかけてこの地の龍脈と繋がって、魔力を使い放題にしたのですピョン。
これで負けるとかあり得ないですピョン。
「……ふふふ、そういう訳で次の敵を……」
「こうなったらヤケクソっしょ!……ラビリンス、自害するっしょ!同士討ちするっしょ!」
「だから、効かないと言って……」
「チッ……自滅するっしょ!帰るっしょ!イリュージョンっしょ!」
「これが勇者とか、人間も終わりですピョンね。」
勇者ジャスティスは、私に向かってひたすら命令を下してましたピョン。
その様子は滑稽としか言えませんでしたピョン。
まあ、私に感情はないので一般的な基準から導き出した答えですピョンけど……
やっぱり、感情なんて必要ないですピョン。
「……ラビリンス、少し良いかい?」
「おや?命乞いですピョンか?」
「違うよ。……さっき、君は龍脈から魔力を吸い上げていると言っていたけど……その割に【防御障壁】を常時展開はしていないね。……やっぱり、嘘なのかな?」
勇者ツカサ、こちらは落ち着いていますピョン。
でも、話の内容は見当違いでしたピョン。
「本当ですピョンよ。……常時展開しないのは、その必要がないからですピョン。……私の視界は、私に対するあらゆる攻撃を捉えますピョン。……いくら魔力が無限だからって、無駄な所に魔力を割くのは愚策ですピョン。」
私は非効率的な事はしないですピョン。
特に問題なく防げている以上、【防御障壁】を常時展開とか……
そもそも魔力切れを起こさせるなら下手に希望を潰すより、微かな希望を見せてた方が効率的ですピョンからね~。
「そうかい、助かったよ。……ラビリンス、君が臆病者じゃなくて。」
「ピョン?」
今、嫌な予感がしましたピョン……
これは、相手が何か仕掛けて……
「【美しき神炎】!」
ーボォォォォォォ!
「……馬鹿の一つ覚えですピョンか?【防御障壁】ですピョン。」
結局、勇者ツカサがして来た攻撃は対して工夫もしてなくて、私は前面に【防御障壁】を展開して……
……本当に?
「……ラビリンス、疑問に思うのがちょいと遅かったっしょ。」
ーフッ……
「き、消えましたピョン!?」
勇者ジャスティスの不穏な言葉が聞こえると同時に、勇者ツカサの放った攻撃が消えて……
「……チェックメイトさ。」
ーバビューン!
「ピョ……」
突然、上から何かが降って来て、私の分身体の頭頂部から股下にかけて貫いたのでしたピョン……
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(扇羽 司視点)
正義君からの作戦を、ボクは完全に把握していた訳ではなかった。
それでも、ボクはやり遂げた。
ーガシャーン!
「ふ……ふふ……完敗ですピョンね……ネタバラシ……して貰えますピョン?」
ーシュー……プスプスプス……
「流石分身体、まだ喋れるのかい。」
頭から股下にかけて、一直線に魔力の矢で貫いた筈のラビリンスは、浮遊能力を失ったらしく地面に転がっていた。
しかも、見る限りでは敵対行動をして来ない。
……もう、喋る事しか出来ないのだろう。
「勿論、言ってやるっしょ。……多分、この作戦は今後は使えないんじゃね?とは思ってたし……」
「まあ、相手が相手だから通じただけだろうし、ラビリンスも多分薄々は気付いてるよ。」
今回だから使えた、ってだけだろうね。
「まず、俺チャン達はあんたの攻撃に圧倒されてるようにわざと見せたっしょ。……ま、圧倒されてたのは本当だけど、それを敢えて見せたって方が正しいか?」
「……でラビリンス、君が完全に油断し切ったところに、正義君はヤケクソを装って1つの魔法を撃ち込んだ。」
「イリュージョン、ですピョンね?……あの時は無駄な足掻きと聞き流していましたピョンが、それすらも……」
「策の内っしょ。」
後は簡単。
正義君の魔法、【幻影】でボクが【美しき神炎】を撃ち込んだ様に見せて、実際は【美しき神弓】を放ってた訳さ。
「ってな訳で、こっちも色々聞かせて貰うっしょ。」
「……いえ、お断りしますピョン。」
ーボンッ!
「……チッ、完全に壊れたっしょ。」
「ふむ、まあこちらに被害が無くて良かったよ。」
こうして、ボク達のラビリンス討伐戦は終わりを告げた。
後はまあ……ゴブリンキングやオークを片付けるとするかな……
「じゃ、さっさと雑魚狩り終わらせるっしょ!」
「……本当にね。」
こうしてボク達は、ひたすら周囲の魔物を同士討ちさせて行くのだった……
ご読了ありがとうございます。
【幻影】は、相手に任意の幻覚を見せる魔法。……ラビリンスの【完全自立命令系統】は洗脳のような自身に命令を下す攻撃は防げても、視界に作用する幻覚までは防げませんでした。
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